GHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 19624-22-7
名称 ペンタボラン (再分類)
物質ID H26-B-094, -
分類実施年度 平成26年度
分類実施者 厚生労働省/環境省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 平成18年度  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版)
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
3 エアゾール 分類対象外
-
-
- - エアゾール製品ではない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
6 引火性液体 区分3


警告
H226 P303+P361+P353
P370+P378
P403+P235
P210
P233
P240
P241
P242
P243
P280
P501
引火点30℃ (Closed cup) (ICSC (1998)) に基づいて区分3とした。
7 可燃性固体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
8 自己反応性化学品 分類対象外
-
-
- - 爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 区分1


危険
H250 P302+P334
P370+P378
P210
P222
P280
P422
国連分類UN1380、クラス4.2、副次6.1、PGⅠである。
10 自然発火性固体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
11 自己発熱性化学品 分類対象外
-
-
- - 自然発火性液体に分類されている。
12 水反応可燃性化学品 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。
13 酸化性液体 分類対象外
-
-
- - 酸素、フッ素及び塩素を含まない有機化合物である。
14 酸化性固体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分1


危険
H330 P304+P340
P403+P233
P260
P271
P284
P310
P320
P405
P501
ラットのLC50値 (4時間) として、6 ppm との報告 (ACGIH (7th, 2001)) に基づき、区分1とした。なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度 (225,074 ppm) の90%より低いため、ミストを含まないものとしてppmを単位とする基準値を適用した。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2


警告
H315 P302+P352
P332+P313
P362+P364
P264
P280
P321
動物試験データはないが、皮膚接触により強度の刺激性や火傷を起こすことがある (HSFS (2000)) との記載から、区分2とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1


危険
H318 P305+P351+P338
P280
P310
本物質は眼に対して刺激性を持つとの記載や (HSDB (Access on September 2014))、ヒトに対して蒸気ばく露により壊死性変化、潰瘍および角膜混濁を伴う重篤な角結膜炎を引き起こすとの記載がある (HSDB (Access on September 2014)) 。以上の結果から区分1とした。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
6 発がん性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1 (中枢神経系、肝臓)、区分3 (気道刺激性、麻酔作用)



危険
警告
H370
H335
H336
P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
本物質は気道刺激性がある (ACGIH (7th, 2001)、HSDB (Access on September 2014))。ヒトについては多数の事故・事例の報告がある。低濃度吸入ばく露では、吐き気、眠気、記憶喪失や判断力低下を含む行動変化、視覚障害、高濃度吸入ばく露では、頭痛、めまい、神経興奮、運動失調、筋肉の痛み、振戦、間代性筋痙攣、痙攣、強直性痙攣、協調運動障害、見当識障害、昏睡、不可逆性中枢神経系損傷など中枢神経系への影響が一貫してみられた (ACGIH (7th, 2001)、HSDB (Access on September 2014))。本物質による中毒事故の3症例で、中枢神経症状に加え、肝障害を示唆する血清トランスアミナーゼ (AST、ALT) 活性の上昇がみられたとの記載がある (PATTY (6th, 2012))。
実験動物では、マウスの342 mg/m3の吸入ばく露で、中枢神経系変化が認められた (PATTY (6th, 2012))。
以上より、区分1 (中枢神経系、肝臓)、区分3 (気道刺激性、麻酔作用) とした。
なお、旧分類では肝臓を採用していなかったが、急性ばく露によるヒトの急性毒性所見として記載されていたため今回追記した。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1 (中枢神経系)


危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
ヒトで反復ばく露が明らかな知見はない。実験動物ではラットに 3 ppm (7.74 mg/m3) を4週間吸入ばく露した結果、過剰興奮及び振戦がみられた (ACGIH (7th, 2001)) との記述、並びにラット、ウサギ、イヌ、又はサルに本物質蒸気を 0.2 ppm (0.516 mg/m3) で6ヶ月間吸入した結果、アパシー (無気力、元気喪失)、協調性運動障害、後肢の不動麻痺、筋肉の振るえ等、中枢神経系を介した症状がみられた (PATTY (6th, 2012)、ACGIH (7th, 2001)) との記述がある。いずれの試験でも中枢神経症状の発現は区分1の濃度範囲で生じた。以上より、区分1 (中枢神経系) とした。
なお、旧分類ではList外の情報源 (HSFS (2000)) に、ヒトで肝臓への影響がみられたとの記述があり、「肝臓」も標的臓器とされた。List 1 の情報源であるPATTY (6th, 2012) には、本物質にばく露された3症例には肝障害を示唆する血清トランスアミナーゼ (AST、ALT) 活性の上昇がみられたとの記述があるが、これら3症例の肝機能影響は原著 (Yarbrough, B. E. et al. (1985-1986)) で確認した結果、いずれも事故によるペンタボランへの急性ばく露中毒による遅発性の所見であった。よって、本分類では標的臓器から「肝臓」を削除した。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) -
-
-
- - -
11 水生環境有害性(長期間) -
-
-
- - -
12 オゾン層への有害性 -
-
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- - -


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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