項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 71-36-3 |
名称 | 1-ブタノール |
物質ID | 25B0017 |
分類実施年度 | 平成25年度 |
分類実施者 | 厚生労働省、環境省 |
新規/再分類 | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 平成18年度 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | GHS分類ガイダンス |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
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厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分3 |
警告 |
H226 |
P303+P361+P353
P370+P378 P403+P235 P210 P233 P240 P241 P242 P243 P280 P501 |
引火点29℃(closed cup)(ICSC(2005))に基づいて区分3とした。なお、国連分類はUN1120、クラス3、PGIIIである。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 |
- |
- | - | 発火点が345℃(ICSC(2005))であり、常温で発火しないと考えられる。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 |
- |
- | - | 液体状の物質に適した試験法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 金属及び半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分外 |
- |
- | - | ラットLD50値=0.7 g/kg(EHC 65(1987))、790 mg/kg(環境省リスク評価第4巻(2005)、SIDS(2005))、2.1 g/kg(EHC 65(1987))、2,510 mg/kg(ACGIH(7th, 2001)、PATTY(6th, 2012)、SIDS(2005))、2,290 mg/kg(SIDS(2005))、2,680 mg/kg(SIDS(2005))、2,700 mg/kg(環境省リスク評価第4巻(2005))、4,360 mg/kg(ACGIH(7th, 2001)、PATTY(6th, 2012)、環境省リスク評価第4巻(2005)、SIDS(2005))が報告されている。2件が区分4、6件がJIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分5)に該当することから、該当数の多いJIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分5)とした。今回の調査で入手したSIDS(2005)、PATTY(6th, 2012)、環境省リスク評価第4巻(2005)の情報を追加し、分類ガイダンスに基づき、該当数の多い区分とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 |
- |
- | - | ウサギLD50値=3,400 mg/kg(環境省リスク評価第4巻(2005))、3,402 mg/kg(SIDS(2005))、4.2 g/kg(EHC 65(1987)、PATTY(6th, 2012))、5,300 mg/kg(PATTY(6th, 2012)、EHC 65(1987)、SIDS(2005))はいずれも区分外に該当する。今回の調査で入手したSIDS(2005)、PATTY(6th, 2012)、環境省リスク評価第4巻(2005)の情報を追加し、分類ガイダンスに従い、区分5から区分外に変更した。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分外 |
- |
- | - | ラットLC50値=8,000 ppm(換算値: 24.2 mg/L)(環境省リスク評価第4巻(2005))に基づき、区分外とした。試験濃度8,000 ppmは飽和蒸気圧濃度5,923 ppm(ICSC(2005))より高い濃度であるため、「粉じん/ミスト」と判断し、mg/L を単位とする基準値を適用した。なお、今回の調査で入手した環境省リスク評価第4巻(2005)データをもとに、ミストの基準値を用いて分類した。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 |
警告 |
H315 |
P302+P352
P332+P313 P362+P364 P264 P280 P321 |
SIDS(2005)、EHC 65(1987)、PATTY(6th, 2012)及び DFGOT vol.19(2003)のウサギを用いた24時間パッチテストで、「中等度の刺激性」が認められたとの記述がある。ACGIH(7th, 2001)、PATTY(6th, 2012)には、職業ばく露で「皮膚炎」が認められるとの記述がある。さらに、本物質は、EU DSD分類において「Xi; R37/38-41」、EU CLP分類において「Skin Irrit. 2 H315」に分類されている。以上の情報に基づき区分2とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2A |
警告 |
H319 |
P305+P351+P338
P337+P313 P264 P280 |
ウサギを用いた試験では、中等度~強度の刺激性が認められ、7日以内に回復しないが、21日以内に完全に回復した。Modified Maximum Average Score(MMAS)は 60.8 であった(ECETOC TR 48(1998))。環境省リスク評価第4巻(2005)、SIDS(2005)、EHC 65(1987)、ACGIH(7th, 2002)、DFGOT vol.19(2003)、PATTY(6th, 2012)、産衛学会 許容濃度の提案理由書(1987)には「ヒトで職業ばく露(蒸気ばく露)でも角結膜炎など眼刺激性が認められた」との記述がある。さらに、本物質は、EU DSD分類において「Xi; R37/38-41」、EU CLP分類において「Eye Dam. 1 H318」に分類されている。以上の情報に基づき区分2Aとした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない |
- |
- | - |
分類ガイダンスの改訂により、「区分外」が選択できなくなったため、「分類できない」とした。すなわち、In vivoでは、マウスの赤血球を用いる小核試験で陰性と報告されている(SIDS(2005)、ACGIH(7th, 2001))。さらにin vitroでは、細菌を用いる復帰突然変異試験(SIDS(2005)、ACGIH(7th, 2001)、NTP DB(Access on June 2013)、EHC 65(1987))、哺乳類培養細胞を用いるマウスリンフォーマ試験(EHC 65(1987))、染色体異常試験(EHC 65(1987))、小核試験(SIDS(2005))で陰性である。 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - | IRIS(1991)でDに分類されていることから、分類できないとした。分類ガイダンスの改訂により区分を変更した。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない |
- |
- | - | 妊娠ラットの吸入ばく露試験で、母動物に顕著な毒性(死亡(2/18例)、体重増加抑制)が発現する用量で胎児に軽微な骨格奇形(頸肋痕跡)がみられたのみ(環境省リスク評価第4巻(2005)、SIDS(2005)、ACGIH(7th, 2001))であった。しかし、雌雄の性機能、生殖能に対する影響に関する情報がなく、分類ガイダンスに従い、「分類できない」とした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分3(気道刺激性、麻酔作用) |
警告 |
H335
H336 |
P304+P340
P403+P233 P261 P271 P312 P405 P501 |
PATTY(6th, 2012)、環境省リスク評価第4巻(2005)にヒトでの吸入ばく露で咽頭に軽度の刺激がみられたとの記述から、気道刺激性と考えられ、区分3とした。また、EHC 65(1987)、ACGIH(7th, 2001)、DFGOT vol. 19(2003)、PATTY(6th, 2012)でラット及びマウスでの吸入経路により、麻酔作用、中枢神経抑制が生じたとの記述、並びに環境省リスク評価第4巻(2005)、PATTY(6th, 2012)にヒトでの吸入ばく露により頭痛を生じたとの記述から、麻酔作用と考えられ、区分3とした。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(中枢神経系、聴覚器) |
危険 |
H372 |
P260
P264 P270 P314 P501 |
産衛学会許容濃度の提案理由書(1987)、環境省リスク評価第4巻(2005)、ACGIH(7th, 2001)のヒトの職業ばく露例にめまいや頭痛がみられたとの記述、並びに産衛学会許容濃度の提案理由書(1987)、環境省リスク評価第4巻(2005)、PATTY(6th, 2012)のヒト職業ばく露例で聴力損失が認められたとの記述から、中枢神経系及び聴覚器が吸入経路での標的臓器とみなし、いずれも区分1とした。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 3以上13を超えない炭素原子で構成された一級のノルマルアルコール;13を越えない炭素原子で構成されたイソブチルアルコール及びケトンに相当するため、少なくとも国連GHS区分2に該当するが、JISでは区分2は採用していない。また、分類ガイダンスもこれにあわせて改定されている。区分1に該当するかどうかの情報はなく分類できないとした。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分外 |
- |
- | - | 藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)72時間ErC50 > 1000 mg/L、甲殻類(オオミジンコ)48時間EC50 > 1000 mg/L、魚類(メダカ)96時間LC50 > 100 mg/L(いずれも環境庁生態影響試験, 1996)であることから、区分外とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分外 |
- |
- | - |
慢性毒性データを用いた場合、急速分解性があり(BOD20:92%(SIDS, 2005))、甲殻類(オオミジンコ)の21日間NOEC = 4.1 mg/L(環境庁生態影響試験, 1997、環境省リスク評価, 2005)であることから、区分外となる。 慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、急性毒性が区分外であり、難水溶性ではない(水溶解度:6.32×10^4 at 25 ℃、HSDB, 2013)ことから区分外となる。 以上の結果から、区分外とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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