GHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 109-89-7
名称 ジエチルアミン  (再分類)
物質ID H26-B-042, -
分類実施年度 平成26年度
分類実施者 厚生労働省/環境省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 平成18年度  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版)
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
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厚生労働省モデルSDS(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
3 エアゾール 分類対象外
-
-
- - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
6 引火性液体 区分2


危険
H225 P303+P361+P353
P370+P378
P403+P235
P210
P233
P240
P241
P242
P243
P280
P501
引火点-28℃ (closed cup)、沸点55.5℃ (ICSC (2008) に基づいて区分2とした。
なお、国連分類はUN1154、クラス3、副次8、PGIIである。
7 可燃性固体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
8 自己反応性化学品 分類対象外
-
-
- - 爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 区分外
-
-
- - 発火点が312℃ (ICSC (2008)) であり、常温で発火しないと考えられる。
10 自然発火性固体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外
-
-
- - 金属及び半金属 (B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At) を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外
-
-
- - 酸素、フッ素及び塩素を含まない有機化合物である。
14 酸化性固体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分3


危険
H301 P301+P310
P361+P364
P264
P270
P321
P330
P405
P501
ラットのLD50値として、108 mg/kg (ACGIH (7th、2013))、540 mg/kg (PATTY (6th, 2012)、産衛学会許容濃度の提案理由書 (1989)) との2件の報告がある。区分3と区分4とに1件づつ該当するので、LD50値の最小値が該当する区分3とした。
1 急性毒性(経皮) 区分3


危険
H311 P302+P352
P280
P312
P321
P361
P364
P405
P501
ウサギのLD50値として、580 mg/kg (PATTY (6th, 2012))、820 mg/kg (ACGIH (7th、2013))、0.82 mL/kg (産衛学会許容濃度の提案理由書 (1989))、580-820 mg/kg (NTP TR 566 (2011)) との報告に基づき、区分3とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分4


警告
H332 P304+P340
P261
P271
P312
ラットのLC50値 (4時間) として、4,000 ppm との報告 (PATTY (6th, 2012)、NTP TR 566 (2011)、産衛学会許容濃度の提案理由書 (1989)) に基づき、区分4とした。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分1


危険
H314 P301+P330+P331
P303+P361+P353
P305+P351+P338
P304+P340
P260
P264
P280
P310
P321
P363
P405
P501
ウサギを用いた試験において腐食性を示したとの報告が多数ある (ACGIH (7th, 2013)、IUCLID (2000))。また本物質は刺激性が強く、接触によりその部位の皮膚が損傷される (産衛学会許容濃度の提案理由書 (1989)) との記載がある。以上より区分1とした。なお、本物質はACGIHで「Skin」、EU DSD 分類において「C:R35」、EU CLP分類において「H314 Skin Corr. 1A」に分類されている。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1


危険
H318 P305+P351+P338
P280
P310
ウサギを用いた試験において腐食性がみられたとの記載がある (ACGIH (7th, 2013))。ヒトの接触事故で強度の眼傷害がみられたとの報告 (ACGIH (7th, 2013)) や、接触により粘膜が損傷する (産衛学会許容濃度の提案理由書 (1989)) との記載がある。また、本物質は本分類の皮膚刺激性/腐食性において区分1とされている。以上より、区分1とした。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。なお、マウス耳介腫脹試験において感作性なしとの報告がある (IUCLID (2000)、ACGIH (7th, 2013)) が、試験条件等の詳細不明であるため分類に用いるには不十分なデータと判断した。
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - ガイダンスの改訂により「区分外」が選択できなくなったため、「分類できない」とした。すなわち、in vivoでは、ラットの優性致死試験、ラット及びマウスの小核試験、ラット腎臓の不定期DNA合成試験でいずれも陰性である (ACGIH (2001)、NTP DB (Access on July 2014)、NTP TR566 (2011)、IUCLID (2000))。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性である (NTP DB (Access on July 2014)、NTP TR566 (2011)、ACGIH (2001)、IUCLID (2000))。以上より、in vitroでは染色体異常試験、遺伝子突然変異試験のデータはないが、in vivo試験で陰性のためin vivoでの変異原性はないと判断した。なお、ジエチルアミンは亜硝酸とともに投与した場合、変異原性を示すとの情報がある (DFGOT vol. 1 (1991))。
6 発がん性 分類できない
-
-
- - ACGIH (7th, 1994) でA4に分類していることより、「分類できない」とした。
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1 (呼吸器)


危険
H370 P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
本物質は、腐食性、気道刺激性による局所影響が主体である (産衛学会許容濃度の提案理由書 (1989)、PATTY (6th, 2012)、SIAP (2013)、HSDB (Access on June 2014))。ヒトにおいては、蒸気の吸入ばく露により、喘鳴、呼吸困難、上気道の傷害、肺水腫、肺炎を起こすとの報告がある。本物質の噴出事故で顔にばく露した事故例では、強い肺の刺激性がみられ、重度の呼吸困難、肺炎を併発した。経口ばく露では、食道の火傷、喘鳴、流涎、嘔吐を引き起こす場合がある (ACGIH (7th, 2013)、HSDB (Access on June 2014))。
実験動物のデータは少ないが、ヒトと同様、気道刺激性があり、マウスで呼吸率の低下の報告がある (ACGIH (7th, 2013))。旧分類で記載の脂肪肝変性については、List 3のRTECSからの情報であるため、採用しなかった。
以上より、気道刺激性が主な影響であるが、肺の傷害もみられるため、区分1 (呼吸器) とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1 (呼吸器)


危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
ヒトでの反復ばく露による有害性の知見はない。
実験動物では、ラット及びマウスに本物質の蒸気を17日間、14週間又は105週間、吸入ばく露したNTP試験において、区分1該当濃度 (31-1,255 ppm (ガイダンス値換算: 0.071-0.188 mg/L/6 hr)) から、呼吸器の傷害 (鼻腔呼吸上皮の炎症、過形成、扁平上皮化生、嗅上皮の萎縮、鼻甲介の炎症、壊死) が認められた (NTP TR566 (2011)、ACGIH (7th, 2013))。なお、NTP試験のうち、ラット及びマウスの14週間吸入ばく露試験では区分1該当濃度 (32 ppm: 0.096 mg/L/6 hr) で精子の運動性低下がみられ、マウスでは加えて区分2該当濃度 (125 ppm: 0.375 mg/L/6 hr) で性周期の延長がみられたが、精子数に変化はなく、雌雄の生殖器官に組織学的に異常は認められていない。また、ACGIHにはウサギに本物質蒸気を6週間吸入ばく露した試験では、区分1相当濃度 (50-100 ppm: 0.080-0.16 mg/L/6 hr (ガイダンス値換算)) で、呼吸器以外に肝実質細胞の変性、腎炎がみられた (ACGIH (7th, 2013)) との記述があり、肝臓、腎臓が標的臓器とも考えられるが、この原著は古く (1951年)、以後に行われたラット、マウスの試験では肝臓、腎臓への影響を懸念する所見は全くみられておらず、ウサギにおける肝臓、腎臓の組織変化は分類に利用するには適切性を欠く所見と判断した。以上より、区分1 (呼吸器) とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) -
-
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- - -
11 水生環境有害性(長期間) -
-
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- - -
12 オゾン層への有害性 -
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分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
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