GHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 110-62-3
名称 1-ペンタナール (別名:n-バレルアルデヒド) (再分類)
物質ID H26-B-092, R-040
分類実施年度 平成26年度
分類実施者 厚生労働省/環境省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 平成18年度  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版)
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
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厚生労働省モデルSDS(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
3 エアゾール 分類対象外
-
-
- - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
6 引火性液体 区分2


危険
H225 P303+P361+P353
P370+P378
P403+P235
P210
P233
P240
P241
P242
P243
P280
P501
引火点6℃ (closed cup)、沸点103℃ (GESTIS (Access on September 2014)) に基づいて区分2とした。
なお、国連分類2058、クラス3、PGⅡである。
7 可燃性固体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
8 自己反応性化学品 分類対象外
-
-
- - 爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 区分外
-
-
- - 発火点が222℃ (ICSC (2002)) であり、常温で発火しないと考えられる。
10 自然発火性固体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外
-
-
- - 金属及び半金属 (B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At) を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外
-
-
- - フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
14 酸化性固体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分外
-
-
- - ラットのLD50値として、3,000-6,400 mg/kg (JECFA FAS 40 (1998))、4,590 mg/kg (PATTY (6th, 2012)、環境省リスク評価第8巻:暫定的有害性評価シート (2010)、SIDS (2006)、ACGIH (7th, 2001)) との報告に基づき、区分外 (国連分類基準の区分5) とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外
-
-
- - ウサギのLD50値として、4,860 mg/kg との報告 (PATTY (6th, 2012)、SIDS (2006)、ACGIH (7th, 2001)) に基づき、区分外 (国連分類基準の区分5) とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分4


警告
H332 P304+P340
P261
P271
P312
ラットの4時間ばく露試験の結果、4,000 ppm で3/6例の死亡との報告 (PATTY (6th, 2012)、SIDS (2006)、ACGIH (7th, 2001)) 及びラットのLC50値 (4時間) として、4,000 ppm との報告 (環境省リスク評価第8巻:暫定的有害性評価シート (2010)) に基づき、区分4とした。なお、毒性値が飽和蒸気圧濃度 (33,564 ppm) の90%より低いため、ミストを含まないものとしてppmを単位とする基準値を適用した。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分1


危険
H314 P301+P330+P331
P303+P361+P353
P305+P351+P338
P304+P340
P260
P264
P280
P310
P321
P363
P405
P501
モルモットに本物質の原液0.5 mLを4時間適用した結果、壊死がみられたとの報告があり (SIDS (2006))、SIDSでは腐食性ありと結論されている。また、モルモットの皮膚に対して重度の刺激性を示したとの報告がある (ACGIH (7th, 2001)、PATTY (6th, 2012))。以上、腐食性の報告があることから区分1とした。SIDS (2006) の情報を追加し区分を変更した。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1


危険
H318 P305+P351+P338
P280
P310
ウサギの眼に本物質の原液 0.02 mL を適用した結果、重度の角膜壊死がみられたとの報告がある (SIDS (2006))。また、ウサギの眼に対して重度の刺激性を示すとの記載がある (ACGIH (7th, 2001)、PATTY (6th, 2012))。また、本物質は皮膚腐食性/刺激性の分類で区分1に分類されている。以上の結果から区分1とした。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - 本物質についてのin vivoのデータはない。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、ヒト培養リンパ球の姉妹染色分体交換試験で陰性、哺乳類培養細胞の遺伝子突然変異試験で陽性である(SIDS (2006)、NTP DB (Access on October 2014))。以上より、「分類できない」とした。なお、本物質の代謝物である吉草酸のマウスを用いる小核試験は陰性である (SIDS (2006))。
6 発がん性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3 (気道刺激性、麻酔作用)


警告
H335
H336
P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
P405
P501
本物質は気道刺激性がある (環境省リスク評価第8巻:暫定的有害性評価シート (2010)、SIDS (2006)、ACGIH (7th, 2001)、PATTY (6th, 2012))。ヒトにおいては、経口摂取で吐き気、嘔吐、下痢、吸入で咳、咽頭痛が報告されている (環境省リスク評価第8巻:暫定的有害性評価シート (2010)、ACGIH (7th, 2001)、HSDB (Access on September 2014))。
実験動物では、ラットの吸入、経口ばく露で麻酔作用、マウスの吸入ばく露で気道刺激性、呼吸数減少がみられている (SIDS (2006)、ACGIH (7th, 2001)、PATTY (6th, 2012))。
以上より、区分3 (気道刺激性、麻酔作用) とした。

9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
-
-
- - ラットに本物質を90日間強制経口投与した試験で、100 mg/kg/day (雄: 区分2上限)、又は300 mg/kg/day (雌) 以上の用量で、前胃に扁平上皮のびまん性過形成がみられた以外に有害性影響はみられなかった (内閣府食品安全委員会: 食品影響評価 (2008)、環境省リスク評価第8巻:暫定有害性評価シート (2010))。したがって、経口経路では区分外に該当するが、他の経路における有害性情報がなく、データ不足のため「分類できない」とした。なお、本物質は香料としての食品への使用に関しては安全性に問題はないと結論されている (内閣府食品安全委員会: 食品影響評価 (2008)、JECFA FAS40 (1997))。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分3
-
-
H402 P273
P501
魚類(メダカ)の96時間LC50 = 13 mg/L (環境庁生態影響試験, 1998)であることから、区分3とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分外
-
-
- - 慢性毒性データを用いた場合、急速分解性がある(OECD TG 301Dによる試験で28日間のBODによる分解度:64.1%(SIDS, 2005)が、甲殻類(オオミジンコ)の21日間NOEC=2.5 mg/L (環境庁生態影響試験, 1998)であることから、区分外となる。
慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、魚類(メダカ)の96時間LC50 = 13 mg/L (環境庁生態影響試験, 1998)であるものの、急速分解性があり(OECD TG 301Dによる試験で28日間のBODによる分解度:64.1%(SIDS, 2005)、生物蓄積性が低いと推定される(Log Pow = 1.31、PHYSPROP Database, 2009)ことから、区分外となる。
以上の結果から、区分外とした。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
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