GHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 87-56-9
名称 ムコクロル酸
物質ID 24A6037
分類実施年度 平成24年度
分類実施者 厚生労働省、環境省
新規/再分類 新規分類
他年度における分類結果  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) GHS分類ガイダンス
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外
-
-
- - 爆発性に関わる原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-
-
- - 常温で固体(SIDS(2003))である。
3 エアゾール 分類対象外
-
-
- - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-
-
- - 常温で固体(SIDS(2003))である。
5 高圧ガス 分類対象外
-
-
- - 常温で固体(SIDS(2003))である。
6 引火性液体 分類対象外
-
-
- - 常温で固体(SIDS(2003))である。
7 可燃性固体 分類できない
-
-
- - 可燃性との情報(GESTIS(Access on June. 2012))があるが、所定の試験法によるデータなし。
8 自己反応性化学品 分類できない
-
-
- - 爆発性に関わる原子団を含んでいなく、自己反応性に関わる原子団(アクリル基)を含んでいるが、データがない。
9 自然発火性液体 分類対象外
-
-
- - 常温で固体(SIDS(Access on June. 2012))である。
10 自然発火性固体 分類できない
-
-
- - データなし。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 融点140℃以下の固体に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外
-
-
- - 金属および半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外
-
-
- - 常温で固体(SIDS(2003))である。
14 酸化性固体 分類対象外
-
-
- - フッ素を含まず、酸素と塩素を含む有機化合物であるが、これらの元素が炭素および水素以外の元素と化学結合していない。
15 有機過酸化物 分類対象外
-
-
- - -O-O-構造を有していない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない
-
-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4


警告
H302 P301+P312
P264
P270
P330
P501
ラットのLD50値として5件(400、360、300、500、および350 mg/kg)の報告(SIDS(2003))があり、1件が区分3、4件が区分4に該当することから、該当数の多い区分4とした。
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-
-
- - ウサギのLD50値は>200 mg/kg(SIDS(2003))と報告されているが、区分を特定できないので分類できない。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-
-
- - 常温で固体(SIDS(2003))である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分外
-
-
- - ラットのLC50値は> 5.1 mg/L(粉塵:4時間ばく露)(SIDS(2003))に基づき、JIS分類基準の区分外とした。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分1


危険
H314 P301+P330+P331
P303+P361+P353
P305+P351+P338
P304+P340
P260
P264
P280
P310
P321
P363
P405
P501
ウサギ2匹の皮膚に本物質の80%水溶液0.5gを4時間の閉塞適用した試験(Test guidelines of the US Department of Transportation)において、4時間、1日、2日、8日後の紅斑の平均スコアはそれぞれ3.5、4、4、4であり、浮腫の平均スコアは3、3、3、1.5で、腐食性あり(corrosive)との評価(SIDS(2003))に基づき、区分1とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1


危険
H318 P305+P351+P338
P280
P310
ウサギに本物質の粉末50 mgを適用した試験で、最も重度の症状は角膜全域が不透明となった混濁であり、試験終了時の8日目にも症状が持続し、不可逆性とみなされ、強い腐食性との評価(SIDS(2003))に基づき、区分1とした。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- - モルモットのマキシマイゼーション試験で5匹中1匹に感作が認められたとする報告(SIDS(2003))があるが、試験結果が不明瞭で結論付けもされていない。また、モルモットを用いた別の皮膚感作性試験(open epicutaneous test)では感作性なし(SIDS(2003))と報告されているが、OECDで承認された試験方法ではない。その他にも分類の根拠とし得る情報はなく「分類できない」とした。
5 生殖細胞変異原性 区分2


警告
H341 P308+P313
P201
P202
P281
P405
P501
マウスに経口投与後の腸管上皮細胞を用い、小核を含む核の異常を評価した試験の結果、十二指腸にのみ異常の増加がみられ、弱い遺伝毒性が示唆された(SIDS(2003))。一方、in vitro試験として、エームス試験、マウスのリンフォーマ試験、CHO細胞を用いたHGPRT試験、CHO細胞を用いた染色体異常試験、チャイニーズハムスターのV79細胞を用いた小核試験など、多種のin vitro変異原性試験においていずれも陽性結果が報告されている(SIDS(2003))ことから区分2とした。
6 発がん性 分類できない
-
-
- - データ不足。なお、7日齢の2種の雑種マウスを用い、18ヵ月間経口投与(4週齢まで強制投与しその後混餌投与)した試験において、対照群と比較し死亡率に有意な影響はなく、また、腫瘍発生率の有意な増加も認められなかったと報告されている(SIDS(2003))が、1用量のみの動物数の少ない試験であり、また、対象とした臓器や腫瘍の種類も限定的なため分類にはデータ不十分である。
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- - ラットの妊娠6~19日に経口投与による発生毒性試験(OECD TG414:GLP)において、母動物に一般毒性として摂餌量低下や体重増加抑制が見られたが、発生毒性または催奇形性を示す徴候がなかった(SIDS(2003))ことにより、仔の発生に対する悪影響はないと判断されるが、性機能および生殖能に及ぼす影響に関してはデータがなく不明であり「分類できない」とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分2(全身毒性)


警告
H371 P309+P311
P260
P264
P270
P405
P501
ラットに経口投与した試験でLD50値は300~400 mg/kgであり、無緊張と運動失調が観察され(SIDS(2003))、また、別の試験では高用量群で全例が死亡し、症状として喘ぎ、間代性痙攣がみられた(SIDS(2003))。さらに、最初に興奮、その後に努力性呼吸と呼吸数低下が観察された試験(SIDS(2003))もある。一方、吸入試験ではラットに5.1 mg/Lを4時間のばく露で死亡例はなく、身づくろい、呼吸困難、流涎の症状がみられた(SIDS(2003))。以上より、経口投与ではガイダンス値区分2に相当する用量で症状が認められているが、標的臓器の特定が困難なため区分2(全身毒性)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
-
-
- - データ不足。なお、ラットに5ヵ月間の吸入ばく露により反射能の低下、間欠的興奮など、また、ラットに4ヵ月間の経口投与により興奮増強などの所見が記載されているが、いずれも試験方法が不備または限定的であり、評価には不十分なデータであるとされている(SIDS(2003))ので、分類に用いなかった。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-
-
- - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分3
-
-
H402 P273
P501
甲殻類(オオミジンコ)において48時間EC50 = 13 mg/L(SIDS, 2005)から、区分3とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分3
-
-
H412 P273
P501
信頼性のある慢性毒性データが得られていない。急速分解性に関する適切なデータが得られておらず、甲殻類の急性分類が区分3である(SIDS, 2005)ことから、区分3とした。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

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