項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 7681-52-9 |
名称 | 次亜塩素酸ナトリウム(水溶液) |
物質ID | 25B0014 |
分類実施年度 | 平成25年度 |
分類実施者 | 厚生労働省、環境省 |
新規/再分類 | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 平成20年度 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | GHS分類ガイダンス |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
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厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。(水溶液) |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。(水溶液) |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。(水溶液) |
6 | 引火性液体 | 区分外 |
- |
- | - | 不燃性(ICSC(1999))。(水溶液) |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。(水溶液) |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 |
- |
- | - | 不燃性(ICSC(1999))。(水溶液) |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。(水溶液) |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 |
- |
- | - | 不燃性(ICSC(1999))。(水溶液) |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分外 |
- |
- | - | 水溶液であるため、水との反応は考えられない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。なお、国連分類はUN1791、クラス8、PGII, IIIである。(水溶液) |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。(水溶液) |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 無機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分外 |
- |
- | - | 有効塩素12.5%溶液でのラットのLD50=8.8 g/kg(EU-RAR(2007))に基き、区分外とした。なお、純品を用いたマウスのLD50=5,800 mg/kg(PATTY(6th, 2012))との報告がある。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 |
- |
- | - |
ウサギLD50> 10,000 mg/kg(IUCLID(2000))より区分外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。(水溶液) |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない |
- |
- | - | ラットLC50> 10.5 mg/L(IUCLID(2000))のデータがあるが、ばく露時間が不明であるため分類できない。なお、飽和蒸気圧濃度(75.1 mg/L)の90%より低い濃度であるため、ミストがほとんど混在しない蒸気で試験されたと考えられる。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分1 |
危険 |
H314 |
P301+P330+P331
P303+P361+P353 P305+P351+P338 P304+P340 P260 P264 P280 P310 P321 P363 P405 P501 |
ウサギ及びモルモットを用いた試験(FHSA法(ドレイズ試験相当))において、本物質の 5-5.25%水溶液を適用した結果、いずれも「軽度の刺激性」がみられた。しかし、ウサギを用いた他の皮膚刺激性試験では、本物質の6.25%-12.5%水溶液を適用した結果、「重度の刺激性」がみられた(EU-RAR(2007))。ヒトの疫学データでは、pH10.5の本物質を5-5.25%水溶液として閉鎖適用した結果、「重度の刺激性」がみられた(EU-RAR(2007))。EU-RAR(2007)では、「5%超で刺激性、10%超で腐食性であるという最新EU分類は、ヒト及び動物データの総合評価によって裏付けられている」と結論している。さらに、本物質は、EU DSD分類において「C; R34」、EU CLP分類において「Skin Corr. 1B H314」に分類されている。以上の情報に基づき区分1とした。 なお、ウサギを用いた試験(OECD TG 404)において紅斑と浮腫の刺激性スコア(合計8点)は2%溶液が1.2、20%溶液が5.3、35%溶液が5.2、50%溶液が5.3(IUCLID,2000)であるとの記載があるが、EU-RAR(2007)において、妥当性が低いと記載されていたため、採用しなかった。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 |
危険 |
H318 |
P305+P351+P338
P280 P310 |
ウサギを用いたドレイズ試験において、本物質の水溶液を適用した結果、1.6%水溶液では「軽度の刺激性」がみられたが、12.5%水溶液では「重度の刺激性」がみられた(EU-RAR(2007))。また、別のウサギを用いたドレイズ試験において、本物質の50%溶液を適用した場合、洗浄しない場合の21日目のスコアは48/110(4分後に洗浄した場合のスコアは27/110、21日目のスコアは0/110)で「重度の刺激性」がみられた(IUCLID(2000))。ヒトの疫学データについては、5.25%溶液を眼に誤噴霧した結果について、「灼熱感と角膜に対してわずかな損傷を生じ、速やかな眼の洗浄で48時間以内に完全に回復した」との報告がある(EU-RAR(2007))。さらに、本物質は皮膚腐食性物質であり、EU DSD分類において「C; R34」、EU CLP分類において「Skin Corr. 1B H314」に分類されている。以上の情報に基づき区分1とした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分外 |
- |
- | - | モルモットを用いた皮膚感作性試験3件の結果はいずれも陰性であり、HRIPT(ヒト連続パッチテスト)の2件の結果でもいずれも陰性であった。 次亜塩素酸ナトリウムの広範囲にわたる用途から、感作性の可能性は実質的にない(EU-RAR(2007))との記載があることから、区分外とした。今回の調査で入手した EU-RAR(2007)の情報を追加し、これをもとに分類した。H20年度の分類根拠試験のうち、モルモットの陽性結果試験1件、及びヒト疫学データ1件は、EU-RAR(2007)において「妥当性4」とされていたため、分類根拠から削除した。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。すなわち、in vivoでは、マウスの骨髄細胞を用いる染色体異常試験、小核試験で陰性と報告されている(EU-RAR(2007))。in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験及び哺乳類培養細胞を用いる染色体異常試験でともに陰性及び陽性の結果が存在する(EU-RAR(2007))。 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - | IARCがグループ3に分類していることより、分類できないとした。なお、ラットを用いた104週間の経口投与試験(飲水)(IARC 52(1991))、及びマウスを用いた103週間の経口投与試験(飲水)(IARC 52(1991))の結果において、生存率及び腫瘍発生率は次亜塩素酸ナトリウム濃度に関わらず、対照群と有意差は認められていない。その他のマウスの経皮試験(IARC 52(1991))、NTP TR 392(1992))においても発がん性は認められていない。分類ガイダンスの改訂により区分を変更した。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。すなわち、次亜塩素酸ナトリウムのデータはないものの、次亜塩素酸、塩素を投与した生殖発生毒性データがEU-RAR(2007)に記述されている。それによると、ラットを用いた経口投与による7世代繁殖試験において親動物の生殖能力に対する影響、児動物に対する影響はみられていない。また、ラットの経口投与による繁殖試験においても動物の生殖能力に対する影響、児動物に対する影響は見られていない。さらに、ラットの経口投与による発生毒性試験で胎児重量、外表、骨格に異常は認められていない。IARC 52(1991)は当該物質の情報と特定できず根拠から削除し、今回の調査で新たに得たEU-RAR(2007)の情報を参考として記載した。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分3(気道刺激性) |
警告 |
H335 |
P304+P340
P403+P233 P261 P271 P312 P405 P501 |
EU-RAR(2007)に、プールでばく露されたヒトで眼及び上気道に刺激性を示したとの事例報告、及びエアロゾルを吸入ばく露したマウスの実験で気道刺激性が認められたとの記述から、区分3(気道刺激性)に分類した。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分2(全身毒性) |
警告 |
H373 |
P260
P314 P501 |
ラットの飲水投与による3ヶ月間又は2年間の試験ではガイダンス値範囲を上回る用量(約200 mg/kg/day以上)で体重増加抑制など全身影響がみられたに過ぎない(EU-RAR(2007))。しかし、マウスの2年間飲水投与試験では区分2のガイダンス値の範囲内の用量(58 mg/kg/day相当)で体重の低値がみられた(EU-RAR(2007))が、病理検査では異常がなく、標的臓器が不明のため、区分2(全身毒性)とした。なお、旧分類ではList 2の情報源をもとに分類されたが、今回は新たに得たList 1の情報源であるEU-RARの情報をもとに分類を行った。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 |
警告 |
H400 |
P273
P391 P501 |
甲殻類(ニセネコゼミジンコ属の一種)の24時間LC50 = 5 μgFAC/L(EU-RAR, 2007)から、区分1とした。 (FAC = free available chlorine) |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分1 |
警告 |
H410 |
P273
P391 P501 |
慢性毒性データを用いた場合、本物質は無機化合物であり、急速分解性に関する適切なデータは得られておらず、魚類の134日間NOEC = 5 μgTRC/L(EU-RAR, 2007)であることから、区分1となる。 慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、本物質は無機化合物であり、急速分解性に関する適切なデータは得られておらず、甲殻類(ニセネコゼミジンコ属の一種)の24時間LC50 = 5 μgFAC/L(EU-RAR, 2007)であることから、区分1となる。 以上の結果から、区分1とした。 (TRC= total residual chlorine, FAC = free available chlorine) |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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