項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 108-46-3 |
名称 | レソルシノール(別名:レゾルシン) (再分類) |
物質ID | H26-B-108, - |
分類実施年度 | 平成26年度 |
分類実施者 | 厚生労働省/環境省 |
新規/再分類 | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 平成21年度 平成18年度 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない |
- |
- | - | データがなく分類できない。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 |
- |
- | - | 発火点が607℃ (ICSC (2003)) であり、常温で発火しないと考えられる。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
- |
- | - | 融点140℃以下の固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 金属及び半金属 (B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At) を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 |
- |
- | - | フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
- |
- | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分4 |
警告 |
H302 |
P301+P312
P362+P364 P264 P270 P330 P501 |
ラットのLD50値として、202 mg/kg、301 mg/kg、370 mg/kg (CICAD 71 (2006))、510 mg/kg (雄/雌) (SIDS (2009))、980 mg/kg (PATTY (6th, 2012)、SIDS (2009)、CICAD 71 (2006)、ACGIH (7th, 2001)、NTP TR 403 (1992))、202-980 mg/kg (DFGOT vol. 20 (2003)) との6件の報告がある。1件が区分3に該当するが、分類ガイダンスに従い、最も多くのデータ (4件) が該当する区分4とした。なお、1件は複数データの集約であるため、データ数に含めなかった。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 |
- |
- | - | ウサギのLD50値として、2,830 mg/kg (SIDS (2009)、CICAD 71 (2006))、3,360 mg/kg (PATTY (6th, 2012)、SIDS (2009)、DFGOT vol.20 (2003)、ACGIH (7th. 2001)、NTP TR 403 (1992)) との報告に基づき、区分外(国連分類基準の区分5) とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分外 |
- |
- | - | ラットのLC50値 (1時間) として、21.3-78 mg/L (4時間換算値:5.3-20 mg/L) との報告 (IUCLID (2000)) に基づき、区分外とした。なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度(0.00289 mg/L) より高いため、ミストの基準値を適用した。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 |
警告 |
H315 |
P302+P352
P332+P313 P362+P364 P264 P280 P321 |
ウサギに本物質2.5%を半閉塞適用した試験 (OECD TG 404、GLP準拠) において、刺激反応は観察されず、刺激性なしと判断されている (SIDS (2009))。 また、ウサギに本物質を24時間適用した皮膚刺激性試験において、皮膚刺激性スコア4.4及び5.4の報告があり、適用14日後に壊死部分の傷跡や瘡蓋がみられたとの報告がある (SIDS (2009)、DFGOT vol.20 (2003)、CICAD 71 (2006))。ヒト268人を対象とした疫学調査の結果、皮膚炎の発生と本物質ばく露との間に直接的関連がみられたとの報告のほか (NTP TR403 (1992)、 ACGIH (7th, 2001))、本物質ばく露による皮膚炎が複数報告されている (SIDS (2009)、PATTY (6th, 2012))。なお、本物質はEU DSD分類で「Xi;R38」、EU CLP分類で「Skin Irrit. 2 H315」に分類されている。以上、刺激性の程度は不明であるが、ヒトの疫学調査の結果をもとに区分2とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 |
危険 |
H318 |
P305+P351+P338
P280 P310 |
ウサギを用いた眼刺激性試験の報告が複数あり、非回復性の結膜炎、虹彩炎、角膜混濁がみられた (SIDS (2009)) との報告や、非回復性の潰瘍を生じたとの報告がある (ACGIH (7th, 2001))。また、刺激性スコアは39.9-56.3及び105 (最大値110) との報告がある (SIDS (2009)、CICAD 71 (2006)) 。以上の結果より区分1とした。なお、本物質はEU DSD分類で「Xi;R36」、EU CLP分類で「Eye Irrit. 2 H315」に分類されている。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分1 |
警告 |
H317 |
P302+P352
P333+P313 P362+P364 P261 P272 P280 P321 P501 |
モルモットを用いた皮膚感作性試験 (OECD TG 406、GLP準拠) において、陽性率が30%以上みられたとの報告がある (SIDS (2009)、DFGOT vol. 20 (2003))。また、マウスを用いた局所リンパ節試験 (OECD TG 429) では陰性と陽性の両方の結果が得られている (SIDS (2009))。ヒトにおいては、本物質のばく露による影響が複数報告されており (DFGOT vol. 20 (2003)、CICAD 71 (2006))、DFGOT vol. 20 (2003) では本物質は「Sh」に分類されている。以上の結果から区分1と判断した。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない |
- |
- | - | ガイダンスの改訂により「区分外」が選択できなくなったため、「分類できない」とした。すなわち、in vivoでは、ラット、マウスの小核試験、ラットの姉妹染色分体交換試験で陰性である (SIDS (2009)、NTP DB (Access on October 2014)、ACGIH (7th, 2001)、CICAD 71 (2006)、DFGOT Vol. 20 (2003)、IARC 71 (1999))。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性、哺乳類培養細胞の遺伝子突然変異試験 (マウスリンフォーマ試験)、染色体異常試験、姉妹染色分体交換試験、小核試験で陽性の結果が認められている (SIDS (2009)、ACGIH (7th, 2001)、NTP DB (Access on October 2014)、CICAD 71 (2006)、IARC 71 (1999)、DFGOT Vol. 20 (2003))。 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - | IARCでグループ3 (IARC 71 (1999))、ACGIHでA4 (ACGIH (7th, 2001)) に分類されているため、「分類できない」とした。 |
7 | 生殖毒性 | 区分外 |
- |
- | - |
ラットを用いた経口経路 (飲水) での2世代生殖毒性試験 (OECD TG 416) において、母動物に体重増加抑制がみられる用量においても生殖能及び児動物に対する毒性はみられていないとの報告がある (PATTY (6th, 2012)、SIDS (2009)、CICAD 71 (2006))。 ラットを用いた経口経路での催奇形性試験 (OECD TG 414) において、母動物に体重増加抑制がみられる用量においても胎児毒性及び催奇形性はみられていないとの報告がある (SIDS (2009)、CICAD 71 (2006))。また、ウサギを用いた経口経路での催奇形性試験において、母動物毒性、胎児毒性及び催奇形性はみられていないとの報告がある (PATTY (6th, 2012)、CICAD 71 (2006)、DFGOT Vol. 20 (2003)、 IARC 71 (1999)、NTP TR403 (1992))。 以上より、生殖能に対する悪影響、及び児の発生に対する悪影響のいずれも認められなかったことから区分外とした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1 (中枢神経系、血液系) |
危険 |
H370 |
P308+P311
P260 P264 P270 P321 P405 P501 |
本物質は複数のヒトの中毒事例がある。皮膚疾患治療に軟膏又はクリーム (50%本物質、100g) を使用後、意識喪失、振戦、痙攣、散瞳、錯乱、健忘、見当識障害、経口摂取でメトヘモグロビン血症、チアノーゼ、痙攣、乳幼児の経皮・経口中毒事例で、灼熱感、痙攣、中枢神経系障害 (めまい、錯乱、傾眠、見当識障害、記憶喪失、振戦)、赤血球の変化 (メトヘモグロビン血症、溶血性貧血、ヘモグロビン尿、チアノーゼ) などが認められている (ACGIH (7th, 2001)、CICAD 71 (2006)、IARC 71 (1999)、PATTY (6th, 2012)、DFGOT Vol. 20 (2003))。 実験動物では、ラットの経口投与で、流涎、過剰興奮、頻呼吸、眼瞼下垂、嗜眠、異常歩行、側臥位、震え、呼吸困難、振戦、痙攣、鎮静、強直性間代痙攣、チアノーゼなどが報告されている (SIDS (2009)、ACGIH (7th, 2001)、DFGOT Vol. 20 (2003)、PATTY (6th, 2012)、CICAD 71 (2006))。これらの症状は区分1に相当するガイダンスの範囲の用量でみられた。 以上より、本物質は中枢神経系及び血液系に影響を与えると考えられ、区分1 (中枢神経系、血液系) とした。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない |
- |
- | - |
ヒトでは本物質を含む製剤を経皮適用した患者での症例報告、並びに本物質製造工場での職業ばく露事例として、作業従事者に甲状腺機能低下症、一部に甲状腺肥大が生じたとの研究報告が多くあるが、職業ばく露による報告では他の物質へのばく露 (ベンゼンや甲状腺機能阻害作用が明らかなチオ尿素との複合ばく露、又は検査のため放射性ヨウ素を摂取) による影響を排除できないこと、また発生率が低頻度であること (SIDS (2009)、CICAD 71 (2006)) など、本物質ばく露との因果関係は明確ではない (SIDS (2009))。そのほか、ヒトでの本物質ばく露による影響としては中枢神経系への影響、皮膚障害が報告されているが、前者は急性ばく露影響と考えられており (CICAD 71 (2006))、後者は本物質固有の刺激性に基づくものと判断できる。 実験動物では、ラット及びマウスに13週間強制経口投与した試験では区分2 までの用量範囲で特定の標的臓器を示唆する知見はみられていないが、ラット又はマウスに2年間強制経口投与した試験では、区分2をわずかに上回る用量 (100-112 mg/kg/day) で、運動失調、振戦、流涎がみられた (SIDS (2009)、ACGIH (7th, 2001)、CICAD (2006))。一方、ラットに飲水投与した二世代生殖毒性試験では、最高濃度の3000 mg/L (雄:233 mg/kg/day; 雌:304-660 mg/kg/day) を70日間以上投与したが、この様な中枢神経症状は認められず、強制経口投与による一過性の急性影響と考えられている (SIDS (2009))。また、甲状腺の組織変化はラット、マウスの反復投与毒性試験では全くみられていない。特に、ラットに飲水投与した二世代試験は、F0親動物における甲状腺への影響を評価するために、甲状腺ホルモン及び甲状腺組織変化を綿密に調べたが、区分2を超える用量 (233-304 mg/kg/day (ガイダンス値換算: 181-236 mg/kg/day 相当)) まで、甲状腺への影響はみられなかった (SIDS (2009)、CICAD 71 (2006))。CICAD 71に収載された「甲状腺影響あり」とした動物実験報告件数は「同影響なし」とした報告件数より少なく、1用量のみの実験、又は皮下注射による実験結果であり (CICAD 71 (2006)) 、他方、 OECD SIDSではラット二世代試験のデータより、ラット経口投与では 233-304 mg/kg/day まで投与しても甲状腺影響は観測されなかったこと、また、ラットはヒトと異なり、TBP (甲状腺ホルモン結合タンパク) を欠損しており、甲状腺ホルモンが代謝されやすく (血中T4の半減期が短い)、結果としてTSHの上昇が生じやすい性質があり、ラットはヒトよりも甲状腺影響に対する感受性が高いという種差のメカニズムについて記述し、感受性の高いラットを用いた信頼性の高い二世代試験において甲状腺影響がみられなかったことからも、ヒトでの甲状腺影響に関して否定的である (SIDS (2009))。 以上、ヒトでの甲状腺影響の有無について未だ確定はできないものの、本分類では下垂体-甲状腺系の内分泌機構に関する動物種間差に基づき、本物質の甲状腺影響に対し否定的見解を示唆した旧分類時以降に発行されたSIDS (2009) の見解を支持し、旧分類が採用した「甲状腺」を標的臓器から削除すべきと判断した。よって、実験動物の知見から経口経路では区分外相当と考えられるが、他経路による毒性情報がなく、デ-タ不足のため「分類できない」とした。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | - |
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- | - | - |
11 | 水生環境有害性(長期間) | - |
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- | - | - |
12 | オゾン層への有害性 | - |
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- | - | - |
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