項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 106-44-5 |
名称 | p-クレゾール (再分類) |
物質ID | H26-B-033, R-013 |
分類実施年度 | 平成26年度 |
分類実施者 | 厚生労働省/環境省 |
新規/再分類 | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 平成18年度 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
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厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 |
- |
- | - | 発火点が555℃ (ICSC (2008)) であり、常温で発火しないと考えられる。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 融点が140℃以下の固体状の物質に適した試験方法が確立していない |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 金属及び半金属 (B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At) を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
- |
- | - | 融点が55℃以下の固体状の物質ではあるが、データがなく分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分3 |
危険 |
H301 |
P301+P310
P361+P364 P264 P270 P321 P330 P405 P501 |
ラットのLD50値として、以下の3データの報告がある。207 mg/kg (ATSDR (2008)、NTP TR550 (2008)、NITE初期リスク評価書 (2007)、環境省リスク評価第5巻 (2006)、SIDS (2005)、EHC 168 (1995))、270 mg/kg (環境省リスク評価第5巻 (2006))、1,800 mg/kg (ACGIH (7th, 2001))。分類ガイダンスに従い、最も多くのデータ (2件) が該当する区分3とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分3 |
危険 |
H311 |
P302+P352
P280 P312 P321 P361 P364 P405 P501 |
ラットのLD50値として、750 mg/kg との報告 (NITE初期リスク評価書 (2007)、環境省リスク評価第5巻 (2006)、EHC 168 (1995)) と共に、ウサギのLD50値として、300 mg/kg (NTP TR550 (2008)、ATSDR (2008)、NITE初期リスク評価書 (2007)、SIDS (2005)、EHC 168 (1995)) 及び301 mg/kg (環境省リスク評価第5巻 (2006)) との報告に基づき、区分3とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。なお、ラットのLC50値 (1時間) として、> 0.71 mg/L (=160 ppm) (4時間換算値:> 0.355 mg/L) との報告 (環境省リスク評価第5巻 (2006)、SIDS (2005)) がある。LC50値が飽和蒸気圧濃度 (1.49 mg/L=148 ppm) より高いため、ミストとみなした。このLC50値からでは、区分2、区分3、区分4、区分外のいずれかを特定できないので、分類できないとした。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分1 |
危険 |
H314 |
P301+P330+P331
P303+P361+P353 P305+P351+P338 P304+P340 P260 P264 P280 P310 P321 P363 P405 P501 |
ウサギに本物質の原液 0.5 mLを4時間閉塞適用した結果、腐食性がみられた (2/6匹) との報告がある (EHC 168 (1995)、NITE初期リスク評価書 (2008)、SIDS (2005))。また、別の試験においてウサギに本物質の原液を適用した結果、重度の紅斑と浮腫が24時間以内に発症し、72時間以内に回復しなかったとの報告がある (SIDS (2001))。以上の結果から、区分1とした。なお、本物質はEU DSD分類において「C; R34」、EU CLP分類において「Skin Corr. 1B」に分類されている。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 |
危険 |
H318 |
P305+P351+P338
P280 P310 |
ウサギに本物質の原液0.1 mLを適用した結果、結膜、角膜、虹彩に重度の刺激性がみられ、72時間後までに回復しなかった (SIDS (2005)) との報告があることから、区分1とした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - |
データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。なお、モルモットを用いた皮膚感作性試験 (修正ドレイズ法) で、感作性はみられなかった (SIDS (2005)、DFGOT Vol. 14 (2000)) との報告や、鉱油中に溶かした4%p-クレゾールを25名のボランティアに適用した結果、感作性はみられなかったとの報告がある (SIDS (2005)) が、試験条件等詳細不明であることから分類に用いるには不十分なデータと判断し、区分を変更した。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない |
- |
- | - | ガイダンスの改訂により「区分外」が選択できなくなったため、「分類できない」とした。すなわち、in vivoでは、マウスの優性致死試験、マウス骨髄細胞の染色体異常試験でいずれも陰性である (NITE初期リスク評価書 (2007)、環境省リスク評価第5巻 (2006)、ATSDR (2008)、DFGOT vol. 14 (2000)、SIDS (2005))。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞のマウスリンフォーマ試験、ヒト細胞の姉妹染色分体交換試験で陰性、哺乳類培養細胞の染色体異常試験、ヒト末梢血リンパ球の不定期DNA合成試験で弱い陽性である (NITE初期リスク評価書 (2007)、環境省リスク評価第5巻 (2006)、SIDS (2005)、ATSDR (2008)、DFGOT vol. 14 (2000)、NTP DB (Access on July 2014))。以上より、in vitroでは染色体異常試験で陽性を示しているが、in vivoの試験結果がいずれも陰性であることから、本物質はin vivoで変異原性を示さないと判断した。 |
6 | 発がん性 | 区分2 |
警告 |
H351 |
P308+P313
P201 P202 P280 P405 P501 |
EPAでグループCに分類されている (EPA (1991)) ことから、区分2とした。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない |
- |
- | - |
ラットを用いた経口経路 (強制) での2世代生殖毒性試験において生殖能に影響はみられていない (ATSDR (2008)、NITE初期リスク評価書 (2007)、環境省リスク評価第5巻 (2006))。なお、この試験についてSIDS (2005) では明らかな用量相関性はみられないものの死産の増加がみられており発生毒性のNOAELが決定できないとしている。 ラット、ウサギを用いた経口経路での催奇形性試験において死亡を含む母動物毒性がみられる用量においてもわずかな胎児に対する影響 (骨格変異) しかみられていない (ATSDR (2008)、NITE初期リスク評価書 (2007)、環境省リスク評価第5巻 (2006))。 以上より、ラットの2世代生殖毒性試験において明らかな用量相関性はみられないものの死産の増加がみられており発生毒性のNOAELが決定できないとの報告もあることから、分類できないとした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1 (中枢神経系、呼吸器、心血管系、肝臓、腎臓) |
危険 |
H370 |
P308+P311
P260 P264 P270 P321 P405 P501 |
ヒトに対して気道刺激性を示し、経口摂取で腐食性がみられる。蒸気やエアロゾルの吸入では肺水腫を起こすことがある。吸入すると灼熱感、咽頭痛、咳、頭痛、吐き気、嘔吐、息苦しさ、息切れ、経口摂取では吐き気、嘔吐、腹痛、ショック/虚脱、灼熱感を生じ、中枢神経系、心血管系、肺、肝臓、腎臓に影響を与え、高濃度の場合には意識低下がみられ、死亡することもある (環境省リスク評価第5巻 (2006)、ACGIH (7th, 2001))。 実験動物では、吸入ばく露では、ラットに粘膜の刺激、神経筋興奮、痙攣、非常に高い濃度で血尿が認められたとの報告がある (SIDS (2005))。また、経口投与で、マウス及びラットに自発運動低下、流涎、協調運動失調、筋収縮、振戦、けいれん、呼吸困難、衰弱、嗜眠、昏睡、死亡、剖検所見として、消化管の炎症、肺、肝臓、腎臓の充血及び出血が報告されている (NITE初期リスク評価書 (2007))。これらの所見は、区分1ないし区分2に相当するガイダンス値の範囲であった。 以上より、区分1 (中枢神経系、呼吸器、心血管系、肝臓、腎臓) とした。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1 (中枢神経系、心血管系、腎臓)、区分2 (呼吸器、血液系、肝臓) |
危険 警告 |
H372
H373 |
P260
P264 P270 P314 P501 |
ヒトでは、本物質を含むクレゾール混合物の蒸気 (濃度不明) に1.5-3ヶ月間、吸入ばく露された作業者7名に吐き気と嘔吐を伴う頭痛、うち4名には加えて血圧上昇、腎機能障害、血中カルシウム濃度異常、及び顕著な振戦が認められた (ACGIH (7th, 2001)、DFGOT vol. 14 (2000)、PATTY (6th, 2012)) との記述がある。 実験動物ではラット及びマウスに本物質を28日間混餌投与した試験において、区分2に相当する用量 (マウス:50-60 mg/kg/日 (15.5-18.7 mg/kg/日 (90日換算)、ラット:242-256 mg/kg/日 (75.3-79.6 mg/kg/日 (90日換算)) で、鼻腔の組織変化 (呼吸上皮の過形成、扁平上皮化生) が両種に、肝臓相対重量の増加及び骨髄の低形成がラットに認められ、区分外の高用量では貧血傾向所見 (赤血球数、ヘモグロビン濃度の減少)、肝機能異常 (血清AST、ALTの上昇)、中枢神経症状 (嗜眠、不動、振戦、痙攣) がみられている (NITE初期リスク評価書 (2007)、SIDS (2005)、ATSDR (2008)) ことから、区分2の用量範囲で認められた肝臓相対重量及び骨髄の低形成は毒性学的意義のある所見と考え、「肝臓」及び「血液系」を標的臓器に加えることとした。 以上より、ヒト (混合物) 及び実験動物 (本物質: p-異性体) での知見に基づき、区分 1 (中枢神経系、心血管系、腎臓)、区分2 (呼吸器、血液系、肝臓) に分類した。なお、旧分類は実験動物のみの知見から分類されたが、今回は他の異性体、クレゾール混合物に対する分類との整合性も勘案し、分類結果を見直した。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分2 |
- |
H401 |
P273
P501 |
甲殻類(オオミジンコ)の48時間LC50 = 1.4 mg/L (NITE 初期リスク評価書, 2007)であることから、区分2とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分3 |
- |
H412 |
P273
P501 |
急速分解性があり(BODによる分解度=80-95%(SIDS, 2003))、甲殻類(オオミジンコ)の21日間NOEC = 0.52 mg/L(環境庁生態影響試験, 1997、環境省リスク評価第5巻, 2006、NITE 初期リスク評価書, 2007)であることから、区分3とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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