項目 | 情報 |
---|---|
CAS登録番号 | 97-23-4 |
名称 | 2,2'-ジヒドロキシ-5,5'-ジクロロジフェニルメタン(別名:ジクロロフェン) |
物質ID | 24A6075 |
分類実施年度 | 平成24年度 |
分類実施者 | 厚生労働省、環境省 |
新規/再分類 | 新規分類 |
他年度における分類結果 | |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | GHS分類ガイダンス |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関わる原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関わる原子団を含んでいない、かつ自己反応性に関わる原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 |
- |
- | - | 発火点は700℃であり(GESTIS(Access on Aug. 2012))、常温で発火しないと考えられる。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 金属および半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | フッ素を含まず、酸素および塩素を含む有機化合物であるが、この酸素および塩素は炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
- |
- | - | -O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
- |
- | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分4 |
警告 |
H302 |
P301+P312
P264 P270 P330 P501 |
ラットのLD50値は、1506 mg/kg(雄)および1683 mg/kg(雌)(HSDB(2006))に基づき区分4とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 |
- |
- | - | ウサギの皮膚に0.5 mLを24時間適用した試験において、24時間~72時間の観察で紅斑/痂皮のスコアが1~0、浮腫のスコアが0、皮膚一次刺激指数(PII)は0.5であり、本物質は皮膚一次刺激物質ではなかった(HSDB(2006))との評価結果に基づき区分外とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 |
危険 |
H318 |
P305+P351+P338
P280 P310 |
ウサギの結膜嚢に0.1 gを適用した試験において、極度の角膜混濁、重度の結膜発赤、中等度~極度の浮腫、眼瞼の水疱、血管新生、軽度~重度の排出物、血性排出物、眼周辺の脱毛が認められ、虹彩炎は極度の角膜混濁のため点数化できなかったと記載されている(HSDB(2006))。また、ウサギの結膜嚢に0.1 mLを適用した別の眼刺激性試験でも、24時間~3日の観察期間で角膜混濁、虹彩充血、重度の結膜刺激が観察されている(HSDB(2006))。以上の結果から、眼に強い影響、特に角膜に強い傷害が生じていることから区分1とした。なお、EU分類ではXi; R36(EC-JRC(ESIS)(Access on Aug. 2012))である。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分1 |
警告 |
H317 |
P302+P352
P333+P313 P261 P272 P280 P321 P363 P501 |
本物質は接触アレルギー物質の一つとしてリストアップされ、皮膚炎、発疹、潰瘍などの皮膚病変を有する患者に対するパッチテストで、被験者15人中4人に陽性反応が認められた(HSDB(2006))。10年に及ぶうっ血性潰瘍の病歴を持つ56歳女性がパッチテストで重度の紅斑、浮腫、小胞形成を示した事例、また、4年間治癒しないままうっ血性皮膚炎と外傷性潰瘍を有する67歳女性がパッチテストで紅斑、浮腫、水疱反応を示し陽性であった事例の報告(HSDB(2006))がある。以上リスト2の情報であるが、ヒトでの症例報告が複数あることから区分1とした。また、モルモットを用いた皮膚感作性試験では陽性および陰性の両方の結果がある(HSDB(2006))。なお、本物質は光パッチテストのため一連の光アレルギー物質の中にリストアップされ、光感作性を示唆する病歴のある被験者352人のに行ったパッチテストでは、13人が本物質に陽性反応を示した(HSDB(2006))と報告されている。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない |
- |
- | - | in vivo試験のデータがなく分類できない。なお、in vitro試験としてエームス試験で陽性の結果(NTP DB(1988))が得られている。 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 分類できない |
- |
- | - |
データ不足。なお、本物質で治療されたかなりの割合の患者に仙痛、下痢、嘔気が現れ4~6時間持続、時に嘔吐を起こし、さらに共通の症状として倦怠がみられる(HSDB(2006))。また、無鉤条虫、小型条虫、回虫が寄生した57人の患者の治療に本剤を使用し、副作用として便通促進がみられ、うち15%が嘔気、食欲不振、腹痛を示したと報告されている(HSDB(2006))が、そのため投与を中止する必要はなかったと記述されている(HSDB(2006))ので、症状は軽微とみなされ分類の根拠としなかった。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない |
- |
- | - | ラットの90日間混餌投与試験において、本物質投与に関連付けられる変化として、0.5%(250 mg/kg bw/day)群で尿細管のネフローゼと拡張を伴った限局性間質性腎炎、および好酸性円柱がみられたが、0.2%(100 mg/kg bw/day)群では認められなかった(HSDB(2006))。この腎臓の変化の発現用量はガイダンス値範囲を超えており、ガイダンス値範囲上限に相当する100 mg/kg/dayで認められていないので、経口投与に関しては区分外に相当するが、他経路のデータがないため特定標的臓器毒性(反復ばく露)の分類としては「分類できない」とした。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 |
警告 |
H400 |
P273
P391 P501 |
甲殻類(カイアシ類)による48時間EC50=0.05mg/L(HSDB, 2006)であることから、区分1とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分1 |
警告 |
H410 |
P273
P391 P501 |
慢性データを用いた場合、急速分解性がなく(難分解性、BOD0%(既存点検, 1983))、魚類(ファットヘッドミノー)による33日間NOEC=0.154mg/L(AQUIRE, 2012)から、区分2となる。 慢性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(難分解性、BOD0%(既存点検, 1983))、甲殻類(カイアシ類)による48時間EC50=0.05mg/L(HSDB, 2006)であることから、区分1となる。 以上の結果を比較して、区分1とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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