項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 944-22-9 |
名称 | O-エチル-S-フェニル=エチルホスホノチオロチオナート (別名:ホノホス) (再分類) |
物質ID | H26-B-014, - |
分類実施年度 | 平成26年度 |
分類実施者 | 厚生労働省 |
新規/再分類 | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 平成18年度 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
- |
- | - | 初融点が20℃未満なので、GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分外 |
- |
- | - | 引火点が94℃ (closed cup) (ICSC (1997)) であり、93℃を超えるため区分外とした。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない (りん酸のP-Oは自己反応性でない)。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 液体状の物質に適した試験法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分外 |
- |
- | - | 水溶解度:不溶 (ICSC (1997)) という情報があり、水と激しく反応しないことが認められている。 |
13 | 酸化性液体 | 分類できない |
- |
- | - | フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であり、この酸素が炭素及び水素以外の元素 (P) と結合しているが、データがなく、分類できない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。なお、「軟鋼に腐食性を示す」との記載がある (HSDB (Access on Aug 2014))。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分2 |
危険 |
H300 | P301+P310 P361+P364 P264 P270 P321 P330 P405 P501 |
ラットのLD50値として、8 mg/kg (IPCS, PIM (G001) (1998))、3.8-8.0 (雌) mg/kg、6.8-18.5 mg/kg (雄) (ACGIH (7th, 2006)) との3件の報告がある。分類ガイダンスの改訂により、最も多くのデータ (2件) が該当する区分2とした。なお、現行分類根拠であったPATTY (5th, 2001) の改訂版PATTY (6th, 2012) には本物質の記載が無いため、データを削除し、区分を見直した。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分1 |
危険 |
H310 | P302+P352 P262 P264 P270 P280 P310 P321 P361 P364 P405 P501 |
ラットのLD50値として、147 mg/kg (ACGIH (7th, 2006))、ウサギのLD50値として、25 mg/kg (ACGIH (7th, 2006)) との2件の報告がある。区分1と区分2との該当数が同じであるため、LD50値の最小値のある区分1とした。新たな情報源の (ACGIH (7th, 2006)) データを追加し、区分を見直した。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。ガス状での吸入が想定できないため、分類対象外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分2 |
危険 |
H330 | P304+P340 P403+P233 P260 P271 P284 P310 P320 P405 P501 |
ラットのLC50 (4時間) として、0.460 mg/L、及びLC50 (1時間) として、0.900 mg/L (4時間換算値:0.225 mg/L) (ACGIH (7th, 2006)) に基づき、区分2とした。なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度(0.005 mg/L) より高いため、ミストの基準値を適用した。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 |
- |
- | - | ウサギに対して皮膚刺激性を示さなかったとの記載 (ACGIH (2006)) に基づき、区分外とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。なお、ウサギを用いた試験において眼への刺激性がみられたが、無視できる程度であったとの記載 (ACGIH (2006)) がある。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない |
- |
- | - | ガイダンスの改訂により「区分外」が選択できなくなったため、「分類できない」とした。すなわち、in vivoでは、マウス骨髄細胞の小核試験で陰性 (HSDB (Access on June 2014)) である。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の染色体異常試験で陰性、陽性の結果が混じる (ACGIH (7th, 2006)、HSDB (Access on June 2014))。 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - | ACGIHでA4 (ACGIH (7th, 2006))、EPAでグループE (EPA Pesticide (1999)) であるため、ACGIHの分類を優先させ「分類できない」とした。 |
7 | 生殖毒性 | 区分2 |
警告 |
H361 | P308+P313 P201 P202 P280 P405 P501 |
ラットを用いた経口経路 (混餌) での3世代生殖毒性試験において親の生殖能力、児の発育発生に異常はなかった (ACGIH (7th, 2006)) との報告があるが、ウサギを用いた経口経路 (強制) での催奇形性試験では母動物に軽度の毒性がみられる用量で、着床後死亡の増加、マウスを用いた経口経路 (強制) での催奇形性試験では母動物毒性がみられる用量よりも低い用量で胎児の第四脳室拡張、内臓奇形がみられた (HSDB (Access on June 2014))。胎児に影響がみられたとの報告はList 2の情報であることから、区分1Bにするほど確かな証拠はない。したがって、区分2とした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1 (神経系) |
危険 |
H370 | P308+P311 P260 P264 P270 P321 P405 P501 |
ヒトにおいては、本物質の摂取事故により、悪心、嘔吐、唾液分泌 (流涎)、発汗、心肺停止、さらに、筋肉痙攣、低血圧、縮瞳、めまい、眼のかすみ、多量の唾液分泌及び気管支分泌物がみられ、神経系の障害が示唆された (ACGIH (7th, 2006)、HSDB (Access on June 2014))。 ラットの4.6-46 mg/kgの経口投与で、筋肉痙攣、振戦、唾液分泌 (流涎)、眼球突出、努力呼吸といった急速な神経系影響の発現がみられ、死亡した個体の剖検で、肺の紅斑、肝臓、腎臓、副腎の鬱血が認められた。生存個体では剖検の結果は異常がみられなかった (ACGIH (7th, 2006))。これらの神経系影響は、区分1に相当するガイダンス値の範囲でみられた。 また、本物質はコリンエステラーゼ阻害による神経症状を発現する (HSDB (Access on June 2014))、ラットの経口投与で、本物質はアセチルコリンエステラーゼ阻害作用による神経系障害作用を有する。以上より、区分1 (神経系) とした。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1 (神経系)、区分2 (肝臓、小腸) |
危険 警告 |
H372 H373 |
P260 P264 P270 P314 P501 |
ヒトにおいて、本物質反復ばく露による有害性の知見はないが、本物質を含む有機リン系農薬の多くはコリンエステラーゼ阻害作用を有し、神経毒性を生じることが懸念されている (IPCS PMI (G001) (1998)、HSDB (Access on June 2014))。実験動物ではイヌに2年間混餌投与した試験において、1.5 mg/kg/day 投与群で赤血球コリンエステラーゼの阻害、神経症状 (振戦、流涎、流涙) 及び肝臓重量増加が、12 mg/kg/day 投与群では肝臓及び小腸の病理組織所見 (詳細不明) がみられた (IRIS (1991)、EPA Pesticide (1999)、ACGIH (7th, 2006)) との記述より、区分1 (神経系)、区分2 (肝臓、小腸) に分類した。 なお、実験動物で標的臓器に影響がみられた用量は上記の通りであり、旧分類とは標的臓器は同一であるが、「肝臓」及び「小腸」の区分を現行分類では1から2に変更した。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | - |
- |
- | - | - |
11 | 水生環境有害性(長期間) | - |
- |
- | - | - |
12 | オゾン層への有害性 | - |
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- | - | - |
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