項目 | 情報 |
---|---|
CAS登録番号 | 107-22-2 |
名称 | グリオキサール |
物質ID | 25B0024 |
分類実施年度 | 平成25年度 |
分類実施者 | 厚生労働省、環境省 |
新規/再分類 | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 平成18年度 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | GHS分類ガイダンス |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
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厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。なお、ICSC(2003)では40%水溶液の発火点を285℃以上としている。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 液体状の物質に適したの試験法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 金属及び半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
- |
- | - | 沸点が55℃未満の液体状の物質に適した試験法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分3 |
危険 |
H301 |
P301+P310
P264 P270 P321 P330 P405 P501 |
ラットのLD50値200 mg/kg(環境省リスク評価第3巻(2004))に基づき、区分3とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 |
- |
- | - | ウサギを用いた経皮投与試験のLD50=12,700 mg/kg(CICAD 57(2004))に基づき、区分外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分4 |
警告 |
H332 |
P304+P340
P261 P271 P312 |
40%水溶液(エアロゾル)でのラットを用いた吸入ばく露試験でLC50(4時間)=2,440 mg/m3(2.44 mg/L)(SIDS(2003)、CICAD 57(2004)、NITE初期リスク評価書(2008))との報告がある。このLC50値は計算値である(CICAD 57(2004))との記載に基づき、ミストとして mg/L を単位とする基準値を適用し、区分4とした。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 |
警告 |
H315 |
P302+P352
P332+P313 P362+P364 P264 P280 P321 |
ウサギを用いた皮膚刺激性試験結果の記述に、「重度の刺激性」(SIDS(2003))、「軽度の刺激性」(SIDS(2003))、「紅斑がみられた」(CICADS 57(2004)、「刺激性なし」(SIDS(2003))との記載がある。ヒトへの影響としては、「現在ではヒトの眼や皮膚、粘膜を刺激すると考えられている。」との記載がある(環境省リスク評価第3巻(2004))。さらに、本物質は、EU DSD分類において「Xi; R36/38」、EU CLP分類において「Skin Irrit. 2 H315」に分類されている。以上の情報に基づき可逆的な重度の刺激性を与えると考え、区分2とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2A |
警告 |
H319 |
P305+P351+P338
P337+P313 P264 P280 |
ウサギを用いた眼刺激性試験(OECD TG 405準拠)では、「軽度の刺激性」がみられた」との記述がある(NITE初期リスク評価書(2008))。ウサギを用いた別の試験では、「結膜に重度の紅斑と軽度の浮腫、角膜に炎症と曇りがみられた。1~2週間で症状が治まった。」との記述がある(SIDS(2003))。さらに、本物質は、EU DSD分類において「Xi; R36/38」、EU CLP分類において「Eye Irrit. 2 H319」に分類されている。以上の情報に基づき可逆的な重度の刺激性を与えると考え、区分2Aとした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分1 |
警告 |
H317 |
P302+P352
P333+P313 P362+P364 P261 P272 P280 P321 P501 |
モルモットを用いたビューラー法、マキシマイゼーション法の結果の記述(SIDS(2003))に「陽性」とあり、ヒト疫学事例の記述に「マキシマイゼーション法を行ったところ、皮膚の壊死、紅斑、浮腫がみられた(SIDS(2003))」、「10%溶液での感作ならびに2%溶液での惹起によって全例で陽性の皮膚反応がみられ、グリオキサールは極めて強い皮膚感作性を有することが示された(NITE初期リスク評価書(2008))」との記載があることから、「皮膚感作性がある」と考えられた。さらに、本物質は、EU DSD分類において「R43」、EU CLP分類において「Skin Sens. 1 H317」に分類されている。以上の情報に基づき区分1とした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。すなわち、in vivoでは、マウス骨髄細胞の小核試験で陰性の報告がある(NITE初期リスク評価書(2008)、SIDS(2003)、CICAD 57(2004))。また、ラット肝臓を用いる不定期DNA合成(UDS)試験で陰性であるが(NITE初期リスク評価書(2008)、SIDS(2003))、ラット胃幽門粘膜のUDS試験、ラット肝臓のDNA単鎖切断試験で陽性結果がみられている(SIDS(2003)、NITE初期リスク評価書(2008)、環境省リスク評価第3巻(2004)、CICAD 57(2004)、ACGIH(7th, 2001))。これらの陽性知見は、いずれも局所的なDNA損傷と評価されている(SIDS(2003))。一方、in vitroでは、細菌復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞を用いる遺伝子突然変異試験及び染色体異常試験で陽性である(NITE初期リスク評価書(2008)、SIDS(2003)、CICAD 57(2004)、環境省リスク評価第3巻(2004)、ACGIH(7th, 2001))。分類ガイダンスの改訂により区分を変更した。 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - | ACGIH(7th, 2001)でA4に分類されていることから、分類できないとした。分類ガイダンスの改訂により区分を変更した。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない |
- |
- | - | 母動物毒性が発現する用量で発生毒性はないとの情報はある(NITE初期リスク評価書(2008)、SIDS(2003))が、性機能及び生殖能に及ぼす影響についての情報がなく、データ不足のため分類できないとした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分2(肺、腎臓、副腎、呼吸器、中枢神経系) |
警告 |
H371 |
P308+P311
P260 P264 P270 P405 P501 |
ラット、マウスなどの経口急性毒性試験において、剖検により消化管(消化管刺激)、肺、腎臓、副腎に変化がみられたことに加え、ラットの吸入(エアロゾル)ばく露試験において、呼吸困難、不整呼吸、中枢神経系抑制、肺の充血がみられた(SIDS(2003)、NITE初期リスク評価(2008))ことから、消化器、呼吸器、腎臓、副腎、中枢神経系が標的臓器と考えられた。このうち、消化器は本物質が刺激性を有していることから、標的臓器に含めなかった。なお、実験動物に対する影響は、区分2に相当するガイダンス値の範囲(経口経路(640 - 1,400 mg/kg(ラット))、吸入経路(1.3 mg/L 以上))でみられた。以上より、区分2(肺、腎臓、副腎、呼吸器、中枢神経)とした。なお、旧分類には標的臓器に「心臓」、「肝臓」も含まれていたが、今回分類に用いた情報源には標的臓器としての「心臓」及び「肝臓」の記載がないため、削除した。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(呼吸器) |
危険 |
H372 |
P260
P264 P270 P314 P501 |
ラットの29日間吸入ばく露試験において、区分1のガイダンス値の範囲内の濃度(ガイダンス値換算値: 0.0003 mg/L)で粘膜下のリンパ球様細胞浸潤を伴った喉頭蓋上皮の扁平上皮化生がみられており(NITE初期リスク評価書(2008))、区分1(呼吸器)とした。なお、ラットに28日間経口投与した試験では、区分2のガイダンス値範囲内の用量(ガイダンス値換算値: 40 mg/kg/day)で、体重増加抑制、摂餌量減少が認められているが、標的臓器を特定可能な病理学的変化はみられなかった(NITE初期リスク評価書(2008))。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
- |
- | - |
データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
11 | 水生環境有害性(急性) | 区分3 |
- |
H402 |
P273
P501 |
魚類(ファットヘッドミノー)による96時間LC50=86mg/L(NITE初期リスク評価, 2008; SIDS, 2003)であることから、区分3とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分外 |
- |
- | - | 信頼性のある慢性毒性データが得られていない。急速分解性があり(28日でのBOD分解度=65%(既存点検, 1996))、急性毒性は区分3であるが、生物濃縮性が低いと推測される(LogPow=-1.66(HSDB, 2013))ことから、区分外とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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