GHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 5124-30-1
名称 メチレンビス(4,1-シクロヘキシレン) =ジイソシアネート (再分類)
物質ID H26-B-105, R-048
分類実施年度 平成26年度
分類実施者 厚生労働省/環境省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 平成18年度  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版)
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
3 エアゾール 分類対象外
-
-
- - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
6 引火性液体 区分外
-
-
- - 引火点200℃ (測定方法不明) (SIDS (2007)) に基づいて区分外とした。
7 可燃性固体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
8 自己反応性化学品 分類できない
-
-
- - イソシアネートは広義のシアン酸塩。重合反応を起こしやすいがデータがなく分類できない。
9 自然発火性液体 区分外
-
-
- - 発火点が225℃ (SIDS (2007)) であり、常温で発火しないと考えられる。
10 自然発火性固体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外
-
-
- - 金属及び半金属 (B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At) を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外
-
-
- - フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
14 酸化性固体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分外
-
-
- - ラットのLD50値として、9,900 mg/kg との報告 (環境省リスク評価第10巻 (2012)、SIDS (2007)、ACGIH (7th, 2001)) に基づき、区分外とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外
-
-
- - ウサギのLD50値として、> 10,000 mg/kg との報告 (環境省リスク評価第10巻 (2012)、SIDS (2007)、ACGIH (7th, 2001)) に基づき、区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。分類ガイダンスに従い、旧分類のモルモットのデータは不採用として、区分を見直した。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分2


危険
H330 P304+P340
P403+P233
P260
P271
P284
P310
P320
P405
P501
ラットのLC50値 (4時間) (OECD TG 403) として、0.434 mg/L との報告 (SIDS (2007)) に基づき、区分2とした。なお、試験はエアロゾルで行われたとの記載、及びLC50値が飽和蒸気圧濃度 (0.002 ppm) より高いため、ミストの基準値を適用した。新たな情報源 (SIDS (2007)) を追加し、区分を見直した。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2


警告
H315 P302+P352
P332+P313
P362+P364
P264
P280
P321
ウサギを用いた皮膚刺激性試験 (OECD TG 404) 2件で、浮腫や紅斑がみられ、一次刺激性スコアはそれぞれ4.2及び3.6であったことから中等度の刺激性と判断されている (SIDS (2007))。また、ウサギを用いた皮膚刺激性試験の結果、重度の皮膚刺激性を示したとの報告や、モルモットを用いた皮膚刺激性試験の結果、強度の紅斑と浮腫がみられたとの報告があるが、回復性については記載がない (ACGIH (7th, 2001)) 。以上、テストガイドラインに準拠した試験の結果から区分2とした。SIDS (2007) の情報を追加し、区分を変更した 。なお、本物質はEU DSD分類において「Xi; R38」、EU CLP分類で「Skin Irrit. 2 H315」に分類されている。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2A


警告
H319 P305+P351+P338
P337+P313
P264
P280
ウサギを用いた眼刺激性試験 (OECD TG 405) 2件の報告がある。一方の試験において一次刺激性スコアは3.0 (洗浄群) であり、適用後8日目まで軽度の結膜炎がみられたことから、刺激性ありと判断されている (SIDS (2007)) 。もう一方の試験において、一次刺激性スコアは0.4 (洗浄群) であり、軽度の刺激性がみられたが72時間後には回復している (SIDS (2007))。本物質は眼に対して強度の刺激性を持つとの記載がある (ACGIH (7th, 2001))。以上、テストガイドラインに準拠した試験で適用8日後に症状が完全に回復していないことや、「強度の刺激性」との記載があることから、区分2Aとした。
なお、本物質はEU DSD分類において「Xi; R36」、EU CLP分類において「Eye Irrit. 2」に分類されている。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。なお、モルモットを用いた吸入ばく露試験において本物質が弱い気道感作性をもつ (SIDS (2007)) との記載があるが、確立された評価方法ではないため分類の根拠とするには不十分なデータと判断した。また、本物質のばく露によって気道感作が起こるのは極めてまれであるとの記載がある (環境省リスク評価第10巻 (2012))。本物質はEU DSD分類で「R42」、EU CLP分類で「Resp. Sens. 1 H334」と判断されている。
4 皮膚感作性 区分1


警告
H317 P302+P352
P333+P313
P362+P364
P261
P272
P280
P321
P501
ヒトでのパッチテストで、本物質に対して陽性反応を示した例が複数報告されている (SIDS (2007)、ACGIH (7th, 2001)、環境省リスク評価第10巻 (2012))。また、モルモットを用いた皮膚感作性試験 (OECD TG 406に類似) 2件において、感作性はみられなかったとの報告がある (SIDS (2007)) が、ビューラー法など別の試験では、感作性陽性と判断されている (SIDS (2007)、ACGIH (7th, 2001))。 以上、ヒトと動物で陽性の結果があることから、区分1とした。なお、本物質はEU DSD分類で「R43」、EU CLP分類で「Skin Sens. 1 H317」と判断されている。
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。In vivoデータはなく、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の染色体異常試験で陰性である(環境省リスク評価第10巻 (2012)、SIDS (2007)、HSDB (Access on September 2014))。
6 発がん性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
7 生殖毒性 区分2


警告
H361 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
ラットを用いた吸入経路での簡易生殖毒性試験 (TG 421) において、親動物毒性 (雄で死亡 (1/12例)、雌で切迫屠殺(1/12例)、呼吸器症状、漿液性鼻汁) がみられる用量において受精率の低下がみられたが、発生影響はみられていない (SIDS (2007)、環境省リスク評価第10巻 (2012))。
雌ラットを用いた吸入経路での催奇形性試験 (TG 414) において、母動物毒性 (気道刺激、体重増加抑制) がみられる用量で、胎児に心室中隔欠損、側脳室の軽微な拡張が正常範囲よりもわずかに増加したとの報告がある (SIDS (2007)、環境省リスク評価第10巻 (2012))。
旧分類では情報が得られず分類できないとされていたが、新たな情報が得られ、以上のように親動物毒性がみられる用量で受精率の低下、胎児毒性 (心室中隔欠損、側脳室の軽微な拡張) がみられたことから区分2に分類した。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1 (中枢神経系、呼吸器)


危険
H370 P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
本物質は、ヒト及び実験動物に気道刺激性がある (環境省リスク評価第10巻 (2012)、ACGIH (7th, 2001)、SIDS (2007))。実験動物では、ラットの吸入ばく露 (0.21 mg/L、5時間) で振戦及び痙攣を伴う著しい呼吸器刺激性及び肺の重度のうっ血と水腫 (ACGIH (7th, 2001))、気道への影響として流涎、緩徐呼吸、喘鳴、経口投与で重篤な下痢、食欲不振、衰弱の報告がある (SIDS (2007)、HSDB (Access on September 2014)。以上、中枢神経系への影響、呼吸器への影響は区分1のガイダンス値の範囲の用量で認められた。以上より、区分1 (中枢神経系、呼吸器) とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1 (呼吸器)


危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
ヒトでの反復ばく露による有害性の知見はない。実験動物ではラットに本物質 (蒸気と推定) を4週間吸入ばく露した試験において、区分1該当濃度 (6-36 mg/m3: ガイダンス値換算: 0.0018-0.011 mg/L/6時間) において、呼吸器症状 (鼻汁分泌、努力呼吸、呼吸困難、喘鳴)、肺重量増加、鼻腔から気管支に及ぶ扁平上皮化生、鼻腔及び肺の細気管支-肺胞領域における炎症性変化、肺胞中隔の肥厚など組織変化がみられたが、呼吸器以外の臓器に病理組織所見はみられず、影響は呼吸器に限定的であった (SIDS (2007)、環境省リスク評価第10巻 (2012))。同様に、ラットに本物質を吸入ばく露した簡易生殖毒性試験 (OECD TG 421) においても、親動物の雌雄に呼吸器への刺激症状及び肺重量の増加が区分1に相当する濃度範囲で認められている (SIDS (2007)、環境省リスク評価第10巻 (2012))。
以上より、区分1 (呼吸器) とした。なお、旧分類時以降にSIDS (2007) 等が発行されたため、今回、分類が可能となった。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分外
-
-
- - 本物質は水中での安定性が低く、ゆるやかに分解することが知られている物質である。藻類 (Desmodesmus subspicatus) の72時間ErC50 > 5 mg/L、甲殻類(オオミジンコ)48時間EC50 > 8.3 mg/L、魚類 (ブルーギル) 96時間LC50 > 8.1 mg/L (いずれもSIDS, 2007、環境省リスク評価第10巻, 2012) であり、SIDSによると、急性毒性区分の根拠に記載された試験データはいずれも水溶解度推定値の5倍以上のばく露濃度区を設定した試験において分解物も含めて影響がみられていないという報告から区分外とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分2


-
H411 P273
P391
P501
慢性毒性データを用いた場合、急速分解性でない(28日後のBODによる分解度:0%(既存点検, 2002、SIDS, 2007)が、藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)の72時間NOEC=0.31 mg/L(SIDS, 2007、環境省リスク評価第10巻, 2012)であることから、区分2となる。
慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、甲殻類、魚類ともに急性毒性が区分外相当であり、本物質は速やかに加水分解することから、区分外となる。
以上の結果を比較し、区分2とした。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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