GHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 298-07-7
名称 りん酸水素ビス(2-エチルヘキシル)
物質ID 24A6101
分類実施年度 平成24年度
分類実施者 厚生労働省、環境省
新規/再分類 新規分類
他年度における分類結果  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) GHS分類ガイダンス
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
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厚生労働省モデルSDS(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外
-
-
- - 爆発性に関わる原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
3 エアゾール 分類対象外
-
-
- - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
6 引火性液体 区分外
-
-
- - 引火点は198℃[密閉式](HSDB(2006))であり93℃超である。
7 可燃性固体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
8 自己反応性化学品 分類対象外
-
-
- - 爆発性に関わる原子団を含んでいない、かつ自己反応性に関わる原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 区分外
-
-
- - 発火点は300℃であり(GESTIS(Access on Aug. 2012))、常温で発火しないと考えられる。
10 自然発火性固体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 区分外
-
-
- - 分子内に半金属(P)を含むが、水との反応性なし(Renzo(3rd, 1986))という情報があり、水と急激な反応をしないと考えられる。
13 酸化性液体 分類できない
-
-
- - フッ素および塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であり、この酸素が炭素、水素以外の元素(P)と化学結合しているが、データがなく分類できない。
14 酸化性固体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外
-
-
- - -O-O-構造を有していない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない
-
-
- - データなし。なお、ほとんどの金属に対し軽度の腐食性があるとの記載(HSDB(2006))がある。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4


警告
H302 P301+P312
P264
P270
P330
P501
ラットのLD50値は4940 mg/kg bw(ECETOC JACC 20(1992))、1400 mg/kg(HPVIS(2009))と2件のデータが得られており、1件は区分外(国連分類基準の区分5に相当)、もう1件が区分4に相当することから、安全性の観点から有害性の高い区分を採用し区分4とした。
1 急性毒性(経皮) 区分4


警告
H312 P302+P352
P280
P312
P322
P363
P501
ウサギのLD50値は1250 mg/kg bw(ECETOC JACC 20(1992))に基づき、区分4とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - データ不足。なお、ラットに、本物質の飽和蒸気を8時間ばく露した結果、死亡も症状も認められなかったとの記載(BUA 172(1995))がある。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分1


危険
H314 P301+P330+P331
P303+P361+P353
P305+P351+P338
P304+P340
P260
P264
P280
P310
P321
P363
P405
P501
ウサギに本物質0.5 mLを1~8時間適用した皮膚刺激性試験で、腐食性(corrosive)との結果(USEPA/HPV(2001))、およびウサギに本物質原液0.5 mLを24時間の閉塞適用した別の試験でも強い刺激性(highly irritating)を示し、皮膚一次刺激指数(PDII)は6.2との結果(HPVIS(2009))に基づき、区分1とした。なお、以上の試験以外にウサギを用いた試験で、0.5 mLを24時間の閉塞適用によりPDIIは0で刺激性なし(not irritating)、また、48時間の閉塞適用でPDIIは4.85で刺激性はあるが腐食性はない(not corrosive)との結果(HPVIS(2009))も報告されている。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1


危険
H318 P305+P351+P338
P280
P310
ウサギに本物質100 μLを適用した眼刺激性試験で、腐食性(corrosive)との結果(USEPA/HPV(2001))、およびウサギ6匹を用いた別の眼刺激性試験(Federal Register)では、総合平均スコア(AOIに相当)は適用後1日、2日、3日および7日のいずれも98以上(最も重度な場合110)で腐食性あり(corrosive)との評価結果(HPVIS(2009))に基づき、区分1とした。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- - データなし。
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - in vivo試験のデータがなく分類できない。なお、in vitro試験として、エームス試験で陰性(ECETOC JACC 20(1992)、マウスリンフォーマ試験で陰性(HPVIS(2009))の結果が報告されている。
6 発がん性 分類できない
-
-
- - データなし。
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- - データなし。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない
-
-
- - ラットに500~3000 mg/kgを経口投与した急性毒性試験(LD50: 1400 mg/kg)において、全用量群で抑制症状と死亡が見られたが、剖検ではばく露との関連が明確な変化は認められなかった(HPVIS(2009))。また、ラットに500または5000 mg/kgを経口投与した急性毒性試験(1群10匹)では、5000 mg/kgの投与で全例が死亡し、500 mg/kgの投与では死亡例はなく、生存例(500 mg/kg投与群)での一般症状は、鼻汁と下痢の症状のみであった(HPVIS(2009))。以上の報告があるが、ガイダンス値範囲内の用量における影響の詳細は不明であり、データ不足のため「分類できない」とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
-
-
- - データなし。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-
-
- - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分3
-
-
H402 P273
P501
甲殻類(オオミジンコ)による48時間EC50 = 15 mg/L(環境省生態影響試験, 2009)であることから、区分3とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分3
-
-
H412 P273
P501
慢性毒性データを用いた場合、急速分解性がない(難分解性、BODによる分解度:0~17%(既存点検, 1985))が、藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)の72時間NOEC = 9.3 mg/L(環境省生態影響試験, 2009)であることから、区分外となる。
慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(難分解性、BODによる分解度:0~17%(既存点検, 1985))、甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50 = 15 mg/L(環境省生態影響試験, 2009)であることから、区分3となる。
以上の結果を比較し、区分3とした。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

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