項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 98-73-7 |
名称 | p-tert-ブチル安息香酸 |
物質ID | 25B0054 |
分類実施年度 | 平成25年度 |
分類実施者 | 厚生労働省、環境省 |
新規/再分類 | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 平成22年度 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | GHS分類ガイダンス |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
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厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関わる原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 |
- |
- | - | 発火点> 510℃(GESTIS(Access on December 2013))であり、常温では発火しないと考えられる。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 金属又は半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素及び水素以外の元素と結合していない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
- |
- | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分4 |
警告 |
H302 |
P301+P312
P264 P270 P330 P501 |
ラットのLD50値として、550-800 mg/kg の報告(EU-RAR(2009))に基づき、区分4とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない |
- |
- | - |
データ不足のため分類できない。なお、30%ジメチルスルホキシド(DMSO)溶液でのラットのLD50値として、約300 mg/kg(純品換算値:約100 mg/kg)、ウサギのLD50値として、> 900 mg/kg(純品換算値:> 300 mg/kg)、及び乾燥粉末でのウサギのLD50値として、> 2,000 mg/kg の報告(EU-RAR(2009))があるが、詳細不明であり、分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - |
ラットの4時間ばく露のLC50値は > 1.802 mg/L(EU-RAR(2009))との結果があるが、このデータのみでは区分が特定できないため分類できない。なお、この試験は粉じんを用いて行われたとの記載、及びLC50値が飽和蒸気圧濃度(0.004 mg/L)より高いため、粉じんとしてmg/Lを単位とする基準値を適用した。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 |
- |
- | - | EU-RAR(2009)には、ウサギに試験物質を固体で800 mg、又はアルコールと鉱油の懸濁液で300 mgを8時間適用したドレイズ試験で皮膚刺激性の兆候がみられなかったとする報告、ウサギに500 mgを半閉塞により4時間適用した試験(EU TG B4)で皮膚反応が認められなかったとする報告がある。以上の情報に基づき、区分外とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2B |
警告 |
H320 |
P305+P351+P338
P337+P313 P264 |
EU-RAR(2009)には、ウサギの眼に100 mgを適用したドレイズ試験で2匹中1匹に僅かな刺激を認めたのみであったとする報告がある一方で、100 mgを24時間適用した試験(EU TG B5)で6匹全例に軽度の結膜反応がみられ、2匹にグレード1又は2の角膜混濁がみられ、これらは3日以内に回復したとの報告がある。以上の情報に基づき区分2Bとした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分外 |
- |
- | - | EU-RAR(2009)における、モルモットを用いたマキシマイゼーション試験で試験動物のいずれも惹起処理後に皮膚反応を示さなかったとの結果(陽性率は0%(0/10))に基づき、区分外とした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。すなわち、in vivoでは、ラット骨髄細胞の染色体異常試験で陰性、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性、哺乳類培養細胞の小核試験(S9mix存在下)では弱陽性である(EU-RAR(2009))。 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
7 | 生殖毒性 | 区分1B |
危険 |
H360 |
P308+P313
P201 P202 P280 P405 P501 |
雄ラットに70日間混餌投与後無投与の雌との交配による生殖試験において、雄親動物での一般毒性として体重増加抑制が観察され、70日間の回復期間終了時には精巣重量減少、精巣の限局的な精細管の減少がみられた用量(500 ppm: 41 mg/kg/day)で雄10例全例で授精がみられず、交配雌20例全例で不妊が認められ、その下の用量である100 ppm(7.9 mg/kg/day)においても不妊娠及び授精能低下(雄1/10例で未授精、交配雌4例が不妊娠)がみられている。ただし、70日間の回復期間後の再交配の結果、これらの生殖能に対する影響には回復性がみられている(EU-RAR(2009))。以上、出典を見なおし、雄親動物に対する生殖毒性であることが明らかであることから区分1Bとした。なお、出生児について同腹児数、性比、平均体重は対照群と投与群との間で差はなく、外表異常も記録されていない。なお、EU DSD分類では「Repr. Cat. 2; R60」、EU CLP分類では「Repr. 1B、H360F」に分類されている。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(中枢神経系、精巣) |
危険 |
H370 |
P308+P311
P260 P264 P270 P321 P405 P501 |
ラットを用いた経口投与試験(500-2,000 mg/kg)で中枢神経系への影響(流涎過多、挙尾反応、前肢及び後肢障害、痙攣に次ぐ側臥位、振戦、虚脱、痛覚反射の欠如、活動低下、運動失調、散瞳、徐呼吸)がみられ(EU-RAR(2009))、マウスの経口投与(350-800 mg/kg)では協調不能と挙尾反応(脊髄興奮)、痛覚刺激の欠如、前肢の麻痺(EU-RAR(2009))が報告されている。ラットを用いた粉じん吸入ばく露ではガイダンス1の範囲内の濃度(0.495-1.802 mg/L)で前肢の神経障害及び精巣への影響が報告されている(EU-RAR(2009))。以上の結果から区分1(中枢神経系)とした。また、ラット経口投与試験(500-2,000 mg/kg)において、生存例の精巣で精細管の生殖細胞変性による両側性萎縮がみられ、別の試験でも組織学的に精巣の低精子形成が720 mg/kg の経口投与の全例に現れ、対照群と比べ精細管の生殖細胞が減少した(EU-RAR(2009))との記載から区分1(精巣)とした。精巣の所見を基に、標的臓器に精巣を追加した。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(腎臓、肝臓、精巣、中枢神経系)、区分2(血液系) |
危険 警告 |
H372
H373 |
P260
P264 P270 P314 P501 |
ラットに13週間混餌投与した試験において、区分1の用量(100 ppm; 6-8 mg/kg/day)から、肝臓(重量増加)、腎臓(重量増加、尿細管及び腎乳頭の壊死)及び精巣(両側性萎縮、相対重量減少、精細管上皮の変性)への影響がみられている(EU-RAR(2009))。また、経皮経路ではラット13週間ばく露試験において、区分1に該当する用量(17.5 mg/kg/day)において、肝臓(重量増加、肝細胞の空胞化)に、区分2の範囲内の用量(35-140 mg/kg/day)において、血液系(雌雄ともヘマトクリット値及びMCV値の減少を示し、小球性低色素性貧血と診断された:原著(Cagen S.E. et al.(1989))で数値データを確認)、腎臓(重量増加、血中尿素窒素の増加、遠位曲尿細管の変性、再生、間質性腎炎、腎乳頭の壊死など)、精巣(重量減少、精子数減少、精巣巨細胞形成、精子形成細胞数の減少、精細管変性など)への影響がそれぞれみられている(EU-RAR(2009))。さらに、本物質のエアロゾルをラットに28日間吸入ばく露した試験において、区分1相当濃度(15.7 mg/m3:(90日換算値:0.005 mg/L))で、振戦、低活動性(立上がり行動の減少))がみられている(EU-RAR(2009))。経口経路でも上述のラット13週間混餌投与試験において、区分外の高用量(3,160 ppm: 158 mg/kg/day)で後肢麻痺がみられており、EU-RARは神経系を本物質の標的臓器の一つとしており、本分類に際してもこれを支持する。以上より、区分1(腎臓、肝臓、精巣、中枢神経系)、区分2(血液系)とした。なお、旧分類では経皮経路での区分1に該当する肝臓の病理所見(肝細胞空胞化(雌))、同区分2に該当する血液系の所見(小球性低色素性貧血)を採用しておらず、精巣毒性については生殖毒性で区分2としたことを根拠に標的臓器から除外したとしている。今回の分類では上述の神経系に加えて、これらの知見を分類に考慮したため、標的臓器及び区分が変更された。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分2 |
- |
H401 |
P273
P501 |
魚類(キンギョ)による96時間LC50 = 4 mg/L(EU-RAR, 2003)であることから、区分2とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 分類できない |
- |
- | - |
慢性毒性データを用いた場合、急速分解性がないが(BODによる分解度:0、0、12%(既存点検, 1990))、藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)の96時間NOEC = 21 mg/L(EU-RAR, 2003)であることから、区分外となる。 慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(BODによる分解度:0、0、12%(既存点検, 1990))、魚類(キンギョ)による96時間LC50のデータは得られているが、低濃度長期曝露を想定する慢性影響におけるpHの影響が否定できず、慢性分類の根拠としては用いないとの専門家判断により、分類できないとした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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