項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 7446-08-4 |
名称 | 二酸化セレン (再分類) |
物質ID | H26-B-055, - |
分類実施年度 | 平成26年度 |
分類実施者 | 厚生労働省 |
新規/再分類 | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 平成18年度 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 区分外 |
- |
- | - | 不燃性 (ICSC (2000)) |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性及び自己反応性に関する原子団を含まない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 |
- |
- | - | 不燃性 (ICSC (2000)) |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 |
- |
- | - | 不燃性 (ICSC (2000)) |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分外 |
- |
- | - | 水溶解度 40 g/100 mL (20℃) (ICSC (2000)) というデータが得られており、水と激しく反応することはないとみられる。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類できない |
- |
- | - | ハロゲンを含まず、酸素を含む無機化合物であるが、データがなく分類できない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 無機化合物 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
- |
- | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分3 |
危険 |
H301 | P301+P310 P361+P364 P264 P270 P321 P330 P405 P501 |
ラットのLD50値として、48 mg Se/kg (SeO2換算値:67.5 mg/kg) との報告 (ATSDR (2003)) に基づき、区分3とした。セレンとしてのLD50値を本物質に換算し、区分を見直した。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 分類できない |
- |
- | - | 本物質は皮膚との接触により刺激性を示すとの記載がある (HSDB (Access on July 2014))。また、職業ばく露により皮膚に刺激性がみられたとの報告がある (EHC 58 (1986))。一方、本物質 (粉末状) は皮膚に傷害を与えないが、水又は汗との反応で生成した亜セレン酸が刺激性をもつとの記載がある (EHC 58 (1986)) が代謝物の情報は区分に用いないこととした。以上のことから、分類できないとした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2 |
警告 |
H319 | P305+P351+P338 P337+P313 P264 P280 |
職業ばく露で、本物質による眼刺激性が報告されている (EHC 58 (1986)、PATTY (6th, 2012))。以上の結果から区分2とした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。なお、職業ばく露において本物質のばく露によりアレルギー性の発疹がみられたとの報告がある (EHC 58 (1986)) が、詳細不明であるため分類に用いるには不十分なデータと判断した。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。In vivoデータはなく、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験及びヒト白血球の染色体異常試験で陽性である (ATSDR (2003)、NITE初期リスク評価書 (2008))。 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - | セレン及びその化合物としてIARC (suppl 7, 1987) でグループ 3、EPA (1991) でDに分類されていることから分類できないとした。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1 (中枢神経系、呼吸器、心臓、血液系、腎臓) |
危険 |
H370 | P308+P311 P260 P264 P270 P321 P405 P501 |
本物質は刺激性がある (ATSDR (2003))。ヒトにおいては、吸入ばく露により、悪寒、発熱、頭痛、鼻の灼熱感、めまい、呼吸困難、気管支痙攣、窒息、持続性気管支炎、肺炎、血圧低下及び心拍数上昇を含むショック症状、急性肺水腫、口腔・食道・胃粘膜の傷害、吐き気、嘔吐、胃痛、吐血、経口摂取では、吐血、低血圧、毒性心筋症、肺水腫、発作、昏睡の報告、摂取による自殺例では、剖検で肺、腎臓のうっ血、心臓のびまん性腫脹、脳浮腫が認められた。その自殺例の最も特徴的な所見は皮膚及び内臓全体の橙褐色の変色であり、本物質による溶血や色素沈着によるものと考えられている (ATSDR (2003)、PATTY (6th, 2012)、NITE初期リスク評価書 (2008)、HSDB (Access on August 2014))。 なお、セレンの急性影響として、運動失調、呼吸困難、その他神経症状、また、グラム単位の摂取では、重症の胃腸障害、神経障害、呼吸不全症候群、心筋梗塞、腎不全が報告されている (NITE初期リスク評価書 (2008)、ATSDR (2003))。動物実験で、セレン元素及びセレン化合物による急性吸入ばく露による一次傷害部位は呼吸器である (ATSDR (2003)) との記載がある。 以上より本物質は、ヒトに対し中枢神経系、呼吸器、心臓、血液系、腎臓への影響が考えられ、区分1 (中枢神経系、呼吸器、心臓、血液系、腎臓) とした。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1 (神経系、呼吸器)、区分2 (肝臓) |
危険 警告 |
H372 H373 |
P260 P264 P270 P314 P501 |
二酸化セレンの吸入により、職業ばく露を受けた作業者62名中、半数以上が不眠、食欲不振又は吐き気を、26名が頭痛を、3名が痙攣様疼痛を訴えた。診断の結果、9名に粘膜刺激、結膜炎及び気管支炎がみられた (EHC 58 (1986)、ATSDR (2003)、NITE初期リスク評価書 (2008))。また、金属セレンと本物質の混合エアロゾルに長期間ばく露された作業者に鼻炎、鼻出血、頭痛、体重減少、興奮、四肢の疼痛がみられたとの報告がある (EHC 58 (1986))。 一方、実験動物での本物質反復投与による毒性情報はない。 以上より、ヒトの吸入による職業ばく露でみられた所見より、神経系、呼吸器、消化管が標的臓器と考えられるが、消化器症状は呼吸器等への刺激性による不定愁訴の可能性も考えられ、本物質ばく露による特異的な標的臓器とするには客観的な証拠が乏しいと考えた。さらに、冒頭の二酸化セレンの職業ばく露の報告において、血中セレン濃度との相関はないが、一部の症例に肝機能障害がみられたと記述されている (EHC 58 (1986))。本物質を実験動物にばく露した試験結果がなく、「肝臓」を標的臓器とする根拠は乏しいが、本物質も体内に取込まれた後は他のセレン化合物と同様の挙動を示すものと推定され、他のセレン化合物との分類結果との整合性も考慮して、「肝臓」も標的臓器 (実験動物での根拠データを欠くため、区分を「2」とした) に追加した。よって、区分1 (神経系、呼吸器)、区分2 (肝臓) に分類した。なお、旧分類ではList外の情報源より「腎臓」を標的臓器としたが、List 1の情報源からの今回調査対象とした複数のセレン化合物の分類において、腎臓を共通性のある標的臓器とみなす根拠はないと判断したため、「腎臓」を標的臓器から削除した。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | - |
- |
- | - | - |
11 | 水生環境有害性(長期間) | - |
- |
- | - | - |
12 | オゾン層への有害性 | - |
- |
- | - | - |
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