GHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 7446-07-3
名称 二酸化テルル (再分類)
物質ID H26-B-070, -
分類実施年度 平成26年度
分類実施者 厚生労働省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 平成18年度  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版)
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外
-
-
- - 爆発性に関する原子団を含まない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外
-
-
- - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 区分外
-
-
- - テルル (Te) を空気中で燃焼させて得られ、また天然に鉱石 (テルル華) としてとして存在する (化学辞典,1994)、安定な酸化物であることから、不燃性と判断できる。
8 自己反応性化学品 分類対象外
-
-
- - 爆発性及び自己反応性に関する原子団を含まない。
9 自然発火性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 区分外
-
-
- - テルル (Te) を空気中で燃焼させて得られ、また天然に鉱石 (テルル華) としてとして存在する (化学辞典,1994)、安定な酸化物であることから、不燃性と判断できる。
11 自己発熱性化学品 区分外
-
-
- - テルル (Te) を空気中で燃焼させて得られ、また天然に鉱石 (テルル華) としてとして存在する (化学辞典,1994)、安定な酸化物であることから、不燃性と判断できる。
12 水反応可燃性化学品 区分外
-
-
- - 水に不溶 (20℃) (GESTIS (Access on August 2014)) との結果があり、水と激しく反応することはないとみられる。
13 酸化性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 分類できない
-
-
- - ハロゲンを含まず、酸素を含む無機化合物であるが、データがなく分類できない。
15 有機過酸化物 分類対象外
-
-
- - 無機化合物
16 金属腐食性物質 分類できない
-
-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分外
-
-
- - ラットのLD50値として、> 5,000 mg/kg との報告 (DFGOT vol. 22 (2006)) に基づき、区分外とした。
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
6 発がん性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
7 生殖毒性 区分1B


危険
H360 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
経口、吸入、経皮ばく露による情報は得られなかった。
しかし、ラットを用いた皮下注射での催奇形性試験において、母動物毒性がみられない用量 (13 mg/kg/day) において、全ての胎児に水頭症及び水腫がみられ、母動物毒性 (体重増加抑制) がみられる用量 (65 mg/kg/day) において、胎児への影響 (死亡、体重減少、停留精巣、水頭症、水腫、眼球突出、眼球出血、臍ヘルニア) がみられたとの報告がある (DFGOT vol. 22 (2006))。
以上のように、母動物毒性がみられない用量において奇形がみられていることから、区分1Bとした。新たにList 1の情報源からデータが得られたため区分を変更した。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない
-
-
- - 本物質のデータはない。なお、ヒトの事例では、2 gの亜テルル酸ナトリウムの尿管カテーテルによる尿路からのばく露で、嘔吐、呼吸困難、チアノーゼ、意識喪失、昏迷、腎臓の痛みがみられ、6時間後に死亡した。剖検の結果、肝臓の脂肪変性と浮腫が認められたとの報告がある (ACGIH (7th, 2001)) のみである。
実験動物 (種、用量等不明) では、テルルの急性毒性の特徴は肺炎、溶血性貧血であり、経口あるいは非経口の毒性所見としては振戦、反射低下、麻痺、痙攣、傾眠、昏睡、死亡がみられている。また、血尿が全ての個体で急速に出現した。水素化テルルでは、肺の刺激、血管内溶血を生じたとの報告がある (ACGIH (7th, 2001))。
しかし、亜テルル酸ナトリウム、テルル、水素化テルルと本物質は物性的 (特に、溶解性) に大きく異なるため、これらのデータを区分対象とすることは困難であり、参考情報とした。以上より、分類できないとした。




9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分2 (中枢神経系、呼吸器)


警告
H373 P260
P314
P501
鉄精錬工場でテルルのヒューム (金属テルルと二酸化テルル) に22ヶ月間吸入ばく露された作業者 (この間のばく露濃度は、57測定時点の90%が0.1mg/m3未満、5時点で0.1-0.29 mg/m3、1時点のみ0.74 mg/m3であった) のうち、多数例の呼気及び汗がニンニク臭を呈し、口渇、疲労感を訴える者もいた。62例中2例が悪心をきたしたが、この2例は特にテルルの発生源近傍にいたとされている (DFGOT vol. 22 (2006)、ACGIH (7th, 2001))。この報告以外に本物質ばく露によるヒトでの有害性知見はないが、金属テルルの反復ばく露により、嗜眠、食欲不振、悪心を生じたとの記述、また、英国では、恐らく金属テルルへの吸入ばく露により肺水腫を生じた症例が数件みられた (DFGOT vol. 22 (2006)) との記述がある。
実験動物では、ラットに金属テルル又は二酸化テルル (10-100 mg/m3 (ヒュームと推定)) に13-15週間吸入ばく露 (2時間/日) した試験で、嗜眠、呼吸器刺激、血液影響 (赤血球数及びヘモグロビン濃度の減少)、呼気及び臓器浸出液のニンニク臭が区分1-2の濃度 (ガイダンス値換算: 0.0033-0.033 mg/L/6 時間) で認められた (DFGOT vol. 22 (2006)) との記述がある。
一方、ラットに本物質を150 mg/kg/day相当以下の用量で128日間混餌投与した試験で、用量依存的な体重増加抑制、呼気等のニンニク臭、後肢の麻痺、浮腫などがみられ、高用量 (区分外相当と考えられる) では死亡例が生じ、死亡例では肝臓、腎尿細管に壊死性変化がみられた (DFGOT vol. 22 (2006)) との記述があるが、本試験結果からは区分2までの用量では標的臓器を特定できない。
以上のように、ヒトでは標的臓器は明確ではないが、本物質、又は金属テルルへのばく露事例から、中枢神経系及び呼吸器が標的臓器である可能性が考えられた。また、ラットの反復吸入ばく露試験でも、中枢神経症状及び呼吸器刺激がみられた。ただし、区分1と分類するにはヒト、実験動物ともに十分に証拠づけられているとは言いがたく、区分2 (中枢神経系、呼吸器) に分類した。なお、旧分類はList外の情報源からの分類結果であり、今回はList 1の情報源から分類したため、結果が変わった。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) -
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- - -
11 水生環境有害性(長期間) -
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12 オゾン層への有害性 -
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分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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