項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 7553-56-2 |
名称 | 沃素 (再分類) |
物質ID | H26-B-133, R-059 |
分類実施年度 | 平成26年度 |
分類実施者 | 厚生労働省/環境省 |
新規/再分類 | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 平成18年度 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
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厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 区分外 |
- |
- | - | 不燃性 (ICSC (2004)) |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性、自己反応性に関わる原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 |
- |
- | - | 不燃性 (ICSC (2004)) |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 |
- |
- | - | 不燃性 (ICSC (2004)) |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 金属及び半金属 (B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At) を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類できない |
- |
- | - | ハロゲン物質であるが、データがなく分類できない。なお、強力な酸化剤で、可燃性物質や還元性物質と反応する。金属末、アンチモン、アンモニア、アセトアルデヒド、アセチレンと激しく反応し、火災及び爆発の危険をもたらす(ICSC (2004)) との記載があるが、UN3495、クラス8、副次危険6.1、PGIIIに分類されており、副次危険5.1が付いていないことから区分外と推察される。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 無機化合物 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
- |
- | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分4 |
警告 |
H302 |
P301+P312
P362+P364 P264 P270 P330 P501 |
ラットのLD50値 (EPA TG 870.1100) として、315 mg/kg (EPA Pesticide (2006))、14,000 mg/kg (PATTY (6th, 2012)) との2件の報告がある。これらのデータはそれぞれ区分4と区分外とに該当するので、LD50値の小さい方の区分4とした。新たな情報源 (PATTY (6th, 2012)、EPA Pesticide (2006)) を追加し、区分を見直した。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 |
- |
- | - | ラットのLD50値 (EPA TG 870.1200) として、3,333 mg/kgとの報告 (EPA Pesticide (2006)) に基づき、区分外(国連分類基準の区分5) とした。新たな情報源 (EPA Pesticide (2006)) を追加し、区分を見直した。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 区分1 |
危険 |
H330 |
P304+P340
P403+P233 P260 P271 P284 P310 P320 P405 P501 |
ラットのLC50値 (EPA TG 870.1300) (4時間) として、0.363 mg/L (=35 ppm) との報告 (EPA Pesticide (2006)) に基づき、区分1とした。なお、本物質はGHSの定義における固体であるが、昇華性を有することに加え、LC50値が飽和蒸気圧濃度 (4.108 mg/L (=395ppm)) の90%より低いため、ミストを含まないものとしてppmを単位とする基準値を適用した。新たな情報源 (EPA Pesticide (2006)) を追加し、区分を見直した。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 |
警告 |
H315 |
P302+P352
P332+P313 P362+P364 P264 P280 P321 |
ラットを用いた試験 (吸入ばく露) において重度の浮腫、紅斑、落屑がみられ、腐食性を示すが、これらの影響は重度とは考えられないとの報告 (EPA pestiside (2006)) や、本物質の影響として皮膚腐食性あり (PATTY (6th, 2012)) との記載があるが、ばく露時間や非可逆的影響についての記載はない。 また、本物質の蒸気はヒトの皮膚に対して刺激性を示した (PATTY (6th, 2012)) との記載や、局所作用として皮膚の水ほうを起こす (産衛学会勧告(1993)) との記述がある。以上の結果から、区分2とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2 |
警告 |
H319 |
P305+P351+P338
P337+P313 P264 P280 |
本物質の蒸気はヒトの眼や瞼に対して刺激性を示した (PATTY (6th, 2012)) との記載や、動物の粘膜に対して強度の刺激作用を示す (ACGIH (7th, 2001)) との報告がある。以上の結果から区分2とした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - |
データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分1 |
警告 |
H317 |
P302+P352
P333+P313 P362+P364 P261 P272 P280 P321 P501 |
本物質は、日本産業衛生学会許容濃度勧告で感作性物質:皮膚第2群にリストアップされている (日本産業衛生学会許容濃度勧告 (2014))。また、アレルギー性皮膚炎 (PATTY (6th, 2012)) や、アレルギー反応による発疹 (ACGIH (7th, 2001)) の報告があることから区分1とした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。In vivoデータはなく、in vitroでは、哺乳類培養細胞のマウスリンフォーマ試験で陰性である (ACGIH (2008)、ATSDR (2004)、CICAD 72 (2009))。 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - | ACGIHでA4に分類されている (ACGIH (2008)) ため、「分類できない」とした。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない |
- |
- | - |
データ不足のため分類できない。 なお、本物物質に関するデータはなく、ヨウ素/ヨウ化物の動物に対する生殖/発生影響に関するデータは限られている。しかし、ヒトの症例報告は妊娠中の本物質の非常に過度の摂取量 (報告された最も低い服用130 mg/day) が新生児甲状腺腫/肥大を生じる場合があることを示している (CICAD 72 (2009))。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分3(気道刺激性) |
警告 |
H335 |
P304+P340
P403+P233 P261 P271 P312 P405 P501 |
ヒトでは本物質の蒸気やミストの吸入ばく露で気道刺激性、咳、頭痛、胸部圧迫感、経口摂取で、腹痛、嘔吐、下痢、胃腸管の腐食性傷害の報告がある。(産衛学会許容濃度の提案理由書 (1968)、ACGIH (2008)、CICAD 72 (2009)、PATTY (6th, 2012)、HSDB (Access on September 2014))。実験動物のデータはない。 以上より、本物質は気道刺激性を有するため、区分3(気道刺激性) とした。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1 (甲状腺) |
危険 |
H372 |
P260
P264 P270 P314 P501 |
ヒトでヨウ素の慢性的な過剰摂取では、甲状腺の機能低下症、又は機能亢進症を引き起こす可能性があり (CICAD 72 (2009)、ATSDR (2004))、8 mg/kg/day (約560 mg/day) 超の極端な過剰量では甲状腺機能亢等を生じる(ACGIH (2008)) と記述されている。 実験動物では自己免疫性甲状腺炎を多発する系統のラット、又は胸腺除去処置した汎用ラットに、いずれも0.05%のヨウ素を含む飲水を8週間又は12週間投与により、甲状腺重量増加、抗サイログロブリン抗体の増加を伴い、リンパ球浸潤の組織像を呈する自己免疫性甲状腺炎の頻度増加がみられた (CICAD 72 (2009))。また、ラットに本物質を10週間混餌投与した試験において、0.015-0.23 mg/kg/dayの用量範囲で用量相関性のある甲状腺重量及び抗サイログロブリン抗体の増加がみられた (CICAD 72 (2009))。 以上より、区分1 (甲状腺) とした。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 |
警告 |
H400 |
P273
P391 P501 |
甲殻類(オオミジンコ)による48時間EC50=0.16 mg/L (ECETOC TR91, 2003)であることから、区分1とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分1 |
警告 |
H410 |
P273
P391 P501 |
信頼性のある慢性毒性データが得られていない。無機化合物につき環境中の動態は不明であるが、急性毒性区分1であることから、区分1とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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