項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 65-85-0 |
名称 | 安息香酸 |
物質ID | 25A0043 |
分類実施年度 | 平成25年度 |
分類実施者 | 厚生労働省、環境省 |
新規/再分類 | 新規分類 |
他年度における分類結果 | |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | GHS分類ガイダンス |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) | |
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 |
- |
- | - | 発火点が570℃(ICSC(1999))であり、常温で発火しないと考えられる。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 融点が140℃以下の固体状の物質に適した試験法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 金属及び半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
- |
- | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分外 |
- |
- | - | ラットのLD50値として、1,700 mg/kg(環境省リスク評価第7巻:暫定的有害性評価シート(2009)、SIDS(2004))、2,530 mg/kg 、2,565 mg/kg(SIDS(2004))、2,700mg/kg(JECFA FAS5(1974))、3,040 mg/kg(SIDS(2004)、CICAD 26(2005))の報告がある。該当数の多い区分外とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 |
- |
- | - | ウサギのLD50値として、> 2,000 mg/kg、> 5,000 mg/kg(SIDS(2004))、> 10,000 mg/kg(SIDS(2004)、CICAD 26(2005))の報告に基づき、区分外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分外 |
- |
- | - | ラットの4時吸入ばく露におけるLC50値 > 12.2 mg/L(SIDS(2004))に基づき区分外とした。なお、LC50値は飽和蒸気圧濃度(0.005 mg/L)以上であり、試験は粉じんで行われたとの記載に基づき、mg/Lを単位とする基準値を適用した。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 分類できない |
- |
- | - | SIDS(2004)には、テストガイドラインに準拠した試験で「軽度の刺激性」又は「刺激性なし」と報告されている。一方、エタノール又はクリームに0.05%含有する本物質を用いたパッチテストで614人中18人で刺激性がみられたとする報告やワセリンに0.5%含有する本物質を用いたパッチテストで32人中7人で蕁麻疹がみられたとの報告があるため、分類できないとした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 |
危険 |
H318 |
P305+P351+P338
P280 P310 |
SIDS(2004)において、テストガイドラインに準拠した試験で「重度の刺激性」又は「腐食性」と報告されていることから、区分1とした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - |
データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない |
- |
- | - | SIDS(2004)には、テストガイドラインに準拠した試験で「感作性なしとするデータが多数報告されている。一方、ヒトへの影響としては、ワセリンに0.5%含有する本物質を用いたパッチテストで32人中7人で蕁麻疹がみられたとの報告(SIDS(2004))、皮膚科の患者2,045人に、5%濃度の本物質Na 塩でパッチテストを行った結果、陽性反応のみられたのは5人(0.2%)のみであったとする報告や、化粧品に対してアレルギーや刺激症状があると考えられる患者5,202人に本物質でパッチテストを行った結果、34人(0.7%)で陽性反応がみられたとする報告など、感作性ありとする報告が多数がある(環境省リスク評価第7巻:暫定的有害性評価シート(2009))。しかし、SIDS(2004)では、健康なヒトでは感作は起こり難いと結論していることから、分類できないとした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。すなわち、本物質に関するin vivoデータはなく、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の染色体異常試験で陰性である(SIDS(2004)、CICAD 26(2000)、JECFA FAS 48(2002))。ただし、SIDS(2004)では、本物質及びその関連物質である安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、ベンジルアルコールを含め、突然変異性及び染色体異常誘発性はないと記載している。 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - | 本物質は、EPAでグループD(IRIS(1991))のため、分類できないとした。 |
7 | 生殖毒性 | 区分2 |
警告 |
H361 |
P308+P313
P201 P202 P280 P405 P501 |
ラットを用いた経口経路(混餌)での4世代生殖毒性試験において生殖・発生毒性はみられていない(SIDS(2004)、CICAD 26(2000)、環境省リスク評価第7巻:暫定的有害性評価シート(2009)、HSDB(Access on September 2013))。また、発生毒性に関しては、ラットを用いた経口経路(強制)での発生毒性試験において胚吸収の増加がみられた(HSDB(Access on September 2013))との報告と発生毒性はみられていない(SIDS(2004)、CICAD 26(2000)、環境省リスク評価第7巻:暫定的有害性評価シート(2009)との報告、ハムスターを用いた経口経路(強制)での発生毒性試験において胚吸収の増加と奇形の増加がみられている(HSDB(Access on September 2013)との報告がある。発生毒性がみられたとの報告がリスト2の情報源からのみであることから、区分2とした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。なお、ラットの経口投与においてガイダンス区分2の用量(1,984 mg/kg)で体重増加に影響は見られなかったとの記載がある(SIDS(2004))。CICAD 26(2000)にはラットの経口経路(投与量不明)において下痢、筋力低下、振戦、自発運動の低下、衰弱がみられたとの記載がある。またラットの吸入ばく露(粉じん)においてはガイダンスの範囲外の濃度(12.2 mg/L)において一時的な自発運動の亢進や流涎がみられたが、後に回復した(SIDS(2004))との記載がある。ウサギの経皮ばく露においてはLD50 > 2,000 mg/kgとあるが明確な毒性症状について記載がない。以上の結果から、区分の判断に足る所見がないことからデータ不足のため分類できないとした。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分2(上気道) |
警告 |
H373 |
P260
P314 P501 |
ラットの経口ばく露及びウサギの経皮ばく露では区分2のガイダンス値を上回る用量においても毒性所見は見られていない(SIDS(2004)、CICAD 26(2000)、IUCLID(2000))。一方、ラットに本物質エアロゾルを4週間吸入ばく露した試験では、区分2のガイダンス値の範囲内(ガイダンス値換算濃度:0.078 mg/L)の濃度で上気道の炎症、腎臓重量の減少が見られている(SIDS(2004)、CICAD 26(2000)、IUCLID(2000)、HSDB(Access on October 2013))が、腎臓は病理組織変化を伴っておらず、標的臓器とするには不十分であると判断した。以上の結果から、区分2(上気道)とした。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分3 |
- |
H402 |
P273
P501 |
魚類(ブルーギル)の96時間LC50 = 44.6 mg/L(SIDS, 2004)から区分3とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分外 |
- |
- | - | 信頼性のある慢性毒性データが得られていない。急速分解性があり(2週間でのBOD分解度=85%(既存点検, 1979))、急性毒性は区分3であるが、生物濃縮性が低いと推測される(LogP=1.88(SIDS, 2004))ことから、区分外とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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