GHS分類結果(過年度実施分類結果の再分類)

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 75-71-8
名称 ジクロロジフルオロメタン
物質ID 25B0020
分類実施年度 平成25年度
分類実施者 厚生労働省、環境省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 平成18年度  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) GHS分類ガイダンス
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外
-
-
- - GHSの定義におけるガスである。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 区分外
-
-
- - 国連分類UN1028、クラス2.2(非引火性、非毒性ガス)である。
3 エアゾール 分類対象外
-
-
- - エアゾール製品ではない。
4 支燃性/酸化性ガス 区分外
-
-
- - 国連分類UN1028、クラス2.2で副次危険に5.1(酸化性)が付いていない。
5 高圧ガス 液化ガス


警告
H280 P410+P403 臨界温度(111.8℃(HSDB(Access on July 2013))は+65℃を超えているため、液化ガス(低圧液化ガス)とした。
6 引火性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義におけるガスである。
7 可燃性固体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義におけるガスである。
8 自己反応性化学品 分類対象外
-
-
- - GHSの定義におけるガスである。
9 自然発火性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義におけるガスである。
10 自然発火性固体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義におけるガスである。
11 自己発熱性化学品 分類対象外
-
-
- - GHSの定義におけるガスである。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外
-
-
- - GHSの定義におけるガスである。
13 酸化性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義におけるガスである。
14 酸化性固体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義におけるガスである。
15 有機過酸化物 分類対象外
-
-
- - GHSの定義におけるガスである。
16 金属腐食性物質 分類できない
-
-
- - 気体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義におけるガスである。なお、対象物質をピーナツオイルに溶解してラットに経口投与した場合のLD50値> 1,000 mg/kg(EHC 113(1990))、及び1,000 mg/kgで死亡が認められないとの報告(DFGOT vol.5(1993))がある。
1 急性毒性(経皮) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義におけるガスである。
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分外
-
-
- - ラットに 760,000 - 800,000mL/m3(4時間換算値: 268,701 - 282,842 ppm)(DFGOT vol.5(1993))を単回吸入ばく露した試験で死亡しなかったとの結果から、12,500 ppm(気体 2,000 ppm(区分4))を超えているため、区分外とした。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義におけるガスである。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義におけるガスである。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外
-
-
- - 「わずかな刺激がある」(EHC 113(1990))及び、「刺激がない」(DFGOT vol.5(1993))という情報から、軽微ないし軽度の刺激性があると考えられ、JIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分3)とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない
-
-
- - ウサギで著しい眼刺激は見られなかった(ACGIH(7th, 2001)、PATTY(6th, 2012))とする情報がある一方で、結膜に刺激性を引き起こす(DFGOT vol.5(1993))との情報があることから、分類できないとした。今回の調査でList1の情報(DFGOT vol.5(1993))が得られたことから List3のCERIハザードデータ集の情報を削除し、分類を見直した。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
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- - データ不足のため分類できない。前回の分類で用いられている呼吸器感作性の根拠データ(DFGOT vol.5(1993))は、動物種がイヌであり、ガイドライン準拠の試験でもなく、かつ呼吸器感作性を「区分外」と分類するには不十分な試験である。他に分類に採用可能なデータが得られなかったため、分類を変更した。
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - 分類ガイダンスの改訂により「区分外」が選択できなくなったため、「分類できない」とした。すなわち、In vivoでは、ラットの経口投与又はマウスの吸入ばく露による優性致死試験で陰性(EHC 113(1990)、ACGIH(7th, 2001)、JECFA(1975)、IUCLID(2000))、ラットを用いる染色体異常試験で陰性(IUCLID(2000))と報告されている。さらに、in vitroでは、細菌復帰突然変異試験及び哺乳類培養細胞の遺伝子突然変異試験で陰性とされている(EHC 113(1990)、ACGIH(7th, 2001)、DFGOT vol.5(1993)、IUCLID(2000))。
6 発がん性 分類できない
-
-
- - ACGIH(7th, 2001)でA4であり、また動物実験において発がん性の証拠は見いだせない(EHC 113(1990)、 PATTY(6th, 2012))との記述に基づき、「分類できない」 とした。分類ガイダンスの改訂により区分を変更した。
7 生殖毒性 区分外
-
-
- - ラットに強制経口投与した3世代試験で一般毒性影響又は生殖能への毒性影響は見られていないという試験結果、並びにラットに強制経口及び吸入ばく露、ウサギに吸入ばく露した発生毒性試験で発生毒性、胎児毒性及び催奇形性は見られていない(EHC 113(1990)、PATTY(6th, 2012))という試験結果により、区分外とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3(麻酔作用)


警告
H336 P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
P405
P501
ヒトボランティアにおける吸入ばく露実験で、言語障害、精神活動の低下、健忘症、中枢抑制、不整脈、徐脈、肺活量の低下などの所見が見られられたとの記述(PATTY(6th, 2012)、DFGOT vol.5(1993))並びにラット及びモルモットに高濃度を短時間吸入ばく露(500,000 - 900,000 ppm、30分間)した試験で、中枢性の麻酔作用が見られた(EHC 113(1990))ことから、区分3(麻酔作用)に分類した。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
-
-
- - ヒトの職業ばく露による報告では、本物質を含む様々な有機ハロゲン化合物への吸入ばく露での死亡例は心不整脈が死因であったとする報告と、職業ばく露による死亡率の増加はなく、不整脈の発生はなかったとの報告がある(PATTY(6th, 2012))。EHC 113(1990)には本物質以外の有機ハロゲン化合物(CFC-113: トリクロロトリフルオロエタン)への職業ばく露例では心不整脈による死亡例が見られたとの記述はあるものの、本物質ばく露による同様の事例は報告されていない。また、冷蔵庫修理業者で神経症状、神経伝達速度の低下が見られたが、追加調査では症状は見られたものの、神経伝達速度の低下は認められなかった(EHC 113(1990))。すなわち、神経系への影響は本物質ばく露との関連性も含め、明らかではない。一方、実験動物ではモルモットにおける90日間吸入ばく露試験で、区分2のガイダンス値の範囲を上回る濃度(ガイダンス値換算濃度: 1,080 ppm)で肝臓に組織変化を認めたとの記述があるが、その他、ラット、イヌなどを用いた吸入、経口いずれの投与経路の試験でも毒性影響はみられていない(PATTY(6th, 2012))。以上、実験動物による分類では区分外相当であるが、ヒトの職業ばく露による循環器系、神経系への影響の有無が現時点で明確ではなく、ヒト健康影響に関して決定的な証拠がないため、分類できないとするのが妥当であると判断した。
10 吸引性呼吸器有害性 分類対象外
-
-
- - GHSの定義におけるガスである。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない
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-
- - データなし。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない
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-
- - データなし。
12 オゾン層への有害性 区分1


警告
H420 P502 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記された規制物質である。


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

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