GHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 7758-89-6
名称 塩化第一銅 (再分類)
物質ID H26-B-129, R-058
分類実施年度 平成26年度
分類実施者 厚生労働省/環境省
新規/再分類 再分類・見直し
他年度における分類結果 平成18年度  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版)
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外
-
-
- - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外
-
-
- - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 区分外
-
-
- - 不燃性 (GESTIS (Access on September 2014))
8 自己反応性化学品 分類対象外
-
-
- - 爆発性、自己反応性に関わる原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 区分外
-
-
- - 不燃性 (GESTIS (Access on September 2014))
11 自己発熱性化学品 区分外
-
-
- - 不燃性 (GESTIS (Access on September 2014))
12 水反応可燃性化学品 区分外
-
-
- - 水溶解度47 mg/L (20℃) (SIDS (2006)) というデータが得られており、水と激しく反応することはないとみられる。
13 酸化性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 区分外
-
-
- - 酸素を含まず、ハロゲンを含む無機化合物であるが、塩化物の塩素イオンは酸化に寄与しない。
15 有機過酸化物 分類対象外
-
-
- - 無機化合物
16 金属腐食性物質 分類できない
-
-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。なお、ラットのLD50値として、140 mg/kgとの報告 (GESTIS (Access on September 2014)) があるが、List 3の情報であり、原著を確認できないため分類できないとした。情報源を変更し、区分を見直した。
1 急性毒性(経皮) 区分外
-
-
- - ラットのLD50値として、> 2,000 mg/kg (雄)、> 1,224 mg/kg (雌) との2データの報告 (SIDS (2006)) がある。それぞれ、区分外と分類できないとに該当するため、区分外とした。 新たな情報源 (SIDS (2006)) を追加し、区分を見直した。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。旧分類根拠データの登録がないため、区分を見直した。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。なお、本物質を24時間経皮適用した急性毒性試験 (OECD TG 402) において、適用部に硬化や痂皮形成がみられたことから皮膚刺激性を持つ可能性があるとの記載がある (SIDS (2006))。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。なお、銅化合物は眼に対して結膜炎や潰瘍形成、角膜混濁を起こすとの記載がある (ACGIH (7th, 2001)) が、物質情報等の具体的な情報が不明であるため、区分に用いるには不十分なデータとした。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性 区分1


警告
H317 P302+P352
P333+P313
P362+P364
P261
P272
P280
P321
P501
皮膚感作性に関する動物試験結果及び疫学事例の報告はないが、 日本産業衛生学会では皮膚感作性物質第2群に銅 (当該物質自体ないしその化合物を示すが、感作性に関与する全ての物質が同定されているわけではない) を指定しているため、区分1とした。
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - ガイダンスの改訂により「区分外」が選択できなくなったため、「分類できない」とした。すなわち、in vivoでは、マウス骨髄細胞の小核試験で陰性 (SIDS (2006))、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性、哺乳類培養細胞の染色体異常試験で陽性である (SIDS (2006)、DFGOT vol. 22 (2006))。
6 発がん性 分類できない
-
-
- - EPAでは、本物質をDに分類している (IRIS (Access on October 2014))。以上より、「分類できない」とした。
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。
ラットを用いた経口経路 (強制) による反復投与毒性・生殖発生毒性併合試験 (OECD TG 422) で、親動物毒性 (死亡3/12例、貧血、前胃の扁平上皮過形成) がみられる用量において、生殖能に影響はみられていないが、児動物に黄疸 (3/120例、3/9母動物) 及び矮小 (2/120例、2/9母動物) が認められたとの報告がある(SIDS (2006))。しかし、母動物毒性が強いことから分類根拠としなかった。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない
-
-
- - 本物質のデータはないため、「分類できない」とした。
なお、ヒトの銅粉塵、ミストの吸入ばく露では、気道刺激性、咳、悪心、頭痛、胃腸痛、嘔吐、出血性胃炎、下痢、金属フューム熱に類似した症状が報告されている。また、銅金属のヒトの経口摂取では胃腸管の刺激、悪心、嘔吐、下痢の記載がある (ACGIH (7th, 2001)、DFGOT vol. 22 (2006))。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分2 (血液系)


警告
H373 P260
P314
P501
ヒトでの本物質ばく露による有害性知見はない。
ラットに本物質を強制経口投与した反復投与毒性・生殖発生毒性併合試験において、区分1に該当する用量 (5 mg/kg/day (90日換算値: 約 1.7 mg/kg/day相当)) で、前胃の扁平上皮の過形成、区分2に該当する用量 (80 mg/kg/day (90日換算値: 約26.7 mg/kg/day相当)) で、血液毒性影響 (赤血球数、ヘモグロビン濃度及びヘマトクリット値の減少など、総白血球数、好中球比率、血小板数の増加、大腿骨骨髄の過形成) がみられた (SIDS (2006))。前者は銅の粘膜への刺激性影響によるものと考え、標的臓器の対象所見に含めず、分類は区分2 (血液系) とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-
-
- - データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分1


警告
H400 P273
P391
P501
魚類(ニジマス)による96時間LC50=0.018 mg/L (ECETOC TR91, 2003) であることから、区分1とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分1


警告
H410 P273
P391
P501
慢性毒性データを用いた場合、無機化合物につき環境中の動態が不明であり、藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)の72時間NOEC = 0.038 mg/L(SIDS, 2011))であることから、区分1となる。
慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、無機化合物につき環境中の動態が不明であり、魚類(ニジマス)による96時間LC50=0.018 mg/L (ECETOC TR91, 2003) であることから、区分1となる。
以上の結果から、区分1とした。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。

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