GHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 77-58-7
名称 ジブチルスズ=ジラウラート
物質ID 24A6056
分類実施年度 平成24年度
分類実施者 厚生労働省、環境省
新規/再分類 新規分類
他年度における分類結果  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) GHS分類ガイダンス
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外
-
-
- - 爆発性に関わる原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外
-
-
- - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 分類できない
-
-
- - 可燃性(ICSC(J)(1995))を有するが所定の試験データがなく分類できない。
8 自己反応性化学品 分類対象外
-
-
- - 爆発性に関わる原子団を含んでいない、かつ自己反応性に関わる原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 分類できない
-
-
- - データなし。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 融点140℃以下の固体に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 区分外
-
-
- - 金属(Sn)を含むが、水溶解度3 mg/L(25℃)(SRC PhysProp(Access on July. 2012))というデータがあり、水と急激な反応をしないと考えられる。
13 酸化性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 分類できない
-
-
- - フッ素および塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であり、この酸素が炭素、水素以外の元素(Sn)と結合しているが、データがなく分類できない。
15 有機過酸化物 分類対象外
-
-
- - -O-O-構造を有していない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない
-
-
- - 融点が55℃以下の固体であるが、データがなく分類できない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分3


危険
H301 P301+P310
P264
P270
P321
P330
P405
P501
ラットのLD50値として3件のデータ[175 mg/kg(環境省リスク評価 第8巻(2010))、45 mg/kg、243 mg/kg(以上2件 EHC 15(1980))]が報告され、内1件が区分2、2件が区分3に該当することから、該当数の多い区分3とした。

なお、健康有害性に関しては、加水分解生成物の「ID427 ジブチルスズオキサイド(CAS 番号 818-08-6)」も参照のこと。
1 急性毒性(経皮) 区分外
-
-
- - ウサギのLD50値は >2000 mg/kg(環境省リスク評価第8巻(2010))に基づき、JIS分類基準区分外(国連分類基準の区分5または区分外に相当)とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分2


危険
H330 P304+P340
P403+P233
P260
P271
P284
P310
P320
P405
P501
マウスの2時間ばく露によるLC50値は0.15 mg/L(4時間換算値:0.075 mg/L)(環境省リスク評価 第8巻(2010))に基づき、区分2とした。なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度(0.0008 mg/L)より高いので、ミストまたは粉塵による試験とみなした。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2


警告
H315 P302+P352
P332+P313
P264
P280
P321
P362
ウサギの皮膚に500 mgを24時間適用した試験で、中等度の刺激(moderate irritation)との結果(HSDB(2010))に基づき区分2とした。なお、List 3の情報として、ウサギの皮膚に500 mg適用したドレイズ試験で、刺激性は重度(severe)との記載(RTECS(2011):元文献 National Technical Information Service.: OTS0555424)がある。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2A


警告
H319 P305+P351+P338
P337+P313
P264
P280
ヒトで眼を刺激し、眼に入ると発赤を生じるとの記載(環境省リスク評価 第8巻(2010))に加え、ウサギの眼に100 mgを適用した試験で、中等度の刺激(moderate irritation)との結果(HSDB(2010))に基づき、区分2Aとした。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- - データなし。
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - in vivo試験のデータがないので分類できない。なお、in vitro試験としてはエーム試験で陰性(NTP DB(1983))が報告されている。
6 発がん性 分類できない
-
-
- - データなし。なお、有機スズ化合物はACGIH(2001)の発がん性評価でA4に分類されている。
7 生殖毒性 区分1B


危険
H360 P308+P313
P201
P202
P281
P405
P501
ラットの妊娠8日目に本物質51 mg/kgを経口投与した試験で、母動物の体重、生存、ならびに生存胎仔数への影響はみられなかったが、胎仔で下顎裂、下唇裂、舌小帯短縮や舌裂、脳ヘルニアなどの外表系奇形、下顎骨固定不全、頭蓋骨形成不全、癒合肋骨等の骨格系奇形の有意な増加が認められた(環境省リスク評価 第7巻(2009)および第8巻(2010))。以上より、親動物での一般毒性が現われていない用量で催奇形性が示されたことから、区分1Bとした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない
-
-
- - データなし。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(肝臓)


危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
雄ラットの15日間反復経口投与試験(0、17.5 mg/kg/day)で、17.5 mg/kg/day群で20%の動物が死亡し、肝ミクロソーム酵素活性の低下やヘムオキシゲナーゼ活性の有意な上昇、および肝細胞の変性がみられた(環境省リスク評価 第7巻(2009)および第8巻(2010))。また、ウサギの6週間反復経口投与試験(0、15、25、40 mg/kg/day)では、25 mg/kg/day以上の群の全数、15 mg/kg/day群の1/3匹が死亡し、25 mg/kg/day群でLDH の上昇、25 mg/kg/day以上の群でGOT、トリグリセライド、総コレステロールの上昇、40 mg/kg/day群でGPTの上昇がみられた(環境省リスク評価 第7巻(2009)および第8巻(2010))。以上より、ラットではガイダンス値区分1に相当する17.5 mg/kg/day(90日換算:2.92 mg/kg/day)で肝細胞のミクロソーム酵素活性の変化および肝細胞の変性、ウサギではガイダンス値区分2に相当する25 mg/kg/day(90日換算:11.5 mg/kg/day)以上、または40 mg/kg/day(90日換算:18.5 mg/kg/day)群で、肝機能の悪化を示すGOT、GPT、LDHなどの上昇が認められたことから、区分1(肝臓)とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-
-
- - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分1


警告
H400 P273
P391
P501
甲殻類(オオミジンコ)による48時間LC50=0.66mg/L(ECETOC TR91, 2003)であることから、区分1とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分1


警告
H410 P273
P391
P501
信頼性のある慢性毒性データは得られていない。急速分解性がなく(難分解性、BOD:50%(既存点検, 1985))、急性毒性区分1であることから区分1とした。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

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