GHS分類結果

View this page in English



一般情報
項目 情報
CAS登録番号 583-78-8
名称 2,5-ジクロロフェノール
物質ID 24A6110
分類実施年度 平成24年度
分類実施者 厚生労働省/環境省
新規/再分類 新規分類
他年度における分類結果  
Excelファイルのダウンロード Excel file

関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 物理化学的危険性・健康に対する有害性:政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7版)、環境に対する有害性:国連GHS文書(改訂4版)
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外
-
-
- - 爆発性に関わる原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外
-
-
- - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 分類できない
-
-
- - データなし。なお引火点100℃[密閉式](NITE総合検索(Access on Sep. 2012)(元文献:アクロス試薬カタログ))との情報がある。
8 自己反応性化学品 分類対象外
-
-
- - 爆発性に関わる原子団を含んでいない、かつ自己反応性に関わる原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 分類できない
-
-
- - データなし。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 融点140℃以下の固体に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外
-
-
- - 金属および半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 分類対象外
-
-
- - フッ素を含まず、酸素および塩素を含む有機化合物であるが、これらの元素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
15 有機過酸化物 分類対象外
-
-
- - -O-O-構造を有していない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない
-
-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分外
-
-
- - ラットLD50値は 2475 mg/kg(USEPA/HPV(2008)、List1相当)に基づき、JIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分5に相当)とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外
-
-
- - ウサギのLD50値は>8000 mg/kg(USEPA/HPV(2008))に基づき区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分外
-
-
- - ラットのLC50値は >185 mg/L/4h(USEPA/HPV(2008))に基づき区分外とした。なお、試験濃度が飽和蒸気圧濃度(0.49 mg/L)より高いので粉塵・ミストの基準値を適用した。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない
-
-
- - データなし。なお、ウサギに1.0、10、100 mg/kgを1日6時間、21日間反復経皮投与した試験では、適用部位の皮膚に肥厚、痂皮形成、壊死、皮革化、真皮および表皮の病巣に見られる皮膚病変が全投与動物で報告されている(USEPA/HPV(2008))。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない
-
-
- - データなし。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- - データなし。
5 生殖細胞変異原性 区分外
-
-
- - マウスの経口投与による骨髄細胞を用いた小核試験(体細胞in vivo変異原性試験)の陰性結果(USEPA/HPV(2008))に基づき区分外とした。なお、in vitro試験ではエームス試験で陰性(NTP DB(1979))、およびCHO細胞を用いたHGPRT試験(OECD TG476)で陰性(USEPA/HPV(2008))の報告がある。
6 発がん性 分類できない
-
-
- - データなし。
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- - データなし。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分2(中枢神経系)、区分3(気道刺激性)



警告
H371
H335
P308+P311
P260
P264
P270
P405
P501
P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
ラットの急性経口毒性試験(用量:1600, 2500, 4000 mg/kg)において、全用量で死亡例が発生し、死亡例で呼吸促進、平衡障害、振戦、腹部の強直性間代性痙縮が観察され(USEPA/HPV(2008))、また、マウスの急性経口毒性試験(LD50: 1600 mg/kg〈雄〉、946 mg/kg(雌))では、主な毒性症状として呼吸促進、振戦および軽度の痙攣に続く中枢神経系の抑制が認められた(HSDB(2009))。以上の報告により、試験用量はガイダンス値範囲の区分2に相当していることから、区分2(中枢神経系)とした。また、ラットに50 mg/Lを吸入ばく露した結果、明らかな鼻汁分泌、軽度の呼吸困難等が認められ、24時間後には全て回復している(USEPA/HPV(2008))ことから区分3(気道刺激性)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(肝臓、呼吸器)


危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
ラットの28日間反復吸入ばく露試験(蒸気: 0.1, 0.3, 1.0 mg/L、5日間/週、6時間/日)において、1.0 mg/L(90日換算:0.3 mg/L)投与群の雌雄で肝機能検査値のASATが増加し、0.3 mg/L以上の雄で肝臓の絶対重量が減少し、病理組織学的検査による肝臓の病巣と壊死の発生率が対照群と比べ投与群でやや高かった。これらの肝臓に対する影響に基づき、LOAELは0.1 mg/L(90日換算:0.03 mg/L)と報告されており(USEPA/HPV(2008))、この用量(LOAEL)はガイダンス値区分1に相当することから区分1(肝臓)とした。また同試験で、投与群の全動物に肺の炎症性細胞とリンパ球の浸潤、マクロファージ集簇および肺胞中隔線維化、1.0 mg/L(90日換算:0.3 mg/L)投与群に鼻腔粘膜の炎症がみられたとの記載(USEPA/HPV(2008))もあることから区分1(呼吸器)とした。なお、ウサギの21日間反復経皮投与試験(投与量:1, 10, 100 mg/kg bw/day、5日間/週、6時間/日)では、本物質投与に因る全身毒性は認められず、NOAELは100 mg/kg bw/dayと報告されている(USEPA/HPV(2008))。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-
-
- - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分2
-
-
H401 P273
P501
魚類(ヨーロッパガレイ)の96時間LC50 = 3.29 mg/L(AQUIRE, 2013)から区分2とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分2


-
H411 P273
P391
P501
信頼性のある慢性毒性データが得られていない。急速分解性がなく(BODによる分解度:5%(既存点検, 1982))、急性毒性区分2であることから、区分2とした。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

GHS関連情報トップページに戻る