GHS分類結果

View this page in English



一般情報
項目 情報
CAS登録番号 7791-20-0
名称 塩化ニッケル六水和物
物質ID 25A0073
分類実施年度 平成25年度
分類実施者 厚生労働省、環境省
新規/再分類 新規分類
他年度における分類結果  
Excelファイルのダウンロード Excel file

関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) GHS分類ガイダンス
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
厚生労働省モデルラベル(外部リンク)  
厚生労働省モデルSDS(外部リンク)  
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外
-
-
- - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 区分外
-
-
- - 不燃性と推察される。なお、塩化ニッケル無水物は不燃性(CAS番号 7718-54-9)は不燃性である(HSDB(Access on October 2013))。
8 自己反応性化学品 分類対象外
-
-
- - 爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 区分外
-
-
- - 不燃性と推察される。なお、塩化ニッケル無水物は不燃性(CAS番号 7718-54-9)は不燃性である(HSDB(Access on October 2013))。
11 自己発熱性化学品 区分外
-
-
- - 不燃性と推察される なお、塩化ニッケル無水物は不燃性(CAS番号 7718-54-9)は不燃性である(HSDB(Access on October 2013))。
12 水反応可燃性化学品 区分外
-
-
- - 水溶解度642 g/L(20℃)(GESTIS(Access on August 2013)という情報があり、水と激しく反応しないことが認められている。
13 酸化性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 分類対象外
-
-
- - 塩素が炭素、水素以外の元素(Ni)と結合している無機化合物であるが、イオンとしての結合であり、酸化性には寄与しない。
15 有機過酸化物 分類対象外
-
-
- - 無機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない
-
-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分3


危険
H301 P301+P310
P264
P270
P321
P330
P405
P501
ラットのLD50値として4件の報告がある。175 mg/kg(雄)(NITE初期リスク評価書(2008)、ECETOC TR33(1989))及び210 mg/kg(雌)(NITE初期リスク評価書(2008)、ECETOC TR33(1989))は区分3に該当し、430 mg/kg(雄)(ECETOC TR33(1989))及び529 mg/kg(雌)(ECETOC TR33(1989))は区分4に該当する。該当数が同数であるため、LD50値の最小値のある区分を採用して区分3とした。なお、ECETOC TR33(1989)のデータは結晶水についての記載がなかったが、LD50値に対するニッケルの換算値割合から六水和物のデータであると判断して、分類に採用した。なお、塩化ニッケル・無水物(CAS番号 7718-54-9)のラットLD50値は430 mg/kg(雄)、529 mg/kg(雌)(区分4に該当)との報告(ECETOC TR33(1989))がある。
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。なお、塩化ニッケル・無水物(CAS番号 7718-54-9)では、動物を用いた試験データはないが、ヒトにおける刺激性閾値として、塩化ニッケル水溶液濃度が閉塞系で1 %、非閉塞系で10 %としている(EHC 108(1991))こと、EU DSD分類において「Xi; R38」、EU CLP分類において「Skin Irrit. 2 H315」に分類されていることから区分2に分類されている。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
4 呼吸器感作性 区分1


危険
H334 P304+P340
P342+P311
P261
P284
P501
ニッケル及びニッケル無機化合物として、産衛学会勧告(2013)で気道感作性物質(第2群)に分類され、EU DSD分類において「R42」、EU CLP分類において「Resp. Sens. 1 H334」である。以上のことから、区分1とした。
4 皮膚感作性 区分1


警告
H317 P302+P352
P333+P313
P362+P364
P261
P272
P280
P321
P501
NITE初期リスク評価書(2008)では、塩化ニッケルはモルモットを用いた6種類の皮膚感作性試験(マキシマイゼーション法、単回注射アジュバント法、改定ドレイズ法、スプリットアジュバント法、ポラック法、グロス法)のうち、マキシマイゼーション法とポラック法で陽性を示し、試験法により皮膚感作性を示す場合と示さない場合があると記載されている。ニッケル及びニッケル無機化合物として、産衛学会勧告(2013)で皮膚感作性物質(第1群)に分類され、EU DSD分類において「R43」、EU CLP分類において「Skin Sens. 1 H317」 である。以上の情報より、区分1とした。
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。すなわち、in vivoでは、マウス及びハムスターの骨髄細胞の染色体異常試験、マウス骨髄細胞の小核試験、マウス白血球のDNA損傷試験、ラット肝臓のDNA切断試験で陽性の結果が認められる(NITE初期リスク評価書(2008))が、マウス骨髄細胞の小核試験では陰性である(NITE初期リスク評価書(2008))。また、硫酸ニッケル六水和物、塩化ニッケル六水和物、酸化ニッケル(III)で、いずれもin vivo小核試験陰性の報告がある(Mutat. Res., 1997)。in vitroでは、復帰突然変異試験で陰性又は陽性、哺乳類培養細胞の遺伝子突然変異試験、染色体異常試験で陽性である(NITE初期リスク評価書(2008)、ECETOC TR33(1989))。以上より、in vivoで陽性知見、陰性知見ともにあり、確定できずデータ不足で分類できない。なお、塩化ニッケル・無水物(CAS番号 7718-54-9)は区分外に分類されている。
6 発がん性 区分1A


危険
H350 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
本物質の無水物である塩化ニッケルは、IARCでニッケル化合物としてグループ1(IARC vol.100C(2012))、ACGIHは水溶性ニッケル化合物としてA4(ACGIH 7th(1996))に分類している。以上の情報より、年号重視によりIARC(2012)の分類を採用し、区分1Aとした。
7 生殖毒性 区分1B


危険
H360 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
ラットを用いた経口経路(飲水)での2世代生殖毒性試験、1世代生殖毒性試験において、親動物毒性がみられる用量よりも低い用量で胎児の死亡がみられている(NITE初期リスク評価書(2008))。したがって、区分1Bに分類した。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない。
-
-
- - データ不足のため分類できない。なお、塩化ニッケル・無水物(CAS番号 7718-54-9)ではラットの経口投与試験においてガイダンスの区分2に相当する430 mg/kg(雄)、529 mg/kg(雌)の用量で「興奮、運動量の増加に続き、神経系の機能低下を起こした。」とある(ECETOC TR33(1989))ことから区分2(神経系)に分類されている。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分2(肺)


警告
H373 P260
P314
P501
ラットに90日間強制経口投与した試験において、区分2のガイダンス値範囲内の用量(20 mg/kg/day)から、死亡例が用量依存的に見られ(死亡率は低、中及び高用量群で雌雄とも各々3.3、10及び100%)、死亡前の症状としては嗜眠、不規則呼吸が観察されている。中用量(140 mg/kg/day相当)群では肺に炎症、肺胞上皮細胞の萎縮が認められており(NITE初期リスク評価書(2008))、肺が標的臓器であり、肺への有害影響による呼吸抑制が発現した症状及び死亡の原因と考えた。よって、区分2(肺)に分類した。

10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分3
-
-
H402 P273
P501
魚類(メダカ)の96時間LC50 = 11 mg/L(環境省生態影響試験, 2006)から、区分3とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分外
-
-
- - 急速分解性に関する適切なデータが得られていないが、魚類(メダカ)の初期生活段階試験のNOEC = 1.1 mg/L(環境省生態影響試験, 2006)であることから、区分外とした。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

GHS関連情報トップページに戻る