GHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 97-65-4
名称 イタコン酸
物質ID 24A6078
分類実施年度 平成24年度
分類実施者 厚生労働省、環境省
新規/再分類 新規分類
他年度における分類結果  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) GHS分類ガイダンス
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外
-
-
- - 爆発性に関わる原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外
-
-
- - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 分類できない
-
-
- - データなし。
8 自己反応性化学品 分類できない
-
-
- - 自己反応性に関わる原子団(不飽和結合)を含むが、データがなく分類できない。
9 自然発火性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 区分外
-
-
- - 発火点は430℃であり(MSDS(Merck)(2010))、常温で発火しないと考えられる。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - データなし。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外
-
-
- - 金属および半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 分類対象外
-
-
- - フッ素および塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素は炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
15 有機過酸化物 分類対象外
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-
- - -O-O-構造を有していない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない
-
-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分外
-
-
- - ラットのLD50値は 2969 mg/kg(Directive EEC 84/449-B1; GLP)(SIDS(Access on Aug. 2012))に基づき、JIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分5に相当)とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外
-
-
- - ラットのLD0値は >2000 mg/kg(Directive EEC 84/449-B3; GLP)(SIDS(Access on Aug. 2012))に基づき、区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外
-
-
- - ウサギに本物質0.5 mLを24時間適用した試験(Directive 84/449/EEC, B.4; GLP)で刺激性なし(not irritating)との結果(PATTY(5th, 2001)、IUCLID(2000))に基づき、区分外とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1


危険
H318 P305+P351+P338
P280
P310
ウサギを用いた眼刺激性試験で、適用後24、48、72時間における評価の平均スコアは角膜混濁で4であり、角膜の損傷は約25%眼の下の部分に目視で確認され、また上皮の損傷(蛍光処理による角膜染色最大50%)が観察されたことから区分1とした。なお、本物質は劇物に指定(指定令第2条)されている(毒劇部会公開資料)。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データなし。
4 皮膚感作性 区分外
-
-
- - モルモットのマキシマイゼーション試験(Directive 84/449/EEC, B..6; GLP)において、感作性なし(not sensitizing)との結果(PATTY(5th, 2001)、IUCLID(2000))に基づき、区分外とした。
5 生殖細胞変異原性 区分外
-
-
- - マウスに経口投与による小核試験(in vivo変異原性試験)(Directive 84/449/EEC, B.12 GLP)で陰性の結果(IUCLID(2000))に基づき、区分外とした。なお、in vitro試験として、エームス試験(Directive 84/449/EEC, B.14; GLP)、CHO細胞を用いた染色体異常試験(OECD TG 473; GLP)、チャイニーズハムスター肺由来V79細胞を用いたHGPRT試験(OECD TG 476、GLP)の各試験でいずれも陰性の結果(IUCLID(2000))が報告されている。
6 発がん性 分類できない
-
-
- - データなし。
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- - ラットを用いた発生毒性・催奇形性試験(OECD TG415: GLP)でNOELが雌雄とも1000 mg/kg/dayと報告されている(SIDS(Access on Aug. 2012))が、それ以上の記載はなく詳細不明のため「分類できない」とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない
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-
- - ネコに500 mg/kgを経口投与により、消化管での刺激性によると思われる嘔吐と下痢を起こしたが、1000 mg/kgまで全身性の毒性は認められず、また、ガイダンス値範囲を超えた5000 mg/kgは致死量であり、重度の消化管障害、痙攣、虚脱が見られている(PATTY(5th, 2001))。以上の結果のみでは分類にはデータ不足であり、「分類できない」とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
-
-
- - ラットの13週間混餌投与試験のNOAELは14000 ppm(1001~1088 mg/kg/day)(PATTY(5th, 2001))、ラットの4週間経口投与試験のNOAELは500 mg/kg/day(90日換算値:154 mg/kg/day)(SIDS(Access on Aug. 2012))、ラットの90日間混餌投与試験のNOAELは2.0%(1748~2158 mg/kg/day)(食品既存添加物(2000))、ネコの14週間経口投与試験は100 mg/kg/dayで影響なし(NOAELは100 mg/kg/day以上)(PATTY(5th, 2001))との報告があり、複数の反復投与試験でNOAELがいずれもガイダンス値範囲上限を超えていることから、経口経路では区分外に相当する。しかし、他経路についてはデータがなく影響が不明のため、.特定標的臓器毒性(反復ばく露)の分類としては「分類できない」とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-
-
- - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分3
-
-
H402 P273
P501
藻類(セネデスムス)による72時間EC50=47mg/L(SIDS, 2001)であることから、区分3とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分外
-
-
- - 信頼性のある慢性データが得られていない。急性毒性区分3であるが、急速分解性があり(良分解性、BOD82%(既存点検, 1997))、生物濃縮性が低いと推定される(LogKow= -0.34(PHYSPROP Database, 2009))ことから、区分外となる。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
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- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

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