項目 | 情報 |
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CAS登録番号 | 7722-64-7 |
名称 | 過マンガン酸カリウム (VII) (再分類) |
物質ID | H26-B-148, R-133 |
分類実施年度 | 平成26年度 |
分類実施者 | 厚生労働省/環境省 |
新規/再分類 | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 平成18年度 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイトへ |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
- |
- | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 区分外 |
- |
- | - | 不燃性である (ICSC (2003))。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 |
- |
- | - | 国連分類UN1490 クラス5.1 副次8 PGIIであり、酸化性固体に分類されている。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 |
- |
- | - | 不燃性である (ICSC (2003))。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 |
- |
- | - | 不燃性である (ICSC (2003))。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分外 |
- |
- | - | 水溶解度6.4 g/100 mL (20℃) (ICSC (2003)) というデータが得られており、水と激しく反応することはないとみられる。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 区分2 |
危険 |
H272 | P370+P378 P210 P220 P221 P280 P501 |
国連分類UN1490 クラス5.1 副次 8 PGIIであることから区分2とした。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
- |
- | - | 無機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
- |
- | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分4 |
警告 |
H302 | P301+P312 P362+P364 P264 P270 P330 P501 |
ラットのLD50値として、379 mg/kg (NITE初期リスク評価書 (2008))、750 mg/kg (NITE初期リスク評価書 (2008)、EHC 17 (1981)) との報告に基づき、区分4とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類対象外 |
- |
- | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分1 |
危険 |
H314 | P301+P330+P331 P303+P361+P353 P305+P351+P338 P304+P340 P260 P264 P280 P310 P321 P363 P405 P501 |
具体的な情報は無いが、本物質は強い腐食性を持つとの記載や、刺激性を持つとの記載がある (HSDB (Access on December 2014))。以上、腐食性を持つとの記載から区分1とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 |
危険 |
H318 | P305+P351+P338 P280 P310 |
具体的な情報は無いが、本物質は強い腐食性を持つとの記載や、刺激性を持つとの記載がある (HSDB (Access on December 2014))。また、本物質は皮膚腐食性/刺激性の分類で区分1とされている。以上より、区分1とした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分2 |
警告 |
H341 | P308+P313 P201 P202 P280 P405 P501 |
In vivoでは、マウス骨髄細胞の小核試験、染色体異常試験で陽性である (NITE初期リスク評価書 (2008)、CICAD 12 (1999)、PATTY (6th, 2012)、ATSDR (2012))。In vitroでは、哺乳類培養細胞の染色体異常試験で陰性、陽性の結果がある (NITE初期リスク評価書 (2008)、CICAD 12 (1999))。以上より、区分2とした。 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
7 | 生殖毒性 | 区分2 |
警告 |
H361 | P308+P313 P201 P202 P280 P405 P501 |
ラットを用いた経口あるいは吸入経路の毒性試験において親動物の一般毒性の記載はないが、精子形成や胎児に影響がみられている (EHC 17 (1981))。みられた影響について詳細が不明であった。しかし、本物質ではないが、本物質と同様に水溶性である塩化マンガンに関するデータとして、雄マウスに塩化マンガンを交配前12週間飲水投与した後無処置の雌と交配した実験では309 mg/kg/day群において雄の授精の阻害がみられ、対照群の雄と交配した雌では28匹中26匹妊娠したのに対して、塩化マンガン309 mg/kg/day投与群の雄と交配した雌では28匹中17匹の妊娠であった (ATSDR (2012)。妊娠ラットを用いた強制経口投与した発生毒性試験において、母動物毒性の記載はないが最高用量 (33 mg マンガン/kg/day ) で着床後吸収胚の増加がみられた (ATSDR (2012))。妊娠マウスを用いた皮下注射での発生毒性試験において、母動物の体重に影響のなかった2 mg/kg/day群で生後4日目の児の生存率が有意に減少し、開眼や精巣下降までの期間延長もみられたが、生存した児が成体になった時点では活動性や学習能に低下はみられなかった (産業衛生学会許容濃度の提案理由書(2014))。 したがって、本物質のデータと塩化マンガンのデータから総合的に判断し区分2とした。 なお、産業衛生学会では許容濃度の勧告 (2014) において、マンガンおよびマンガン化合物を生殖毒性第2群 (暫定) (区分1B相当) に分類している。しかし、許容濃度の勧告の分類は暫定期間中であるので採用しなかった。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分3 (気道刺激性) |
警告 |
H335 | P304+P340 P403+P233 P261 P271 P312 P405 P501 |
本物質のヒトデータは非常に少ない。本物質は気道刺激性との報告 (PATTY (6th, 2012))、子供が174 mg/kgを誤飲した事例で、全身性の影響はみられなかったが、口、食道、胃で刺激性による壊死がみられたとの報告 (NITE初期リスク評価書 (2008)、ATSDR (2012)) がある。実験動物のデータはない。 なお、本物質のデータではないが、マンガンフュームの急性ばく露でフューム熱の発症が認められている (NITE初期リスク評価書 (2008))。また、マンガン粉塵 (特にMnO2とMn3O4) の急性吸入ばく露は肺の炎症反応を引き起こし、時間経過の後、肺の機能障害を引き起こす。肺の毒性は、気管支炎等の感染性を上昇させ、結果としてマンガン肺炎を発症させるとの報告 (CICAD 12 (1999)) がある。 マンガンヒュームや粉塵のデータは、本物質との物性の違いから採用しなかった。 以上より、本物質のデータは非常に限られるが、気道刺激性があり、区分3 (気道刺激性) とした。 旧分類の区分を変更した。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1 (神経系、呼吸器) |
危険 |
H372 | P260 P264 P270 P314 P501 |
肺のうっ血の治療目的でヨウ化カリウムと誤って本物質を低用量 (1.8 mg/kg) で数週間経口摂取したヒトにおいて、脱力感と思考力低下がみられ、4週間で摂取を中断したが、約9ヵ月後にパーキンソン病に類似した症状が発現した (CICAD 12 (1999)、NITE初期リスク評価書 (2008)) との報告があり、代表的なマンガン化合物である二酸化マンガンと同様、本物質もマンガン中毒として神経毒性を生じる症例である。この他、本物質への反復ばく露が明確である報告はヒト、実験動物のいずれもなく、吸入ばく露における標的臓器について、直接的な情報はないが、二酸化マンガンを主体とするマンガン化合物では呼吸器障害 (咳、気管支炎、肺炎など) を生じることが多くの報告事例で明らかにされている (ATSDR (2012))。 以上より、本物質も二酸化マンガン (CAS No.: 1313-13-9) と同様、区分1 (神経系、呼吸器) に分類した。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
- |
- | - | データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | 絵表示 注意喚起語 |
危険有害性情報 (Hコード) |
注意書き (Pコード) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 |
警告 |
H400 | P273 P391 P501 |
甲殻類(ヒゲナガケンミジンコ科)による96時間LC50=0.185 mg/L (0.0765 mg Mn/L) (環境省リスク評価第6巻, 2008)であることから、区分1とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分1 |
警告 |
H410 | P273 P391 P501 |
信頼性のある慢性毒性データが得られていない。無機化合物につき環境中動態が不明であり、急性毒性区分1であることから、区分1とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
- |
- | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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