項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 2795-39-3 |
名称 | カリウム=ペルフルオロオクタン-1-スルホナート |
物質ID | 24A6131 |
分類実施年度 | 平成24年度 |
分類実施者 | 厚生労働省、環境省 |
新規/再分類 | 新規分類 |
他年度における分類結果 | |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | GHS分類ガイダンス |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
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厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関わる原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 区分外 |
- |
- | - | ペルフルオロオクタンスルホン酸の情報(NFPA Hazard Classification: Flammability: 0. 0 =『Materials that will not burn under typical fire conditions』(HSDB(2012))の記載により、当該物質も同じく不燃性と判断した。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関わる原子団を含んでいない、かつ自己反応性に関わる原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 |
- |
- | - | ペルフルオロオクタンスルホン酸の情報(NFPA Hazard Classification: Flammability: 0. 0 =『Materials that will not burn under typical fire conditions』(HSDB(2012))の記載により、当該物質も同じく不燃性と判断した。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 |
- |
- | - | ペルフルオロオクタンスルホン酸の情報(NFPA Hazard Classification: Flammability: 0. 0 =『Materials that will not burn under typical fire conditions』(HSDB(2012))の記載により、当該物質も同じく不燃性と判断した。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分外 |
- |
- | - | 分子内に金属(K)を含むが、水溶解度が 570 mg/L(SIDS:ENV/JM/RD(2002)17/FINAL(2002))というデータがあり、水と急激な反応をしないと考えられる。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類できない |
- |
- | - | 塩素を含まず、フッ素および酸素を含む有機化合物であり、この酸素が水素および炭素以外の元素(S,K)と結合しているが、データがなく分類できない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
- |
- | - | -O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
- |
- | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分3 |
危険 |
H301 |
P301+P310
P264 P270 P321 P330 P405 P501 |
ラットのLD50値は 251 mg/kg(SIDS:ENV/JM/RD(2002)/FINAL)に基づき区分3とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分4 |
警告 |
H332 |
P304+P340
P261 P271 P312 |
ラットのLC50値 5.2 mg/L/1h(1.3 mg/L/4h)(SIDS:ENV/JM/RD(2002)/FINAL)に基づき、区分4とした。試験条件としてダストによるばく露の記載があり、粉塵の基準値を適用した。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 |
- |
- | - | ウサギ6匹の皮膚に試験物質0.5または1gを24または72時間適用した試験で、全例に紅斑も浮腫も認められず皮膚一次刺激性スコアは0で刺激性なし(no irritation)との結果(SIDS:ENV/JM/RD(2002)/FINAL)に基づき区分外とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2B |
警告 |
H320 |
P305+P351+P338
P337+P313 P264 |
ウサギ6匹の眼に試験物質0.1gを適用した試験で、刺激性スコアは適用24時間後に最大となり、その後減少し72時間後には0を示し、刺激性あり(irritating)と結論されている(SIDS:ENV/JM/RD(2002)/FINAL)ことから、区分2Bとした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 |
- |
- | - | マウスの経口投与による骨髄を用いた小核試験(体細胞in vivo変異原性試験)(GLP対応)で、陰性の結果(SIDS:ENV/JM/RD(2002)17/FINAL)に基づき区分外とした。なお、in vitro試験では、エームス試験、ヒトリンパ球を用いた染色体異常試験でいずれも陰性(SIDS:ENV/JM/RD(2002)17/FINAL)が報告されている。 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - | ラットに本物質を0、0.00005、0.0002、0.0005、0.002%の濃度で104週間混餌投与に加え、別に0.002%の濃度で52週間混餌投与後に52週間飼育した試験で、肝臓、甲状腺、乳腺に腫瘍の発生増加が報告されているが、雌雄ともに用量相関性がみられる有意な増加傾向を示したのは肝臓での肝細胞腺腫のみであった(環境省リスク評価 第6巻(2008))。一方、ヒトの情報としてPFOS製造工場および同社フィルム工場の労働者を対象とした死亡率調査で、全がんの標準化死亡比(SMR)に有意な増加はみられなかった。また、高ばく露群で膀胱がんのSMRが12.77と有意に高く、作業に1年以上従事した労働者では16.12とさらに増加したが、高ばく露群の膀胱がんの男性労働者3名は、いずれも本物質の生産部門における職歴は長くないため、本物質が原因とは断定できない(環境省リスク評価 第6巻(2008))と報告されている。以上より、動物での証拠はラットの肝細胞腺腫の増加のみと限定的であり、ヒトでは発がん性を示す十分な証拠もないことから、「分類できない」とした。 |
7 | 生殖毒性 | 区分2 |
警告 |
H361 |
P308+P313
P201 P202 P281 P405 P501 |
ラットに交尾前から交尾期間を通し、雌には妊娠、授乳期間まで経口投与した二世代生殖試験において、一般毒性として体重増加の有意な抑制が認められた用量で妊娠期間の短縮、着床痕数の減少、死産や生後4日までに仔が全数死亡した母ラット数の増加に有意差を認めた(環境省リスク評価 第6巻(2008))。また、ラットおよびマウスの妊娠期間中に経口投与した試験で、用量に依存した体重増加の有意な抑制や肝臓相対重量の有意な増加がみられた(環境省リスク評価 第6巻(2008))一方、口蓋裂、胸骨分節の欠損、全身水腫、右心房の拡大、心室中隔欠損の発生率が有意な増加を示した(環境省リスク評価 第6巻(2008))。さらに、妊娠ラットの器官形成期に経口投与により、母動物の死亡(2/25例)を含め、円背位、食欲不振、胃腸障害など一般状態の悪化がみられた用量で、外表系及び内臓系奇形(口蓋裂や皮下浮腫、停留睾丸)の発生率に有意な増加を認めた(環境省リスク評価 第6巻(2008))。以上より、親動物が一般毒性を示す用量で、新生仔死亡の増加、仔の形態異常の発生増加が認められたことから、区分2とした。なお、EU分類はRepro. Cat. 2; R61(EC-JRC(ESIS)(Access on Oct. 2012))であり、DFG分類ではB(MAK/BAT(2011))である。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(全身毒性) |
危険 |
H370 |
P307+P311
P260 P264 P270 P321 P405 P501 |
ラットを用いた急性毒性試験において、経口投与(LD50:251 mg/kg、用量:100, 215, 464, and 1000 mg/kg)では、主な症状として活動低下、四肢の緊張低下、運動失調がみられ(環境省リスク評価 第6巻(2008))、また、吸入投与(ダスト、LC50値:1.3 mg/L/4h、用量:1.89, 2.86, 4.88, 6.49, 7.05, 13.9, 24.09, 45.97 mg/L/1h)では、主な症状として削痩、鼻周囲の赤色物または他の分泌物、乾性ラ音、またはその他の呼吸障害などが報告されている(SIDS:ENV/JM/RD(2002)17/FINAL)。両経路ともガイダンス値範囲の区分1に相当する用量を含むが、標的臓器の特定が困難なため区分1(全身毒性)とした。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(肝臓、全身毒性) |
危険 |
H372 |
P260
P264 P270 P314 P501 |
ラットの90日間反復経口(混餌)投与試験(0、0.003、0.01、0.03、0.1、0.3%)において、0.03%以上の群では全例が死亡し、削痩、痙攣、円背位姿勢、易刺激性、活動低下などが観察され、また、剖検で肝臓の退色や腫脹がみられ、肝細胞の肥大と限局性の壊死は雄で顕著であった(環境省リスク評価 第6巻(2008))。さらに、肝臓については、全てガイダンス値区分1の用量範囲で実施されたラットの104週間混餌投与試験(0、0.5、2、5、20 ppm)において、肝細胞の肥大、肝細胞の空胞化、肝細胞内の好酸性顆粒や色素沈着、壊死の発生率に有意な増加が報告されている(環境省リスク評価 第6巻(2008))ことから区分1(肝臓)とした。一方、中毒症状については、サルに90日間反復経口投与により、4.5 mg/kg/day群で1~2週目から食欲不振、嘔吐、黒色便などの胃腸管への毒性兆候を示し、死亡直前には全個体で活動性が低下し、重度の硬直性、痙攣、全身の震え、腹臥位をみせ、全数が5~7週目に死亡に至った(環境省リスク評価 第6巻(2008))との報告があり、症状は区分1のガイダンス値内で見られているが、標的臓器の特定は困難であることから区分1(全身毒性)とした。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分2 |
- |
H401 |
P273
P501 |
甲殻類(ミシッドシュリンプ)での96時間LC50 = 3.6 mg/L(環境省リスク評価第6巻, 2008; SIDS, 2002)より、区分2とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分2 |
- |
H411 |
P273
P391 P501 |
慢性毒性データを用いた場合、急速分解性がない(難分解性、BODによる分解度:0%(既存点検, 2002))が、魚類(ファットヘッドミノー)の47日間NOEC = 0.3 mg/L(環境省初期リスク評価第6巻, 2008)、42日間NOEC = 0.3 mg/L(SIDS, 2002)であることから、区分2となる。 慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(難分解性、BODによる分解度:0%(既存点検, 2002))、甲殻類(ミシッドシュリンプ)での96時間LC50 = 3.6 mg/L(環境省リスク評価第6巻, 2008; SIDS, 2002)であることから、区分2となる。 以上の結果を比較し、区分2とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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