GHS分類結果(過年度実施分類結果の再分類)

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 542-56-3
名称 亜硝酸イソブチル
物質ID 24B6510
分類実施年度 平成24年度
分類実施者 厚生労働省、環境省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 平成19年度  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) GHS分類ガイダンス
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 区分外
-
-
- - 爆発性に関わる原子団(N-O)を含むが、UNRTDG(UN2351)でクラス3となっており、上位の爆発物クラス1に該当しないので、区分外とした。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
3 エアゾール 分類対象外
-
-
- - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
6 引火性液体 区分2


危険
H225 P303+P361+P353
P370+P378
P403+P235
P210
P233
P240
P241
P242
P243
P280
P501
引火点-21℃ [密閉式](MSDS(Sigma-Aldrich)(2010))は < 23℃ であり、かつ、沸点67℃(Merck(14th, 2006))は >35℃ であることから、区分2に該当する。なお、UNRTDG(UN2351)クラス3PGII、IIIとなっている。
7 可燃性固体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
8 自己反応性化学品 タイプG
-
-
- - 爆発性に関わる原子団(N-O)を含むが、UNRTDG(UN2351)でクラス3となっており、上位の自己反応性(クラス4.1、PGI)に該当しないのでタイプGになると判断した。
9 自然発火性液体 区分外
-
-
- - UNRTDG(UN2351)でクラス3となっており、上位の自然発火性に該当しないので区分外とした。
10 自然発火性固体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外
-
-
- - 金属および半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。
13 酸化性液体 分類できない
-
-
- - フッ素および塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であり、この酸素が炭素、水素以外の元素である窒素と結合しているが、データがなく分類できない。
14 酸化性固体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外
-
-
- - -O-O-構造を有していない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない
-
-
- - データなし。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4


警告
H302 P301+P312
P264
P270
P330
P501
ラットのLD50値は410 mg/kg(ACGIH(2003))に基づき、区分4とした。
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-
-
- - データなし。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分3


危険
H331 P304+P340
P403+P233
P261
P271
P311
P321
P405
ラットのLC50値(4時間ばく露)は777 ppm(NTP TR 448(1996))に基づき、区分3とした。なお、試験濃度が飽和蒸気圧濃度(12833 ppm)の90%より低いため、ほとんどミストが混在しない蒸気として気体の基準値を適用した。また、EU分類では、Xn; R20である(EC-JRC(ESIS)(2012))。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない
-
-
- - データなし。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない
-
-
- - データなし。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- - データなし。
5 生殖細胞変異原性 区分2


警告
H341 P308+P313
P201
P202
P281
P405
P501
マウスに90日間吸入ばく露による末梢血を用いた小核試験(体細胞in vivo変異原性試験)で明確な用量依存性がなく弱い反応であるが陽性の結果(NTP DB(Access on Apr. 2012))に基づき、区分2とした。なお、in vitro試験として、エームス試験(NTP DB(1982, 1987, 1988))、CHO細胞を用いた染色体異常試験(NTP DB(Access on Apr. 2012))、およびマウスリンフォーマ試験(ACGIH(2003))の各試験でいずれも陽性が報告されている。
6 発がん性 区分2


警告
H351 P308+P313
P201
P202
P281
P405
P501
ACGIHの発がん性評価でA3に分類されている(ACGIH(2003))ことに基づき、区分2とした。なお、ラットおよびマウスに2年間吸入ばく露による発がん性試験において、雌雄ラットでは肺胞/細気管支腺腫、および肺胞/細気管支腺腫または癌(合計)の発生頻度の増加により発がん性の明らかな証拠が認められ、雌雄マウスでは肺胞/細気管支腺腫、および肺胞/細気管支の腺腫または癌(合計)の発生頻度の増加により、発がん性のある程度の証拠が認められたと報告されている(NTP TR 448(1996))。
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- - データなし。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(血液系、呼吸器系)


危険
H370 P307+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
メトヘモグロビン血症は亜硝酸ばく露特有の影響であり、これまでも本物質を経口投与または吸入ばく露された動物およびヒトで報告がある(NTP TR 448(1996))。本物質は室内用防臭剤として広く使用されているが、その防臭剤の摂取によりメトヘモグロビン血症となり死亡した症例(NTP TR 448(1996))、また、本物質15 mLを摂取した36歳男性がメトヘモグロビン血症を発症したが、メチレンブルーの注入により回復した症例(NTP TR 448(1996))が報告されており、区分1(血液系)とした。一方、本物質の急性吸入ばく露により肺水腫と気管気管支炎を発症したとの報告、また、23歳の男性が本物質を含む室内用防臭剤2瓶を摂取後、重度かつ持続性の気管気管支炎を発症したとの報告があり(NTP TR 448(1996))、区分1(呼吸器系)とした。なお、動物試験でも、マウスに経口投与により重度のメトヘモグロビン血症、ラットに吸入ばく露によりチアノーゼ、虚脱、稀に痙攣が観察されている(NTP TR 448(1996))。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分2(血液系、呼吸器系)


警告
H373 P260
P314
P501
ラットおよびマウスを用いた13週間吸入ばく露試験において、ラットでは75 ppm(0.315 mg/L)以上で軽微なメトヘモグロビン血症と貧血、および二次的反応とみられる骨髄の造血過形成が現れ、脾臓にヘモジデリン色素の蓄積が起きた(NTP TR 448(1996))。マウスでは150 ppm(0.630 mg/L)以上で軽微なメトヘモグロビン血症と300 ppm(1.260 mg/L)で軽微な貧血が現れ、75 ppm以上の雄および150 ppm以上の雌で脾臓の造血亢進、300 ppmの雄および75 ppm以上の雌でヘモジデリン沈着がみられた(NTP TR 448(1996))。以上より、ラットおよびマウスともガイダンス値区分2の範囲でメトヘモグロビン血症と貧血に関連した所見が認められていることから、区分2(血液系)とした。一方、ラットで300 ppmで鼻粘膜上皮細胞の過形成、マウスでは300 ppmで気管支上皮の過形成が認められたが、これらの所見は軽度ながらガイダンス値区分2に相当する75 ppm(0.315 mg/L)または150 ppm(0.630 mg/L)の濃度でも観察されている(NTP TR 448(1996))ことから、区分2(呼吸器系)とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-
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- - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない
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- - データがなく分類できない。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない
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- - データがなく分類できない。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
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- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

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