項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 623-91-6 |
名称 | フマル酸ジエチル |
物質ID | 25A0047 |
分類実施年度 | 平成25年度 |
分類実施者 | 厚生労働省、環境省 |
新規/再分類 | 新規分類 |
他年度における分類結果 | |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | GHS分類ガイダンス |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) | |
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分外 |
- |
- | - | 引火点が104℃(closed cup)(HSDB(Access on October 2013))であり、93℃を超えるため区分外とした。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 自己反応性に関連する原子団(不飽和結合)を含むが、データがなく分類できない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 液体状の物質に適した試験法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 金属及び半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分4 |
警告 |
H302 |
P301+P312
P264 P270 P330 P501 |
ラットのLD50値として、1,367 mg/kg(雌)、1,540-2,000 mg/kg(雄)(厚労省既存化学物質毒性データベース(Access on August(2013))、1,780 mg/kg(PATTY(6th, 2012))の報告に基づき、区分4とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。なお、 PATTY(6th, 2012)にウサギの眼に軽度な刺激性と記載されているが、詳細が不明であるため分類には採用しなかった。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。すなわち、in vivoデータはなく、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性、哺乳類培養細胞の染色体異常試験で陽性である(厚労省既存化学物質毒性データベース(Access on September 2013))。 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。なお、ラットを用いた経口経路(強制)での反復投与毒性・生殖発生毒性併合試験において、生殖発生毒性はみられていない(厚労省報告:既存化学物質毒性データベース(Access on October 2013)、PATTY(6th, 2012)、HSDB(Access on October 2013))。スクリーニング試験での結果であること、発生毒性に関する十分な報告がないことから分類できないとした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分2(腎臓、肝臓、脾臓、胸腺) |
警告 |
H371 |
P308+P311
P260 P264 P270 P405 P501 |
ラットの強制経口投与試験(厚労省既存化学物質毒性データベース(Access on October 2013))において、ガイダンスの範囲内の用量(910-2,000 mg/kg)の生存例で、自発運動の減少、流涎、腹臥、体温低下、呼吸緩徐、下痢がみられた。病理組織学的検査の結果、前胃で潰瘍、粘膜層の肥厚、粘膜下の肉芽増殖等がみられ、腎臓で尿細管上皮の再生及び線維化がみられた。そのほかに脾臓の萎縮及び髄外造血の増加がみられた。死亡例においては、前胃粘膜上皮の壊死、肝細胞の巣状壊死及びうっ血、尿細管上皮の壊死及び萎縮、脾臓の壊死、肺のうっ血及び肺胞内水腫、胸腺の萎縮及び胸腺嚢胞がみられた。これらの結果のうち、前胃の所見は当該物質の刺激性に起因すると考えられ、肺の所見は死戦期の変化と考えられるため標的臓器としなかった。前胃及び肺以外の所見から区分2(腎臓、肝臓、脾臓、胸腺)とした。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分2(胸腺) |
警告 |
H373 |
P260
P314 P501 |
ラットに強制経口ばく露した反復投与毒性・生殖発生毒性併合試験において、区分1に該当する低用量(90日換算用量:5.5 mg/kg/day)から前胃に粘膜肥厚及び過角化、中用量(同 15 mg/kg/day; 区分2に該当)では前胃粘膜下織に水腫、潰瘍、胸腺の萎縮、高用量群(50 mg/kg/day; 区分2に該当)では肝臓及び腎臓の絶対及び相対重量の増加が見られている(厚労省既存化学物質毒性データベース(Access on October 2013)、HSDB(Access on October 2013)、PATTY(6th, 2012))が、これらのうち前胃の所見は当該物質の刺激性に起因すると考えられる。また肝臓、腎臓の重量増加は関連する血液化学所見や病理学的変化を伴う変化ではないことから、重大な毒性変化を示すものではないと考え、胸腺以外は標的臓器からは除外した。以上より、区分2(胸腺)とした。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分2 |
- |
H401 |
P273
P501 |
藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)の72時間EbC50 = 1.1 mg/L(SIDS, 2004)から区分2とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 分類できない |
- |
- | - |
藻類の慢性毒性データが得られており、急性分類も考慮すると毒性が疑われるものであるが、当該データは信頼性が低く、分類に採用することはできない。 慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、魚類(メダカ)の72時間EC50 = 2.4 mg/L(SIDS, 2004)であるが、急速分解性があり(BODによる分解度:93%(既存点検, 1995; SIDS, 2004)、生物蓄積性が低いと推定される(Log Pow=2.12(SIDS, 2004))ことから、区分外となる。 以上から、分類に採用できる藻類の慢性毒性データは得られていないものの慢性影響が疑われており、専門家判断により分類できないとした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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