項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 7705-08-0 |
名称 | 塩化鉄 (Ⅲ) (再分類) |
物質ID | H26-B-127, R-069 |
分類実施年度 | 平成26年度 |
分類実施者 | 厚生労働省/環境省 |
新規/再分類 | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 平成21年度 平成18年度 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 区分外 |
- |
- | - | 不燃性 (ICSC (2004)) |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性、及び自己反応性に関する原子団を含まない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 |
- |
- | - | 不燃性 (ICSC (2004)) |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 |
- |
- | - | 不燃性 (ICSC (2004)) |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分外 |
- |
- | - | 水と接触すると分解し、塩化水素を生じる (ICSC (2004)) という観察結果が得られており、水と反応しても可燃性ガスを発生しないとみられる。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類できない |
- |
- | - | 酸素を含まず、ハロゲンを含む無機化合物であるが、データがなく分類できない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 無機化合物 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
- |
- | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。なお、大部分の金属に腐食作用を及ぼす(ホンメル (1991)) という情報がある。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分4 |
警告 |
H302 |
P301+P312
P362+P364 P264 P270 P330 P501 |
ラットのLD50値として、500-5,000 mg/kg、900 mg/kg、1,872 mg/kg、約2,900 mg/kg 、約2,900 mg/kgの5件の報告 (SIDS (2008)) がある。区分4及び区分外にそれぞれ2件づつのデータが該当するので、LD50値の小さい値の該当する区分4とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分1 |
危険 |
H314 |
P301+P330+P331
P303+P361+P353 P305+P351+P338 P304+P340 P260 P264 P280 P310 P321 P363 P405 P501 |
本物質は強酸性物質であり、0.1M溶液はpH2 (HSDB (Access on September 2014)) との記載があることから区分1とした。なお、ウサギを用いた試験の報告が3報あり、刺激性ありが2件、刺激性なしが1件の結果が報告されている (SIDS (2008)、IUCLID (2000)) 。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 |
危険 |
H318 |
P305+P351+P338
P280 P310 |
本物質は強酸性物質であり、0.1M溶液はpH2 (HSDB (Access on September 2014)) との記載がある。また、ウサギに本物質の40%水溶液を適用した結果、重度の刺激性を示した (SIDS (2008)、IUCLID (2000))。以上の結果から区分1とした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - |
データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。モルモットを用いた試験において、2匹中1匹に陽性反応がみられたが、例数が少なく試験法について不明であるため結論できないとの記載がある (SIDS (2008)、IUCLID (2000))。また、66歳白人男性の鉄への接触感作と本物質2%液のパッチテストでの陽性反応が報告されている (SIDS (2008)、IUCLID (2000)) が1症例のみである。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない |
- |
- | - |
ガイダンスの改訂により「区分外」が選択できなくなったため、「分類できない」とした。すなわち、in vivoでは、マウス骨髄細胞の小核試験で陰性 (SIDS (2008))、in vitroでは、哺乳類培養細胞のマウスリンフォーマ試験1例で陽性であるが、複数の細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞のマウスリンフォーマ試験で陰性である (SIDS (2008)、NTP DB (Access on October 2014))。なお、マウス精巣を用いたin vivo染色体異常試験で陰性報告があったが、詳細不明であった (SIDS (2008))。 旧分類で、「マウスに経口投与による骨髄細胞の染色体異常試験陽性結果 (IUCLID (2000)) 」は誤りであり、硫酸鉄 (II) における陰性の結果であったことから削除した。また、旧分類の「マウスに経口投与による骨髄細胞の小核試験陽性結果 (IUCLID (2000))」は、SIDS (2008) において対照群がないなど複数の問題がありin validと記載されているため削除した。 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - | 国際評価機関による発がん分類はない。雌雄のF344ラットを用いた2年間飲水投与発がん性試験で発がん性はみられていない (SIDS (2008)) が、1種の動物のみの結果でありデータ不足のため分類できない。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない |
- |
- | - |
データ不足のため分類できない。 なお、生殖毒性試験の情報はないが、ラットの精巣内に投与した実験で精巣、精巣上体の精子形成に影響がみられたとの報告、交配1日前にラットの膣内に投与した実験で着床前の死亡がみられたとの報告 (SIDS (2008)) がある。これらは通常の生殖発生毒性試験と投与経路が異なることから分類根拠としなかった。また、ラットを用いた経口経路 (飲水) での催奇形性試験において、母動物及び胎児に影響がみられていないとの報告がある (SIDS (2008))。しかし、1用量のみの試験であり分類に用いなかった。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1 (全身毒性)、区分3 (気道刺激性) |
危険 警告 |
H370
H335 |
P308+P311
P260 P264 P270 P321 P405 P501 P304+P340 P403+P233 P261 P271 P312 |
本物質ではないが、鉄化合物として、粉塵、ミストの吸入で気道刺激性がある (ACGIH (7th, 2001)、SIDS (2008)、HSDB (Access on September 2014))。 本物質については、1例の報告であるが、ヒトが塩化第二鉄溶液200 mL (pH1) を誤飲した事例で、初期に低酸素血症、呼吸性アルカローシスを伴う重度の代謝性アシドーシス、摂取3時間後に嘔吐、意識混濁、頻脈、頻呼吸、摂取4時間後に重度の嘔吐、心肺停止により死亡したとの報告がある (HSDB (Access on September 2014))。 なお、ヒトの鉄化合物の経口摂取により、嘔吐、下痢、軽度の嗜眠、上腹部痛、蒼白、重篤な場合、高血糖、チアノーゼ、昏迷、アシドーシス、吐血、昏睡の報告、硫酸鉄 (II) の経口摂取で胃粘膜の影響、心血管/末梢循環系の影響、代謝性アシドーシス、中枢神経系への影響の記載がある (SIDS (2008)、ACGIH (7th, 2001))。 以上より、本物質は気道刺激性を有すると考えられることから区分3 (気道刺激性)、また、全身性に影響を与えると考えられるが標的臓器を特定できないことから区分1 (全身毒性) とした。 旧分類では全身毒性を区分2としていたが、ヒトへの影響は上記のとおり重篤な場合があることから、区分1に変更した。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない |
- |
- | - |
塩化鉄 (III) ・6水和物をラットに13週間飲水投与した試験において、無毒性量 (NOAEL) は 5,000 ppm (雄: 277 mg/kg/day、雌: 344 mg/kg/day相当) と報告されている (SIDS (2008)) が、病理組織検査を含めて十分な評価項目で実施された試験結果ではない。 2価の鉄イオンは胃内の低pHにもかかわらず3価の鉄イオンに酸化され、タンパクとキレートを形成して水溶性を高め、小腸粘膜より吸収される (SIDS (2008)) との記述があり、反復投与毒性試験を2価鉄化合物まで範囲を広げて調査しても、硫酸鉄 (II) ・7水和物をラットに最長49日間、塩化鉄 (II) をラットに最長54日間、いずれも強制経口投与した反復投与毒性・生殖発生毒性併合試験 (OECD TG 422) において、区分2までの用量範囲では無毒性で、高用量群 (ガイダンス値換算で233 mg/kg/day超) でさえ、脾臓、肝臓への色素 (ヘモジデリン) 沈着、血液影響などがみられた程度で、重篤な標的臓器毒性はみられていない (SIDS (2008))。以上より、経口経路では区分外相当と考えられるが、他の経路での毒性情報がなく、データ不足のため「分類できない」とした。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分3 |
- |
H402 |
P273
P501 |
甲殻類(ミジンコ)による48時間LC50 = 37.5 mg/L (12.9 mgFe/L)(SIDS, 2008)であることから、区分3とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分外 |
- |
- | - | 無機化合物につき環境中動態が不明であるが、甲殻類(オオミジンコ)の21日間NOEC = 2.0 mg/L (0.70 mgFe/L)(SIDS, 2008)であることから、区分外とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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