GHS分類結果

View this page in English



一般情報
項目 情報
CAS登録番号 21908-53-2
名称 酸化水銀 (Ⅱ) (再分類)
物質ID H26-B-124, -
分類実施年度 平成26年度
分類実施者 厚生労働省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 平成18年度  
Excelファイルのダウンロード Excel file

関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版)
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外
-
-
- - 爆発性に関する原子団を含まない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外
-
-
- - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 区分外
-
-
- - 不燃性 (ICSC (2001))
8 自己反応性化学品 分類対象外
-
-
- - 爆発性、及び自己反応性に関する原子団を含まない。
9 自然発火性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 区分外
-
-
- - 不燃性 (ICSC (2001))
11 自己発熱性化学品 区分外
-
-
- - 不燃性 (ICSC (2001))
12 水反応可燃性化学品 区分外
-
-
- - 水に不溶 (ICSC (2001)) という観察結果が得られており、水と激しく反応することはないとみられる。
13 酸化性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 分類できない
-
-
- - ハロゲンを含まず、酸素を含む無機化合物であるが、データがなく分類できない。
15 有機過酸化物 分類対象外
-
-
- - 無機化合物
16 金属腐食性物質 分類できない
-
-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分2


危険
H300 P301+P310
P361+P364
P264
P270
P321
P330
P405
P501
ラットのLD50値として、18 mg/kgとの報告 (GESTIS (Access on September 2014) 元文献:National Technical Information Service. vol. PB214 270) に基づき、区分2とした。新たな情報源 (GESTIS (Access on September 2014)) を追加し、区分を見直した。
1 急性毒性(経皮) 区分3


危険
H311 P302+P352
P280
P312
P321
P361
P364
P405
P501
ラットのLD50値として、315 mg/kgとの報告 (GESTIS (Access on September 2014) 元文献:Gigiena Truda i Professional'nye Zabolevaniya. Labor Hygiene and Occupational Diseases. vol. 25(7) , Pg. 27, 1981) に基づき、区分3とした。新たな情報源を追加し、区分を見直した。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2


警告
H315 P302+P352
P332+P313
P362+P364
P264
P280
P321
具体的な記述は無いが、本物質は皮膚に対して刺激性を持つとの記載がある (CICAD 50 (2003)) ことから区分2とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2


警告
H319 P305+P351+P338
P337+P313
P264
P280
具体的な記述は無いが、本物質は眼に対して刺激性を持つとの記載がある (CICAD 50 (2003)) ことから区分2とした。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性 区分1


警告
H317 P302+P352
P333+P313
P362+P364
P261
P272
P280
P321
P501
日本産業衛生学会は水銀 (当該物質自体ないしその化合物) を皮膚感作性物質「第1群」に分類している。この既存分類は本物質を明示していないものの、水銀化合物として含むと考えられるため、区分1とした。なお、日本産業衛生学会の分類では、「感作性に関与するすべての物質が同定されているわけではない。」という但し書きがある。
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
6 発がん性 分類できない
-
-
- - IARCでグループ3 (金属水銀及び無機水銀化合物として) (IARC 58 (1993))、ACGIHでA4 (金属水銀及び無機水銀化合物として) (ACGIH (7th, 2001)) に分類されているため、「分類できない」とした。
7 生殖毒性 区分1B


危険
H360 P308+P313
P201
P202
P280
P405
P501
ラットを用いた経口経路での催奇形性試験において、母動物毒性がみられない用量で胎児に外表奇形、矮小児、眼形成の抑制の増加がみられた (EHC 118 (1991))。したがって、区分1Bとした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1 (中枢神経系、末梢神経系、腎臓、消化管)


危険
H370 P308+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
本物質に限定した情報は非常に少なく、ヒトにおいて、乳児への湿疹用黄色酸化水銀軟膏の経皮的治療で、片麻痺、全身性筋硬直、筋振戦、先端疼痛、昏睡の報告がある (CICAD 50 (2003))。本物質のデータではないが、金属水銀又は無機水銀化合物はヒトに対し (経路不明)、悪心、嘔吐、下痢、振戦、中枢神経系抑制、情緒不安定・神経過敏、末梢神経障害、歯肉炎、口腔病、視力変化、難聴、腎障害を引き起こすとの記載 (ACGIH (7th, 2001))、経口ばく露による死因は腎障害、心血管虚脱、重症の消化器障害であり、最も一般的な所見は消化管障害と腎不全であるとの記載 (CICAD 50 (2003))、実験動物では、神経生理学的影響、電気生理学的影響、腎臓、行動への影響が認められている (ACGIH (7th, 2001))。消化管障害については、局所影響と判断しなかった。
以上より、区分1 (中枢神経系、末梢神経系、腎臓、消化管) とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1 (中枢神経系、腎臓)


危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
本物質反復ばく露による有害性知見はヒト、実験動物のいずれもない。ただし、無機水銀化合物の反復ばく露による知見としては、塩化水銀 (主に塩化第二水銀) を経口摂取したヒトの複数の事例 (ATSDR (1999))、及びラット又はマウスに塩化第二水銀を2週間-2年間経口投与した多くの試験 (CICAD 50 (2003)) において、腎臓への影響 (腎不全 (ヒト)、腎症、尿細管上皮の変性、糸球体の肥厚 (ラット、マウス)) がみられており、腎臓が標的臓器と考えられる。また、塩化水銀を含む薬剤を内服したヒトの複数の症例報告において、中枢神経症状 (興奮、不眠、筋肉攣縮など) がみられ、慢性中毒症例では痴呆の進展、神経過敏をきたし、少数の死亡例の剖検では脳の重量及び容積の減少、小脳の神経細胞数の減少がみられ、電顕観察でニューロンに水銀の蓄積が確認された (ATSDR (1999)) と記述されている。以上より、本物質のGHS分類も塩化水銀など無機水銀化合物の有害性知見を参照し分類するのが妥当と考えられ、よって本物質の分類は区分1 (中枢神経系、腎臓) とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) -
-
-
- - -
11 水生環境有害性(長期間) -
-
-
- - -
12 オゾン層への有害性 -
-
-
- - -


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

GHS関連情報トップページに戻る