GHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 62-75-9
名称 N,N-ジメチルニトロソアミン (再分類)
物質ID H26-B-050, -
分類実施年度 平成26年度
分類実施者 厚生労働省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 平成18年度  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版)
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 区分外
-
-
- - 爆発性に関連する原子団 (ニトロソ基) を有するが、酸素収支は-216で、判定基準の-200よりも低く区分外とした。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
3 エアゾール 分類対象外
-
-
- - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
6 引火性液体 区分4
-
警告
H227 P370+P378
P403+P235
P210
P280
P501
引火点61℃ (測定方法不明) (ICSC (2001)) に基づき、測定法は記載されていないが、ICSCでは通常密閉式のデータを採用している。区分4とした。
7 可燃性固体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
8 自己反応性化学品 分類できない
-
-
- - 爆発性に関連する原子団 (ニトロソ基) を有するが、データがなく分類できない。
9 自然発火性液体 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。
10 自然発火性固体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外
-
-
- - 金属及び半金属 (B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At) を含んでいない。
13 酸化性液体 分類できない
-
-
- - フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であり、この酸素が炭素、水素以外の元素 (N) と結合しているが、データがなく分類できない。
14 酸化性固体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分2


危険
H300 P301+P310
P361+P364
P264
P270
P321
P330
P405
P501
ラットのLD50値として、27-41 mg/kg (ACGIH (7th, 2001))、23 mg/kg (妊娠雌)、40 mg/kg (ATSDR (1989))、23-40 mg/kg (CEPA (2001)、CICAD 38 (2002))、26 mg/kg、37 mg/kg (環境省リスク評価第10巻 (2012)) との報告に基づき、区分2とした。
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分1


危険
H330 P304+P340
P403+P233
P260
P271
P284
P310
P320
P405
P501
ラットのLC50値 (4時間) として、78 ppm (240 mg/m3) との報告 (環境省リスク評価第10巻 (2012)、CICAD 38 (2002)、ACGIH (7th, 2001)、CEPA (2001)) に基づき、区分1とした。なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度 (3,554 ppm) の90%より低いため、ミストを含まないものとしてppmを単位とする基準値を適用した。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2


警告
H315 P302+P352
P332+P313
P362+P364
P264
P280
P321
本物質は皮膚に対して刺激性を持つ (環境省リスク評価第10巻 (2012)、HSDB (Access on July 2014)) との記載から区分2とした。List 3の情報の削除及び新たな情報の追加により区分を変更した。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2


警告
H319 P305+P351+P338
P337+P313
P264
P280
本物質は眼に対して刺激性を持つ (環境省リスク評価第10巻 (2012)、HSDB (Access on July 2014)) との記載から区分2とした。細区分に足る情報が得られなかったことから、区分を変更した。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。  
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
5 生殖細胞変異原性 区分1B


危険
H340 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
In vivoでは、マウス生殖細胞の小核試験、マウスの骨髄細胞及び肝細胞の小核試験、ハムスター胎児線維芽細胞の染色体異常試験及び小核試験、マウスの姉妹染色分体交換試験、マウスの遺伝子突然変異試験、マウス、ラットの不定期DNA合成試験、DNA切断試験、DNAメチル化試験でいずれも陽性 (環境省リスク評価第10巻 (2012)、ATSDR (1989)、CICAD (2002))、マウス、ラットの優性致死試験では陰性である (環境省リスク評価第10巻 (2012))。また、ヒトの肝臓DNAでアルキル化が認められている (ATSDR (1989))。in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の遺伝子突然変異試験、染色体異常試験、ヒトの培養細胞及び哺乳類培養細胞を用いる姉妹染色分体交換試験でいずれも陽性である。以上より、区分1Bとした。
6 発がん性 区分1B


危険
H350 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
IARCで2A (IARC Evaluations (IARC, Access on September 2014))、ACGIHでA3 (ACGIH (7th, 2001))、EPAでB2 (IRIS (1991))、NTPでR (NTP (2011))、EUでCarc. Cat. 2 (EU (Access on September 2014)) に分類されている。この分類から、ACGIHは2、それ以外の分類はすべて1Bに相当する。以上より、ガイダンスに従いIARCの分類等を優先し区分1Bとした。
7 生殖毒性 区分2


警告
H361 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
マウスを用いた経口経路 (飲水) での生殖発生毒性試験において、0.02 mg/kg/dayの用量で受胎に要した平均日数の増加、死産の胎児と2 日以内に死亡した新生児を合わせた児の死亡率の増加、離乳時の性比で雄の割合の増加 (2倍) が報告されている。母動物に関する情報はない (環境省リスク評価第10巻 (2012)、CICAD 38 (2002)、ATSDR (1989))。妊娠ラットを用いた経口経路 (混餌) での発生毒性試験において5 mg/kg/dayの用量で胎児死亡、胎児の肝臓の病変 (門脈周囲、肝静脈周囲のプラズマ細胞や好酸球、マクロファージ、好中球、リンパ球が集積) が報告されている (環境省リスク評価第10巻 (2012)、CICAD 38 (2002))。なお、CICAD 38 (2002) では、「これらの試験で催奇形性は報告されていないが、実験計画や実験結果に関する情報が不十分で、対照群が不足しており、母体毒性データが足りないため、調査報告の解釈は困難である」としている。したがって、区分2とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1 (肝臓)、区分3 (気道刺激性)



危険
警告
H370
H335
P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
ヒトにおいては、複数の報告があり、気道を刺激し、肝臓に影響を及ぼす。本物質の吸入ばく露で、咽頭痛、咳、吐き気、下痢、嘔吐、頭痛、脱力感、黄疸、腹水、肝機能障害、肝腫大、脾腫大、腹部膨隆、経口摂取では、悪心、嘔吐、急性肝疾患、出血、低血小板数、胃痙攣、胃腸管の出血、肝障害、脳出血が報告されている (環境省リスク評価第10巻 (2012)、ACGIH (7th, 2001)、ATSDR (1989)、CEPA (2001)、CICAD 38 (2002)、PATTY (6th, 2012))。
実験動物では、肝毒性が最も重要な影響である。吸入ばく露では、ラット、マウスに肝臓の出血性壊死が報告されている (ACGIH (7th, 2001)、ATSDR (1989)、CEPA (2001)、CICAD 38 (2002))。経口投与では、肝毒性があり、ラットの 20及び8 mg/kgで腹水や黄疸を伴い24時間以内に出血を伴う肝細胞中心性壊死、出血性腹水、マウス、モルモットでは20-40 mg/kgで重篤な肝臓壊死が報告されている (ACGIH (7th, 2001)、ATSDR (1989)、CEPA (2001)、PATTY (6th, 2012))。また、経路は不明ながら、短時間ばく露で精巣精上皮壊死の報告がある (CICAD 38 (2002)、CEPA (2001))。実験動物の肝臓への影響は、区分1に相当するガイダンス値の範囲であった。精巣精上皮壊死については、詳細不明のため区分の対象とはしなかった。
以上より、区分1 (肝臓)、区分3 (気道刺激性) とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1 (肝臓)


危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
ヒトで本物質の過剰摂取により、複数の死亡例が生じ、2例は急性中毒死であったが、少なくとも1例は2年にわたって4回以上経口摂取後に死亡した症例であり、全例とも肝不全をきたし、肝硬変を生じた症例もみられた (ACGIH (7th, 2001)、CICAD 38 (2002)、環境省リスク評価第10巻 (2012)) との記述があり、肝臓がヒトの主要標的臓器であると考えられた。
実験動物でも、1 mg/kg/dayを30日間強制経口投与したラット、モルモット、サル、ネコで肝実質細胞の小葉中心性壊死が認められた。また、ラットに12週間混餌投与した試験で区分1の用量 (約3.8 mg/kg/day) で肝細胞の広範な壊死がみられ、ラットの長期投与試験 (96週間混餌、及び生涯飲水投与) では、1 mg/kg/day未満の極低用量で肝臓に結節性過形成を生じたと報告されている (CICAD 38 (2002)、環境省リスク評価第10巻 (2012))。
以上より、区分1 (肝臓) に分類した。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) -
-
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- - -
11 水生環境有害性(長期間) -
-
-
- - -
12 オゾン層への有害性 -
-
-
- - -


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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