項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 110-80-5 |
名称 | エチレングリコールモノエチルエーテル (再分類) |
物質ID | H26-B-019, R-007 |
分類実施年度 | 平成26年度 |
分類実施者 | 厚生労働省/環境省 |
新規/再分類 | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 平成18年度 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分3 |
警告 |
H226 | P303+P361+P353 P370+P378 P403+P235 P210 P233 P240 P241 P242 P243 P280 P501 |
引火点44℃ (closed cup) (ICSC (2003)) に基づいて区分3とした。 なお、国連分類はUN1171、クラス3、PGIIIである。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 |
- |
- | - | 発火点が235℃ (ICSC (2003)) であり、常温で発火しないと考えられる。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 金属及び半金属 (B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At) を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分外 |
- |
- | - | ラットのLD50値として、2,125-5,720 mg/kg の範囲内での複数の報告 (PATTY (6th, 2012)、CICAD 67 (2010)、EU-RAR (2008)、NITE初期リスク評価書 (2007)、ECETOC TR95 (2005)、環境省リスク評価第4巻 (2005)、ACGIH (7th, 2001)、DFGOT vol. 6 (1994)、EHC 115 (1990)) に基づき、区分外とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 |
- |
- | - | ラットのLD50値として、3,900 mg/kg (環境省リスク評価第4巻 (2005))、及びウサギのLD50値として、3,311-15,200 mg/kg の範囲内での複数の報告 (CICAD 67 (2010)、EU-RAR (2008)、NITE初期リスク評価書 (2007)、ECETOC TR95 (2005)、環境省リスク評価第4巻 (2005)、CEPA (2002)、EHC 115 (1990)) に基づき、区分外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 区分4 |
警告 |
H332 | P304+P340 P261 P271 P312 |
ラットのLC50値 (4時間) として、15.2 mg/L (=4,119 ppm) (EU-RAR (2008))、16 mg/L (=4,336 ppm) (CICAD 67 (2010)、ECETOC TR95 (2005)) との報告に基づき、区分4とした。なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度 (4,936 ppm) の90%より低いため、ミストを含まないものとしてppmを単位とする基準値を適用した。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 |
- |
- | - | ウサギを用いたドレイズ試験において、軽度-中等度の紅斑、軽度の落屑がみられた (EU-RAR (2008)) との報告や、EUガイドラインに従った皮膚刺激性試験においては未希釈の物質の適用により刺激性なしとの報告があり (EU-RAR (2008)、NITE初期リスク評価書 (2007))、EU-RAR (2008) では本物質に刺激性はないと結論付けている。他にも刺激性なし又は軽度の刺激性との報告が複数ある (NITE初期リスク評価書 (2007)、ECETOC TR95 (2005))。また、本物質は、実験動物を用いた試験において、最悪でも軽微な刺激性を示しただけであるとの記載がある (CICAD 67 (2010)) 。以上の結果から、区分外 (国連分類基準の区分3) とした。ガイダンスの改訂に従い区分を変更した。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2B |
警告 |
H320 | P305+P351+P338 P337+P313 P264 |
ウサギを用いたドレイズ試験において、中等度の角膜障害、中等度の虹彩炎、中等度-重度の結膜刺激、瞬膜の壊死がみられたが、7日までに回復性を示した (EU-RAR (2008)) との報告がある。また、他のドレイズ試験において、中等度の刺激性を示したとの報告 (EU-RAR (2008)、(NITE初期リスク評価書 (2007)) や、軽度の刺激性を示した (EU-RAR (2008)、NITE初期リスク評価書 (2007)、ECETOC TR95 (2005)、ECETOC TR64 (1995)) との報告がある。本物質は、実験動物を用いた試験において、最悪でも軽微な刺激性を示しただけであるとの記載がある (CICAD 67 (2010)) 。以上の結果より、区分2Bと判断した。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない |
4 | 皮膚感作性 | 区分外 |
- |
- | - | OECDクライテリアに従ったマキシマイゼーション試験 (Magnusson and Kligman法) において感作性はみられなかったとの報告 (EU-RAR (2008)) がある。また、本物質は感作性を引き起こさないとの記載がある (CEPA (2002))。以上より、区分外とした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない |
- |
- | - | ガイダンスの改訂により「区分外」が選択できなくなったため、「分類できない」とした。すなわち、in vivoでは、マウス骨髄細胞の小核試験で陰性 (NITE初期リスク評価書 (2007)、環境省リスク評価第4巻 (2005)、CICAD 67 (2010)、EU-RAR (2008)) である。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性、哺乳類培養細胞の遺伝子突然変異試験で陰性ないし弱い陽性であるが、染色体異常試験、姉妹染色分体交換試験では陽性結果が多い(NITE初期リスク評価書 (2007)、環境省リスク評価第4巻 (2005)、CEPA (2002)、CICAD 67 (2010)、EU-RAR (2008)、PATTY (6th, 2012))。 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
7 | 生殖毒性 | 区分1B |
危険 |
H360 | P308+P313 P201 P202 P280 P405 P501 |
マウスを用いた経口経路 (飲水) での連続交配試験において非常に高用量 (1,500 mg/kg bw/day) で生殖能力の有意な低下がみられた (環境省リスク評価第4巻 (2005))。 マウスを用いた経口経路 (強制) での催奇形性試験において非常に高用量 (1,800 mg/kg bw/day) で母動物毒性がみられていないが胎児で合肢、欠肢、曲尾などの奇形が認められた (PATTY (6th, 2012))。ラット、ウサギを用いた吸入経路での催奇形性試験では母動物毒性については不明であるがラットで743 mg/m3、ウサギで600-688 mg/m3の濃度で胚吸収、心血管系の奇形がみられている(ECETOC TR95 (2005)、EHC 115 (1990))。ラットを用いた経皮経路での催奇形性試験において母動物毒性がみられない用量 (0.25 mL) において全胚死亡の増加、骨格変異の増加、胎児体重減少、心血管系の奇形、生存胎児数/腹の減少がみられた (EHC 115 (1990))。 以上のように母動物毒性がみられない用量において奇形がみられていることから、区分1Bとした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1 (中枢神経系、血液系、腎臓、肝臓) |
危険 |
H370 | P308+P311 P260 P264 P270 P321 P405 P501 |
ヒトにおいては、経口経路では、本物質の約40mL誤飲で、意識喪失、緊張性痙攣と間代性痙攣の反復、血液生化学的には代謝性アシドーシスがみられ、治療により意識回復したが、次週に腎不全、第三週に肝障害、一ヵ月後に完治したが、その後も神経衰弱様の愁訴が続いたとの報告 (産衛学会許容濃度の提案理由書 (1985)、環境省リスク評価第4巻 (2005)、NITE初期リスク評価書 (2007)、PATTY (6th, 2012))、約100mLを摂取した事例で、摂取8時間後、精神錯乱、衰弱、嘔吐、深い頻呼吸、深刻な代謝性アシドーシスがみられ、その後回復したとの報告 (PATTY (6th, 2012)) がある。また、経口経路でヒトの消化管、中枢神経系、肺及び心臓に重度の毒性影響を示す (EU-RAR (2008))、ヒトへの急性影響は中枢神経系抑制及び代謝性アシドーシスである (PATTY (6th, 2012)) との報告がある。 実験動物では、ラットの経口投与で呼吸困難、立毛、衰弱、嗜眠、運動失調、ライジング、昏睡などであり、重症化又は死亡例において、胃腸の出血、軽度の肝臓障害、重度の腎臓傷害、血尿を示した (PATTY (6th, 2012))。また、死後、膀胱が血尿で膨満、腎臓は皮質尿細管の壊死を伴う極度の尿細管変性、ボーマン嚢腔の膨満、著しい鬱血などの報告 (EU-RAR (2008)、NITE初期リスク評価書 (2007)) があり、マウスなど他の実験動物においても経口経路で同様の毒性影響がみられる。吸入経路においても、マウスなど他の実験動物でも経口経路と同様の影響が報告されている (産衛学会許容濃度の提案理由書 (1985)、NITE初期リスク評価書 (2007)、環境省リスク評価第4巻 (2005)、ACGIH (7th, 2001)、EU RAR (2008)、PATTY (6th, 2012))。 なお、吸入ばく露の場合、区分1、経口投与の場合、区分2に相当するガイダンス値の範囲でみられた。 実験動物 (種の記載なし) の吸入ばく露で、精巣の傷害が見られたとの記載 (ECETOC TR64 (1995))、雄ラットに4,500 ppm、3時間吸入ばく露で、精巣重量の減少(NITE初期リスク評価書 (2007)) との記載はあるが、詳細情報がなく、他の評価書で取り上げられていない。したがって、精巣への影響は不明確なため採用しなかった。 以上より、ヒトへの影響を重視し、区分1 (中枢神経系、血液系、腎臓、肝臓) とした。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1 (血液系、精巣) |
危険 |
H372 | P260 P264 P270 P314 P501 |
ヒトでは本物質の吸入による職業ばく露に関する報告で、血液系、造血組織への影響(貧血、ヘモグロビン濃度及びヘマトクリット値の低下、顆粒球減少症、骨髄抑制)、並びに精子産生への影響 (乏精子症、無精子症、受精能の低下) が複数報告されている (CICAD 67 (2010))。これらの疫学研究結果から、ヒトでの本物質ばく露濃度と血液毒性、精子形成阻害との相関性が高いことから、CICAD 67 (2010) では血液系と生殖器官が本物質のヒトにおける標的臓器として重要であるとの見解を示している。 実験動物でも、区分外の高濃度を吸入ばく露又は高用量を経口ばく露したラット及びマウスの試験で、血液系、精巣等雄性生殖器への毒性影響がみられており (ECETOC TR 64 (1995)、CEPA (2002)、CICAD 67 (2010))、ヒトでの影響を支持する知見とされている (CICAD 67 (2010))。よって、区分1 (血液系、精巣) に分類した。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分外 |
- |
- | - | 藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)の72時間ErC50 > 100 mg/L (環境省生態影響試験, 2002、環境省リスク評価第4巻, 2005)、 甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50 > 89.5 mg/L (環境省生態影響試験, 2002、環境省リスク評価第4巻, 2005、NITE 初期リスク評価書, 2007)、魚類(メダカ)の96時間LC50 > 94.7 mg/L (環境省生態影響試験, 2002、環境省リスク評価第4巻, 2005、NITE 初期リスク評価書, 2007)であることから、区分外とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分外 |
- |
- | - | 慢性毒性データを用いた場合、急速分解性があり(BODによる分解度=63, 83, 83%(既存点検, 1980))、藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)の72時間NOEC(生長速度) = 100 mg/L、甲殻類(オオミジンコ)の21日間NOEC > 97mg/L(いずれも環境省生態影響試験, 2002、環境省リスク評価第4巻, 2005)であることから、区分外となる。 慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、魚類の急性毒性は区分外相当であり、難水溶性ではない(水溶解度=1000000mg/L、PHYSPROP Database, 2009)ことから、区分外となる。 以上より、区分外とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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