GHS分類結果(過年度実施分類結果の再分類)

View this page in English



一般情報
項目 情報
CAS登録番号 131-11-3
名称 フタル酸ジメチル
物質ID 25B0035
分類実施年度 平成25年度
分類実施者 厚生労働省、環境省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 平成18年度  
Excelファイルのダウンロード Excel file

関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) GHS分類ガイダンス
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
厚生労働省モデルラベル(外部リンク)  
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含まない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
3 エアゾール 分類対象外
-
-
- - エアゾール製品ではない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
6 引火性液体 区分外
-
-
- - 引火点146℃(closed cup)(HSDB(Access on September 2013))に基づいて、93℃を超えるため区分外とした。
7 可燃性固体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
8 自己反応性化学品 分類対象外
-
-
- - 爆発性、自己反応性に関連する原子団を含まない。
9 自然発火性液体 区分外
-
-
- - 発火点が490℃(HSDB(Access on September 2013))であり、常温で発火しないと考えられる。
10 自然発火性固体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外
-
-
- - 金属及び半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外
-
-
- - フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
14 酸化性固体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分外
-
-
- - ラット LD50値6.8 g/kg(ACGIH(7th, 2006))、8,200 mg/kg(環境省リスク評価第1巻(2002)、PATTY(6th, 2012))、8,400 mg/kg(NTP TR429(1995))に基づき区分外とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外
-
-
- - ウサギ LD50値 ≧ 10,000 mg/kg(NTP TR429(1995))、> 10 mL/kg(換算値:11.9 g/kg)(ACGIH(7th, 2006)、PATTY(6th, 2012))に基づき区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外
-
-
- - ACGIH(7th, 2006)、PATTY(6th, 2012))でウサギの皮膚に90日間、本物質を反復適用した試験において皮膚刺激性は認められなかったとの記述、環境省リスク評価第1巻(2002)及びACGIH(7th, 2006)でヒトにおいて皮膚刺激性は報告されていないとの記述から、JIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分3)とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2B
-
警告
H320 P305+P351+P338
P337+P313
P264
ウサギ3匹を用いた眼刺激性/腐食性試験(EEC Directive 79/831/EEC 及び OECD TG 405準拠)では、角膜損傷及び虹彩の炎症はみられなかった。軽度の結膜刺激のみが、3/3例にみられたが、適用後2-3日で完全に回復したとの記述(IUCLID(2000))から、区分2Bとした。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。

4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- - IUCLID(2000)には、ヒトパッチテストの結果が5件報告されており、いずれも陰性結果であるが、詳細不明である。環境省リスク評価第1巻(2002)、ACGIH(7th, 2006)にはヒトで感作性の報告はないとの記述があるが、感作性を明確に否定できる動物実験データはない。以上の情報に基づき、区分外とするにはデータ不足のため分類できないとした。
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - 分類ガイダンスの改訂により「区分外」が選択できなくなったため、「分類できない」とした。In vivoでは、マウス及びラットを用いる優性致死試験で陰性(ACGIH(7th, 2006)、IRIS(2012)、 IUCLID(2000))、ラット及びマウスの骨髄赤血球を用いる小核試験(NTP DB(Access on September 2013))及びラット及びマウスの染色体異常試験(IUCLID(2000))で陰性である。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験でほとんどで陰性(ACGIH(7th, 2006)、NTP DB(Access on September 2013)、NTP TR429(1995)、IUCLID(2000))、また、哺乳類培養細胞を用いるマウスリンフォーマ試験で陽性(ACGIH(7th, 2006)、IRIS(1990)、IUCLID(2000))、染色体異常試験で陰性(ACGIH(7th, 2006)、NTP DB(Access on September 2013)、NTP TR429(1995)、IUCLID(2000))である。
6 発がん性 分類できない
-
-
- - EPAでDに分類されている(IRIS(1990))ことから、分類できないとした。分類ガイダンスに従い、区分を変更した。
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。発生毒性に関しては、環境省リスク評価第1巻(2002)、ACGIH(7th, 2006))、NTP TR429(1995)、NTP DB(Access on September 2013)のラットを用いた妊娠中混餌経口投与試験において母動物に一般毒性が認められた用量でも発生毒性は認められたなかったとの記述、ならびにACGIH(7th, 2006)、NTP TR429(1995)のマウスに混餌経口投与した試験において母動物に一般毒性が認められた用量で胎児に異常はみられなかったとの記述が得られた。しかし、生殖能に関する情報がないことからデータ不足のため分類できないとした。List3の情報源を削除し、List1の情報源を追加した。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3(麻酔作用、気道刺激性)


警告
H335
H336
P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
P405
P501
環境省リスク評価第1巻(2002)、ACGIH(7th, 2006)、及びNTP TR429(1995)のヒトで経口摂取による昏睡の記述から、麻酔作用を示すと判断し、区分3(麻酔作用)とした。またヒトにおいて気道刺激を起こす(ACGIH(7th, 2006))との記載から区分3(気道刺激性)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
-
-
- - ウサギに33日間経皮ばく露した試験において、区分2を超える用量(ガイダンス値換算値: 1,750 mg/kg/day)を適用しても毒性影響は見られていない(ACGIH(7th, 2006))。すなわち、経皮経路では区分外相当であるが、他の経路での毒性情報がなく、データ不足のため分類できない。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分3
-
-
H402 P273
P501
魚類(シープスヘッドミノー)による96時間LC50=29 mg/L(環境省リスク評価第1巻, 2002; ECETOC TR91, 2003)であることから、区分3とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分外
-
-
- - 慢性毒性データを用いた場合、急速分解性があり(BODによる分解度:93%(既存点検, 1989))、甲殻類(オオミジンコ)の21日間NOEC = 9.6 mg/L(環境省リスク評価第1巻, 2002; ECETOC TR91, 2003)であることから、区分外となる。
慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、藻類(Gymnodinium breve)による96時間EC50=54 mg/L(環境省リスク評価第1巻, 2002)であるが、急速分解性があり(BODによる分解度:93%(既存点検, 1989))、生物蓄積性が低いと推定される(log Kow= 1.60(HSDB, 2013))ことから、区分外となる。
以上の結果から、区分外とした。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

GHS関連情報トップページに戻る