項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 107-21-1 |
名称 | エチレングリコール (再分類) |
物質ID | H26-B-017, R-061 |
分類実施年度 | 平成26年度 |
分類実施者 | 厚生労働省/環境省 |
新規/再分類 | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 平成19年度 平成18年度 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分外 |
- |
- | - | 引火点111℃ (closed cup) (ICSC (1999)) に基づいて区分外とした。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 |
- |
- | - | 発火点が398℃ (ICSC (1999)) であり、常温で発火しないと考えられる。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 金属及び半金属 (B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At) を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分外 |
- |
- | - | ラットのLD50値として、4,000-13,400 mg/kg の範囲内で10件の報告がある。ガイダンスの改訂により、最も多くのデータ (6件) (6,140 mg/kg (PATTY (6th, 2012))、8,540 mg/kg (DFGOT vol. 4 (1992)、PATTY (6h, 2012))、10,800 mg/kg (DFGOT vol. 4 (1992)、PATTY (6th, 2012))、11,300 mg/kg (PATTY (6th, 2012))、13,000 mg/kg、5,890-13,400 mg/kg (SIDS (2009)) が該当する区分外とした。なお、3件が国連分類基準の区分5、1件が国連分類基準の区分5又は区分外に該当する。新たな情報源 (ACGIH (7th, 2001)、環境省リスク評価第3巻 (2004)、ATSDR (2010)、PATTY (6th, 2012)、DFGOT vol. 4 (1992)、CEPA (2000)、NITE初期リスク評価書 (2007)、SIDS (2009)) を追加し、分類を見直した。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 |
- |
- | - | ラットのLD50値として、2,800 mg/kg (ACGIH (7th, 2001))、ウサギのLD50値として、9,530 mg/kg (ACGIH (7th, 2001)、PATTY (6h, 2012))、10,600 mg/kg (CICAD 45 (2002)、CEPA (2000)、NITE初期リスク評価書 (2007))、10,612 mg/kg (環境省リスク評価第3巻 (2004)) の4件の報告がある。1件が国連分類基準の区分5に、3件が区分外に該当する。ガイダンスの改訂により最も多くのデータ (3件) が該当する区分外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分4 |
警告 |
H332 | P304+P340 P261 P271 P312 |
ラットのLC50値 (1時間) として、10.9 mg/L (4時間換算値:2.7 mg/L) (PATTY (6th, 2012)) に基づき、区分4 とした。なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度(0.2 mg/L) より高いため、ミストの基準値を適用した。新たな情報源 (PATTY (6th, 2012)) を追加し、区分を見直した。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 |
警告 |
H315 | P302+P352 P332+P313 P362+P364 P264 P280 P321 |
ヒト103人に対するパッチテストにおいて、本物質の原液0.2 mLの適用により刺激性がみられた (SIDS (2009)) ことから、区分2とした。またウサギ、モルモットを用いた皮膚刺激性試験で軽度の皮膚刺激性がみられた (CICAD 45 (2002)、初期リスク評価書 (2007)、CEPA (2000)) との報告がある。ヒトの所見を追加し区分を変更した。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2B |
警告 |
H320 | P305+P351+P338 P337+P313 P264 |
ウサギに原液を適用した眼刺激性試験において、刺激性なしとの報告がある (SIDS (2009))。また、液体や蒸気への1回あるいは短時間の眼へのばく露は、恒久的な角膜損傷を伴わない軽微な結膜刺激をウサギに引き起こす (CICAD 45 (2002)、初期リスク評価書 (2007)、CEPA (2000)) との報告がある。ヒトの事故例として本物質 (濃度不明) に眼にばく露された結果、結膜のうっ血、浮腫、光反射の遅延、重度の角膜炎がみられたが4週間後には回復したとの報告がある (DFGOT vol. 4 (1992)) が濃度等については詳細不明である。以上の結果から区分2Bとした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない |
- |
- | - | ヒトに対する報告が2件あり、本物質5%又は25%水溶液を11人に適用したところ、1人 (レンズの切断作業で25%水溶液を扱い腕、胸、腹部に皮膚炎を発症した31歳女性、ニッケルアレルギーあり) に激しいアレルギー反応を示したが、他の10名にアレルギー反応はみられなかった (DFGOT vol. 4 (1992))。また、本物質の1%及び5%水溶液を10人に適用したところ1人 (4ヶ月間光学レンズの洗浄作業で25%水溶液を扱い、発疹がみられた17歳男性) にアレルギー反応はみられなかったが、本物質3%を含むエタノール溶液に対して軽度の刺激、紅斑、腫れがみられた。他の9人についてはアルコールに対する軽度の刺激以外の反応はみられなかった (DFGOT vol. 4 (1992))。なお、モルモットを用いたマキシマイゼーション試験において、感作性はみられなかったとの報告がある (SIDS (2009))。動物試験では陰性の結果があるものの、ヒトの事例でアレルギー反応の事例があることから、分類できないとした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない |
- |
- | - | ガイダンスの改訂により「区分外」が選択できなくなったため、「分類できない」とした。すなわち、in vivoでは、ラットの優性致死試験、マウスの小核試験及び染色体異常試験でいずれも陰性 (NITE初期リスク評価書 (2007)、環境省リスク評価第3巻 (2004)、SIDS (2009)、ACGIH (7th, 2001)、ATSDR (2010)、CEPA (2000)) である。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞のマウスリンフォーマ試験、染色体異常試験、姉妹染色分体交換試験でいずれも陰性 (NITE初期リスク評価書 (2007)、環境省リスク評価第3巻 (2004)、SIDS (2009)、ACGIH (7th, 2001)、ATSDR (2010)、CEPA (2000)) である。 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - | ACGHIでA4 (ACGIH (7th, 2001)) に分類されているため、「分類できない」とした。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない |
- |
- | - | ラットを用いた経口経路 (混餌) での三世代生殖毒性試験においては生殖発生毒性に対する影響は認められなかったとの報告 (ATSDR (2010)、(NITE初期リスク評価書 (2007)、環境省リスク評価第3巻 (2004)、CICAD 45 (2002))、マウスを用いた経口経路 (飲水) での連続交配試験では、母動物毒性はないが極めて高用量 (1,640 mg/kg bw/day) で、胎児への影響 (出生児体重の減少、同腹児数及び生存児数のわずかな減少、発生数は不明であるが顔貌異常と、頭蓋骨、胸骨分節、肋骨、椎骨で骨格変化) がみられたとの報告がある (ATSDR (2010)、CICAD 45 (2002))。 ラットあるいはマウスを用いた経口経路 (強制) での催奇形性試験において、母動物毒性のみられない高用量 (1,000 mg/kg bw/day以上) において児動物への影響 (胎児体重の減少、骨化遅延、骨格奇形) がみられている (ATSDR (2010)、NITE初期リスク評価書 (2007)、環境省リスク評価第3巻 (2004)、CICAD 45 (2002))。 以上のように、母動物毒性のみられない用量において主に骨格奇形を含む児動物への影響がみられたが極めて高用量であること、旧分類の根拠である作用機序がヒトに該当しないとの明確な証拠が得られなかったことから、分類できないとした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1 (中枢神経系、血液系、腎臓)、区分3 (気道刺激性、麻酔作用) |
危険 警告 |
H370 H335 H336 |
P308+P311 P260 P264 P270 P321 P405 P501 P304+P340 P403+P233 P261 P271 P312 |
ヒトにおいては、経口摂取後の毒性影響は主として以下の3段階に分けられる。すなわち、第一段階 (摂取から0.5-12時間) :中枢神経系への影響 (中毒、嗜眠、痙攣、昏睡) 及び代謝障害 (アシドーシス、高カリウム血症、低カルシウム血症)、第二段階 ((摂取から12-24時間) :心臓及び肺への影響 (頻脈、高血圧、代償性過呼吸を伴う重度の代謝性アシドーシス、低酸素症、鬱血性心不全、成人呼吸窮迫症候群)、第三段階 (摂取から24-72時間) :腎毒性 (シュウ酸カルシウム沈着、血尿、急性尿細管壊死、腎不全) である (SIDS (2009)、CEPA (2000)、環境省リスク評価第3巻 (2004))。さらに、摂取から6-14日、あるいはそれ以降において見られる影響として第四段階を置き、中枢神経系影響に加え、神経学的影響(顔面神経麻痺、不明瞭な発語、運動能力の喪失、視力障害を含む) が観察され、脳神経の損傷を示唆するとの報告もある (NITE初期リスク評価書 (2007)、ACGIH (7th, 2001)、DFGOT vol. 4 (1992)、CEPA (2000))。 なお、ヒトにおける経口摂取による致死量は、約0.4-1.3 g/kg bw (CEPA (2000)) や1.6 g/kg bw (SIDS (2009)、NITE初期リスク評価書 (2007)、ACGIH (7th, 2001)) の報告がある。吸入経路では、ボランティアによる 55 ppm の吸入ばく露試験で吸入開始 1.5 分後から喉及び上気道の痛みがあり、79 ppm 以上では、痛みが非常に激しく 1 分以上耐えられなかったとの報告がある (NITE初期リスク評価書 (2007)、ACGIH (7th, 2001))。 ラット、マウスでは、投与量に相関した中枢神経抑制作用があり、多量の経口投与では、昏睡、麻痺、運動失調を示し死に至る。また、頻脈、頻呼吸、気管支肺炎、肺浮腫、うっ血性心不全、代謝性アシドーシス、腎臓障害を伴う多渇症、多尿症、尿中シュウ酸カルシウム結晶析出が報告されている。病理組織学的にはシュウ酸カルシウム結晶沈着による腎尿細管上皮の変性、間質性水腫、腎皮質の出血性壊死が認められている (NITE初期リスク評価書 (2007)、SIDS (2009)、CEPA (2000)、ACGIH (7th, 2001))。なお、これらの影響はガイダンス値の区分の範囲では認められていない。 以上より、区分1 (中枢神経系、血液系、腎臓)、区分3 (気道刺激性、麻酔作用) とした。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない |
- |
- | - | ヒトでは、男性ボランティアに69 mg/m3までの濃度を毎日20-22時間、1ヶ月間吸入ばく露したが、全身影響はみられなかった (環境省リスク評価第3巻 (2004)、SIDS (2009)、ATSDR (2010))。また、カナダ及びフィンランドにおける職業ばく露による報告では、本物質ばく露により懸念された腎臓への影響はみられなかった (SIDS (2009))。この他、反復ばく露であることが明らかなヒトでの本物質についての知見はない。 実験動物では、SIDS (2009) 及びATSDR (2010) の記述より、腎臓が最も感受性の高い標的臓器であるとされており、SIDS (2009) で信頼性が最も高いと判断されたラットを用いた16週間、1年間又は2年間混餌投与試験において、いずれも腎臓に毒性病変(腎症、腎結石、尿結晶など) が雄に強く生じたが、その発現用量は区分2を遥かに超える用量 (腎毒性を指標としたLOAELの最小値: 300 mg/kg/day (雄ラット1年間混餌投与試験)) であった (SIDS (2009))。 一方、吸入経路では本物質の反復吸入ばく露試験自体は実施されていないが、SIDS (2009) による記述では、エチレングリコール類の毒性はSIDSがカテゴリー評価対象物質としたジエチレングリコール (DEG)、トリエチレングリコール (TEG)、PEG 200のラット吸入ばく露における影響濃度が1,000 mg/m3超であることから、概して低いと考えられると推定されている。 以上より、カテゴリー物質の知見も含めて、本物質は実験動物では経口、吸入のいずれの経路でも反復ばく露による毒性は低いと考えられるが、ヒトにおける高濃度反復ばく露による影響の有無に関して十分な知見がなく、データ不足のため分類できないとした。 なお、旧分類では環境省リスク評価第3巻 (2004) にあるヒトでのばく露による症状を基に分類されたが、いずれの所見も被験者のごく一部にみられた所見で、本物質ばく露に関連した特異的な有害性を示す所見ではないと判断されたため、これらの知見は採用しなかった。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
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- | - | データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分外 |
- |
- | - | 藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)72時間ErC50 > 1000 mg/L、甲殻類(オオミジンコ)48時間EC50 > 1120 mg/L、魚類(メダカ)96時間LC50 > 100 mg/L(いずれも環境省生態影響試験, 2001、環境省リスク評価第3巻, 2004、NITE 初期リスク評価書, 2007)であることから、区分外とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分外 |
- |
- | - | 急速分解性であり(14日後のBOD分解度:90%(既存点検, 1988)、甲殻類(ニセネコゼミジンコ)の7日間MATC=4.2 mg/L(環境省リスク評価第3巻, 2004)であることから、区分外とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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