GHS分類結果(過年度実施分類結果の再分類)

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 7778-54-3
名称 次亜塩素酸カルシウム
物質ID 25B0009
分類実施年度 平成25年度
分類実施者 厚生労働省、環境省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 平成21年度   平成18年度  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) GHS分類ガイダンス
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外
-
-
- - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 区分外
-
-
- - 不燃性(ICSC(2005))。
8 自己反応性化学品 分類対象外
-
-
- - 爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 区分外
-
-
- - 不燃性(ICSC(2005))。
11 自己発熱性化学品 区分外
-
-
- - 不燃性(ICSC 2005))。
12 水反応可燃性化学品 区分外
-
-
- - 水溶解度: 21 g/100mL(25℃)(ICSC(2005))という情報があり、水と激しく反応しないことが認められている。ガイダンスの改訂による区分の変更。
13 酸化性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 区分2


危険
H272 P370+P378
P210
P220
P221
P280
P501
国連分類はUN1748、クラス5.1、PGIIに基づき区分2とした。
15 有機過酸化物 分類対象外
-
-
- - 無機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない
-
-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4


警告
H302 P301+P312
P264
P270
P330
P501
ラット(雄)のLD50値790 mg/kg(SIDS(2006))に基づき、区分4とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外
-
-
- - ウサギのLD50値> 2,000mg/kg(IUCLID(2000))に基づき、区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分1


危険
H314 P301+P330+P331
P303+P361+P353
P305+P351+P338
P304+P340
P260
P264
P280
P310
P321
P363
P405
P501
SIDS(2006)では、「本物質は皮膚腐食性物質である」と記載されている。また、IUCLID(2000)では、「ウサギの皮膚に重度の腐食性あり(熱傷を起こす)」、HSDB(Access on July 2013)では、「pHが11.5である」と記載されている。さらに、本物質は、EU DSD分類において「C; R34」、EU CLP分類において「Skin Corr. 1B H314」に分類されている。以上の情報に基づき区分1とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1


危険
H318 P305+P351+P338
P280
P310
SIDS(2006)では、「本物質は皮膚腐食性物質である」と記載されている。また、IUCLID(2000)では、「ウサギの皮膚に重度の腐蝕性あり(熱傷を起こす)」、「実験動物の眼に重度の傷害を与えるリスクあり」と記載されており、HSDB(Access on July 2013)では、「ウサギの眼に30秒間適用により角膜及び結膜の上皮表面の喪失」、「pHが11.5である」と記載されている。以上の情報に基づき区分1とした。なお、本物質は皮膚に対しても腐食性を示す。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性 区分1


警告
H317 P302+P352
P333+P313
P362+P364
P261
P272
P280
P321
P501
Frosch接触アレルゲンリスト(Frosch et al. Contact Dermatitis 5th Ed.(2011))に収載されているため区分1とした。
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。すなわち、in vivoでは、次亜塩素酸カルシウムを用いた試験はなく、次亜塩素酸ナトリウム又は水への塩素溶解物を用いた試験において、マウス骨髄細胞の染色体異常試験及び小核試験で陰性結果がある(SIDS(2006))。また、in vitroでは、次亜塩素酸カルシウムを用いた試験は細菌復帰突然変異試験での陰性結果のみである(SIDS(2006))。その他は、次亜塩素酸ナトリウム又は水への塩素溶解物を用いた試験において、細菌復帰突然変異試験で一つ陽性と判定されているものの、他の復帰突然変異試験結果はすべて陰性であり、この陽性結果はデータが限定的と記載されている(SIDS(2006))。また、in vitro染色体異常試験でも陽性、陰性の結果が混在しており、いずれもデータが限定的とされている(SIDS(2006))。分類ガイダンスの改訂により区分を変更した。
6 発がん性 分類できない
-
-
- - IARCでグループ3に分類されている(IARC 52(1991))ことから、分類できないとした。分類ガイダンスの改訂により区分を変更した。
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- - データ不足のため、分類できないとした。なお、ラットの器官形成期(IUCLID(2000))、又は交配前から妊娠期間を通して経口投与した試験(SIDS(2006))で児動物の発生に影響がなかったとの報告、あるいはラットの一世代試験で生殖毒性は認められなかったとの報告(SIDS(2006))があるが、いずれも被験物質不明(IUCLID(2000)のデータ)又は次亜塩素酸(SIDS(2006)のデータ)を用いた試験の結果であることから分類できないとした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分2(中枢神経系)


警告
H371 P308+P311
P260
P264
P270
P405
P501
ラットの経口急性毒性試験において、区分2のガイダンス値範囲内の用量(890-1,260 mg/kg)で、中等度の中枢神経抑制がみられたとの報告(SIDS(2006))に基づき、区分2(中枢神経系)に分類した。なお、旧分類ではHSDB(2002)におけるヒトでのヒュームばく露による肺水腫の記述を根拠に区分2(呼吸器)に分類されているが、HSDBの記述は本物質のヒュームばく露による影響と判断できないなど詳細不明であり、今回の分類では削除した。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。なお、次亜塩素酸ナトリウム(CAS 7681-52-9)ではラットの飲水投与による3ヶ月間又は2年間の試験ではガイダンス値範囲を上回る用量で体重増加抑制など全身影響がみられたに過ぎない(EU-RAR(2007))。しかし、マウスの2年間飲水投与試験では区分2のガイダンス値の範囲内で体重の低値が見られた(EU-RAR(2007))が、病理検査では異常がなく、標的臓器が不明のため、区分2(全身毒性)とされている。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分1


警告
H400 P273
P391
P501
甲殻類(ニセネコゼミジンコ属の一種)での48時間LC50 = 0.005-0.006 mg/L(SIDS, 2006)より、区分1とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分1


警告
H410 P273
P391
P501
慢性毒性データを用いた場合、本物質は無機化合物であり、急速分解性に関する適切なデータは得られておらず、魚類(ウグイ)の133日間NOEC = 0.005 mg/L(SIDS, 2006)であることから、区分1となる。
慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、本物質は無機化合物であり、急速分解性に関する適切なデータは得られておらず、甲殻類(ニセネコゼミジンコ属の一種)の48時間LC50 = 0.005-0.006 mg/L(SIDS, 2006)であることから、区分1となる。
以上の結果から、区分1とした。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

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