項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 7761-88-8 |
名称 | 硝酸銀 (Ⅰ) (再分類) |
物質ID | H26-B-111, R-052 |
分類実施年度 | 平成26年度 |
分類実施者 | 厚生労働省/環境省 |
新規/再分類 | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 平成18年度 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 区分外 |
- |
- | - | 硝酸塩類であり爆発性に関連する原子団を含むが、国連分類UN1493、クラス5.1、PGIIに分類されており、上位の爆発物には該当しない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 区分外 |
- |
- | - | 不燃性 (ICSC (1998)) |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 硝酸塩類であり爆発性に関連する原子団を含むが、酸化性固体に分類されている。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 |
- |
- | - | 不燃性 (ICSC (1998)) |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 |
- |
- | - | 不燃性 (ICSC (1998)) |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分外 |
- |
- | - | 水溶解度2,160 g/L (20℃) (GESTIS (Access on September 2014)) というデータが得られており、水と激しく反応することはないとみられる。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 区分2 |
危険 |
H272 | P370+P378 P210 P220 P221 P280 P501 |
国連分類UN1493、クラス5.1、PGⅡであることから区分2とした。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 無機化合物 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
- |
- | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分4 |
警告 |
H302 | P301+P312 P362+P364 P264 P270 P330 P501 |
ラットのLD50値として、1,170 mg/kgとの報告 (IUCLID (2000)) との報告に基づき、区分4とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分1 |
危険 |
H314 | P301+P330+P331 P303+P361+P353 P305+P351+P338 P304+P340 P260 P264 P280 P310 P321 P363 P405 P501 |
本物質は皮膚に対して腐食性を引き起こすと記載がある (CICAD 44 (2003))。また、職業ばく露において本物質との接触による化学火傷が報告されている (ATSDR (1990))。以上の結果から区分1とした。また、本物質はEU DSD分類で区分「C; R34」、EU CLP分類で区分「Skin Corr. 1B H314」に分類されている。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 |
危険 |
H318 | P305+P351+P338 P280 P310 |
本物質は眼に対して重度の腐食性を引き起こすと記載がある (CICAD 44 (2003))。また、職業ばく露において眼との接触による化学火傷が報告されている (ATSDR (1990))。さらに、本物質は皮膚腐食性/刺激性について区分1に分類されている。以上の結果から区分1とした。また、本物質はEU DSD分類で区分「C; R34」、EU CLP分類で区分「Skin Corr. 1B H314」に分類されている。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 なお、妊娠サルに子宮内投与した実験で膣出血、流産がみられたが、その後の再交配では正常な児を出産したとの報告がある (PATTY (6th, 2012)、ACGIH (7th, 2001)、ATSDR (1990))。通常のヒトへのばく露経路ではないことから分類に用いなかった。 以上から、データ不足のため分類できないとした。 なお、旧分類では精巣内への直接投与により精巣への影響 (精細管壊死など) がみられたことを根拠として区分2に分類していた。しかし、この試験は通常のプロトコール、投与経路ではなく影響も十分記載されていないことから信頼性がないとIUCLID (2000) に記載されており、また、精巣への影響のみであり生殖への影響は不明であることから、区分2を分類できないに変更した。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分3 (気道刺激性) |
警告 |
H335 | P304+P340 P403+P233 P261 P271 P312 P405 P501 |
本物質は腐食性、気道刺激性がある (ATSDR (1990)、PATTY (6th, 2012))。ヒトにおいては、粉塵吸入ばく露により気道粘膜の刺激、経口的な急性中毒症状として、口内の灼熱感や痛み、流涎、嘔吐、腹痛、下痢、重度の胃腸炎、血圧低下、呼吸数減少、眩暈、痙攣、横隔膜筋麻痺、昏睡、中枢神経系障害、死亡が報告されている (HSDB (Access on September 2014))。実験動物のデータはない。 以上より、中枢神経系への影響を示す記述はあるが、それは情報源List 2であるHSDBのみでありその原著確認ができなかったことから中枢神経系は採用しなかった。また旧分類では、List 3の情報源を用いて、実験動物でのメトヘモグロビン血症やチアノーゼから血液系への影響 (区分1 (血液系)) を採用していたが、ヒト及び実験動物において、List 1及びList 2に血液系への影響を示す記述は認められなかったこと、旧分類の示すList 3の情報源から原著確認ができなかったことから、血液系を採用しなかった。 したがって、本物質は気道刺激性があると考えられ、区分3 (気道刺激性) とした。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1 (呼吸器) |
危険 |
H372 | P260 P264 P270 P314 P501 |
硝酸銀と酸化銀の製造工場で、銀の粉じんに1年未満から10年以上ばく露された作業者30名中25名が上気道の刺激症状 (くしゃみ、鼻水、鼻づまり、咽頭刺激痛) を、同10名が腹痛 (激痛で制酸剤により軽減) を訴えたとの記述がある (ATSDR (1990)、ACGIH (7th, 2001))。このうち、腹痛は粉じんの一部を経口摂取した粘膜刺激の影響による可能性も考えられ、少数例の症状 (全体の1/3) で、下痢、嘔吐など、他の消化器症状の記載もなく、標的臓器の対象とすべきでないと考えられた。 一方、実験動物ではラットに本物質222 mg Ag/kg/day (349.6 mg/kg/day相当) を37週間飲水投与した試験で、23週以降に死亡率の増加がみられたが、眼の銀症以外に臓器毒性の記述はなく (ACGIH (7th, 2001))、また、ラットに89 mg Ag/kg/day (140 mg/kg/day相当) を9ヶ月間飲水投与した試験で、左心室の肥大がみられた (ATSDR (1990)、ACGIH (7th, 2001)) との記述があるが、心血管系への影響はヒト及び他の動物試験で報告がなく、この結果は信頼性がないとされている (ATSDR (1990))。この他、実験動物で分類に利用可能なデータはない。 以上より、区分1 (呼吸器) とした。なお、旧分類はList 3の情報源からのデータにより、「腎臓」、「心血管系」を標的臓器としたが、「心血管系」を削除した理由は上記の通り。腎臓については、腎臓への銀沈着により、腎機能に悪影響を及ぼす懸念が想定されるが、動物実験ではその証拠はなく、職業ばく露の知見でもヒトで銀へのばく露量と腎機能障害を関連づけるデータがなく、「腎臓」を標的臓器とする証拠は不十分であるとの記述 (ATSDR (1990)) も考慮し、標的臓器から「腎臓」を削除した。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 |
警告 |
H400 | P273 P391 P501 |
甲殻類(オオミジンコ)による48時間EC50=0.0014 mg/L (0.0009 mg Ag/L) (CICADs 44, 2002)であることから、区分1とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分1 |
警告 |
H410 | P273 P391 P501 |
慢性毒性データを用いた場合、無機化合物につき環境中の動態は不明であり、魚類(ニジマス)の60日間LOEC = 0.00016 mg/L(CICADs 44, 2002)であることから、区分1となる。 慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、無機化合物につき環境中の動態は不明であり、甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50=0.0014 mg/L (0.0009 mg Ag/L) (CICADs 44, 2002)であることから、区分1となる。 以上の結果から、区分1とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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