GHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 7775-27-1
名称 ペルオキシ二硫酸二ナトリウム/ペルオキソ二硫酸ナトリウム (再分類)
物質ID H26-B-089, R-037
分類実施年度 平成26年度
分類実施者 厚生労働省/環境省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 平成18年度  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版)
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 区分外
-
-
- - 爆発性に関わる原子団 (隣接した酸素原子) を含むが、国連番号1505、クラス5.1、PGⅢに分類されており区分外とした。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外
-
-
- - エアゾール製品ではない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 区分外
-
-
- - 不燃性 (ICSC (2002)) である。
8 自己反応性化学品 分類対象外
-
-
- - 酸化性固体に分類されている。
9 自然発火性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 区分外
-
-
- - 不燃性 (ICSC (2002)) である。
11 自己発熱性化学品 区分外
-
-
- - 不燃性 (ICSC (2002)) である。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外
-
-
- - 金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含まない。
13 酸化性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 区分3


警告
H272 P370+P378
P210
P220
P221
P280
P501
国連番号1505、クラス5.1、PGⅢに分類されている。
15 有機過酸化物 分類対象外
-
-
- - 無機化合物
16 金属腐食性物質 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4


警告
H302 P301+P312
P362+P364
P264
P270
P330
P501
ラットのLD50値として、895 mg/kg (雄)、920 mg/kg (雌)、930 mg/kg (雄) との報告 (SIDS (2006)、NICNAS (2001)) に基づき、区分4とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外
-
-
- - ウサギのLD50値として、> 10,000 mg/kg との報告 (SIDS (2006)、NICNAS (2001)) に基づき、区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分外
-
-
- - ラットのLC50値 (4時間) として、> 5.1 mg/L (SIDS (2006)、NICNAS (2001)、> 21.6 mg/L (NICNAS (2001) との報告に基づき、区分外とした。なお、本物質は固体であり、蒸気圧のデータがないこと、及び試験が粉じんによって行われたとの記載に基づき、粉じんの基準値を用いた。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外
-
-
- - ウサギに本物質を4時間適用した皮膚刺激性試験において、紅斑及び浮腫の平均スコアは0であり刺激性なしと判断されている (SIDS (2006))。また、ウサギを用いた他の試験においても、刺激性なし又はごく軽度の刺激性ありとの結果であった (SIDS (2006)、NICNAS (2001))。以上の結果より、区分外 (国連分類基準の区分3) とした。List3の情報の削除、及びList1の情報の追加をおこない、ガイダンスの改訂に従い区分を変更した。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分外
-
-
- - ウサギを用いた眼刺激性試験において、虹彩炎、角膜炎、結膜炎の平均スコアは全て0であり、刺激性なしと判断されている (SIDS (2006))。また、ウサギを用いた別の試験では、適用48時間後に軽度な結膜炎がみられた (NICNAS (2001)) との記載があるが、この記載の引用元であるIUCLID (2000)では刺激性なしと判断している。以上の結果から、区分外とした。
4 呼吸器感作性 区分1


危険
H334 P304+P340
P342+P311
P261
P284
P501
ヒトにおいて吸入ばく露による喘息症状が誘発されたとの症例報告がある (SIDS (2006)、NICNAS (2001))。SIDS (2006) 及びNICNAS (2001) では本物質を呼吸器感作性陽性と結論づけていることから、区分1とした。
4 皮膚感作性 区分1


警告
H317 P302+P352
P333+P313
P362+P364
P261
P272
P280
P321
P501
モルモットを用いた感作性試験 (OECD TG 406、GLP準拠) が2件ある。1方の試験では、軽度の紅斑のみがみられた (投与群1/20匹、対照群3/20匹) ことから、感作性なしと判断されている (SIDS (2006))。もう一方の試験では、感作誘導後、皮内注射による感作誘発に対しては陽性、表皮適用による感作誘発に対しては陰性の結果が得られた (SIDS (2006)、NICNAS (2001))。ヒトにおいては、パッチテストの結果で感作性なし (SIDS (2006)) との結果と、感作性を示唆する報告 (NICNAS (2001)) の両方がある。これらの報告から、SIDS (2006) 及びNICNAS (2001) では本物質を感作性物質と判断している。
以上の結果から、陰性と陽性の結果両方があるものの、ヒト及び動物で陽性の結果が得られており、各国評価書においても感作性ありと結論されていることから区分1とした。


5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - ガイダンスの改訂により「区分外」が選択できなくなったため、「分類できない」とした。すなわち、in vivoでは、マウスの小核試験、ラットの不定期DNA合成試験で陰性 (IUCLID (2000)、NICNAS (2001))、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の染色体異常試験、ラット肝培養細胞の不定期DNA合成試験で陰性である (SIDS (2006)、IUCLID (2000)、NICNAS (2001))。

6 発がん性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分2 (全身毒性)、区分3 (気道刺激性)



警告
H371
H335
P308+P311
P260
P264
P270
P405
P501
P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
本物質は気道刺激性がある。ヒトでは複数の事例があるが、分類に利用できるデータはない。実験動物では、ラットの吸入ばく露で呼吸困難、呼吸障害、鼻腔からの鼻汁、ラットの経口投与で鼻腔の分泌物、不規則呼吸、鎮静、運動失調、呼吸困難、下痢、筋肉の緊張低下、散瞳が報告されている (SIDS (2006)、ACGIH (7th, 2001)、NICNAS (2001))。なお、ラットの経口投与の知見は、区分2に相当する濃度の範囲でみられた。
これらの所見から、吸入では気道刺激性があると考えられるが、経口では複数の臓器への影響がみられたが特定の臓器は認められなかった。
以上より、区分2 (全身毒性) とし、さらに、区分3 (気道刺激性) とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
-
-
- - ヒトでは本物質反復ばく露による有害性知見はない。実験動物ではラットに90日間混餌投与した試験で、区分2までの用量範囲内 (1,000 ppm: 100 mg/kg/day相当) では毒性所見はみられず、区分2を超える用量 (3,000 ppm: 225 mg/kg/day 相当) においても、刺激性によると考えられる消化管粘膜上皮の変化 (壊死、萎縮) がみられたのみであった (SIDS (2006)、ACGIH (2001)、NICNAS (2001))。よって、経口経路では区分外相当と考えられるが、他の経路での毒性情報がなく、データ不足のため「分類できない」とした。なお、旧分類では経口経路の情報のみで「区分外」に分類された。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-
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- - データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分外
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- - 藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)の72時間ErC50 >1000 mg/L (環境庁生態影響試験, 1999)、甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50 = 133 mg/L (SIDS, 2005)、魚類(メダカ)の96時間LC50 >100 mg/L (環境庁生態影響試験, 1999)であることから、区分外とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分外
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- - 慢性毒性データを用いた場合、無機化合物につき環境中動態が不明でありるが、藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)の72時間NOEC=3.2 mg/L(環境庁生態影響試験, 1999)であることから、区分外となる。
慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、魚類の急性毒性は区分外相当であり、難水溶性ではない(水溶解度=549 g/L (NITE, 2014))ことから、区分外となる。
以上の結果より、区分外とした。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
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- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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