GHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 109-60-4
名称 酢酸n‐プロピル (再分類)
物質ID H26-B-119, R-056
分類実施年度 平成26年度
分類実施者 厚生労働省/環境省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 平成18年度  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版)
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
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厚生労働省モデルSDS(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
3 エアゾール 分類対象外
-
-
- - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
6 引火性液体 区分2


危険
H225 P303+P361+P353
P370+P378
P403+P235
P210
P233
P240
P241
P242
P243
P280
P501
引火点14℃ (closed cup)、沸点101.6℃ (ICSC (1996)) に基づいて区分2とした。
なお、国連分類UN1276、クラス3、PGIIである。
7 可燃性固体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
8 自己反応性化学品 分類対象外
-
-
- - 爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 区分外
-
-
- - 発火点が450℃ (ICSC (1996)) であり、常温で発火しないと考えられる。
10 自然発火性固体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外
-
-
- - 金属及び半金属 (B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At) を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外
-
-
- - フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
14 酸化性固体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外
-
-
- - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない
-
-
- - データがなく分類できない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分外
-
-
- - ラットのLD50値として、> 3,200 mg/kg (SIDS (2009))、8,700 mg/kg (SIDS (2009)、ACGIH (7th, 2001))、9,370 mg/kg (SIDS (2009)) との報告に基づき、区分外とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外
-
-
- - ウサギのLD50値として、> 17,800 mg/kg (SIDS (2009)、ACGIH (7th, 2001)) との報告に基づき、区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分4


警告
H332 P304+P340
P261
P271
P312
ラットへの8,000 ppm、4時間ばく露試験の結果、4/6例の死亡の報告 (PATTY (6th, 2012)、SIDS (2009)、ACGIH (7th, 2001)) 及び、ラットのLC50値 (4時間) として、4,000 ppm-8,000 ppm との報告 (SIDS (2009)) に基づき、区分4とした。なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度 (47,236 ppm) の90%より低いため、ミストを含まないものとしてppmを単位とする基準値を適用した。新たな情報源 (PATTY (6th, 2012)、SIDS (2009)) を追加し、区分を見直した。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。すなわち、ウサギに本物質を24時間非閉塞適用した試験が2報あり、一方の試験では刺激性はみられなかったが、もう一方の試験では紅斑と壊死がみられたとの報告がある (SIDS (2009))。また、別のラットを用いた試験 (適用時間不明) で損傷皮膚への適用により軽度の刺激性がみられたとの報告や (SIDS (2009))、モルモットの皮膚に本物質を閉塞適用した結果、軽度の紅斑がみられたが回復性であったとの報告がある (SIDS (2009))。以上、4時間適用の報告がなく、得られた情報は刺激の程度が様々であるためいずれも区分を判断するには不十分なデータとした。List1の情報を追加した結果、区分が変わった。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2B
-
警告
H320 P305+P351+P338
P337+P313
P264
ウサギを用いた試験において、回復性の角膜障害がみられ刺激の程度はグレード2 (1-10) であったことから、軽度の刺激性と報告されている (SIDS (2009))。また、ヒトでの事例においても眼に対する刺激性が報告されている (HSDB (Access on September 2014))。以上の結果より、区分2Bとした。なお、本物質はEU DSD 分類において「Xi; R 36」、EU CLP分類において「Eye Irrit. 2 H319」に分類されている。

4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
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- - データ不足のため分類できない。In vivoデータはなく、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性である (SIDS (2009))。
6 発がん性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3 (気道刺激性、麻酔作用)


警告
H335
H336
P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
P405
P501
本物質は、気道刺激性がある (SIDS (2009)、ACGIH (7th, 2001)、PATTY (6th, 2012)、HSDB (Access on September 2014))。ヒトにおいては、高濃度で、脱力感、眠気、意識喪失の報告がある (HSDB (Access on September 2014))。実験動物では、麻酔作用があるとの記載がある (産衛学会許容濃度の提案理由書 (1970)、ACGIH (7th, 2001)、PATTY (6th, 2012))。また、ラットの16.7 mg/Lの吸入ばく露で不活発、中枢神経系抑制の報告がある (SIDS (2009))。
以上より、本物質は気道刺激性及び麻酔作用を有すると考えられ、区分3(気道刺激性、麻酔作用) とした。
なお、旧分類で区分1 (中枢神経系)、区分2 (肝臓) が採用されていたが、中枢神経系への影響については麻酔作用と判断した。また、肝臓についてはList 1及び2で報告がなく、HSFSはList 3のため区分の対象としなかった。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。なお、ラットに加水分解物のn-プロピルアルコール蒸気を吸入ばく露した試験 (SIDS (2009))、ネコに本物質を吸入ばく露した試験 (IUCLID (2000)) の記述があるが、ばく露期間が5ないし9日間と短く、分類に適用外のデータである。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分3
-
-
H402 P273
P501
魚類 (ファットヘッドミノー) の96時間LC50 = 60 mg/L (SIDS, 2009) より、区分3とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分外
-
-
- - 慢性毒性データを用いた場合、急速分解性があり(14日後のBODによる分解度:81%(既存点検, 2000))、藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)の72時間NOEC = 83.2 mg/L (SIDS, 2009) であることから、区分外となる。
慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、魚類 (ファットヘッドミノー) の96時間LC50 = 60 mg/L (SIDS, 2009) であるが、急速分解性があり(14日後のBODによる分解度:81%(既存点検, 2000))、生物蓄積性が低いと推定される(log Kow= 1.24(PHYSPROP Database, 2009))ことから、区分外となる。
以上の結果から、区分外とした。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
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