名称:ジアセチル
CAS番号:431-03-8
物質ID: | H27-A-011/C-011A_P |
分類実施者: | 厚生労働省/環境省 |
分類実施年度: | 平成27年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1)) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分2 | 危険 | H225: 引火性の高い液体及び蒸気 |
P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。 P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 P233: 容器を密閉しておくこと。 P240: 容器を接地すること/アースをとること。 P241: 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器/...機器を使用すること。 P242: 火花を発生させない工具を使用すること。 P243: 静電気放電に対する予防措置を講ずること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
引火点6℃ (closed cup)、沸点88℃ (ICSC (2009)) に基づいて区分2とした。 なお、国連分類はUN2346、クラス3、PGIIである。 | |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 発火点が365℃ (ICSC (2009)) であり、常温で発火しないと考えられる。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属及び半金属 (B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At) を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | データがなく分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分外 | - | - | - | - | ラットのLD50値として、1,580 mg/kg (PATTY (6th, 2012))、3,400 mg/kg (雄)、3,000 mg/kg (雌) (PATTY (6th, 2012)、JECFA FAS 42 (1999)) との3件の報告がある。1件が区分4、2件が区分外 (国連分類基準の区分5) に該当するので、区分外とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 | - | - | - | - | ウサギのLD50値として、> 5,000 mg/kgとの報告 (PATTY (6th, 2012)) に基づき、区分外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。ラットに99.3 ppmを6時間ばく露 (4時間換算値:122 ppm) した結果、毒性影響がみられなかったとの報告 (PATTY (6th, 2012)) がある。飽和蒸気圧濃度68,421 ppmよりも試験濃度が小さいのでppmを単位とする基準値を適用したが、このデータから区分を特定できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | 警告 | H315: 皮膚刺激 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P362+P364: 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 P264: 取扱い後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 |
本物質をウサギの皮膚に適用した試験で、中等度の刺激性あり (PATTY (6th, 2012)) との記載から、区分2とした。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 | 危険 | H318: 重篤な眼の損傷 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 |
本物質をウサギの眼に適用した試験で、刺激性がみられ、21日以内に回復しなかった (PATTY (6th, 2012)) との記載から、区分1とした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分1 | 警告 | H317: アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P333+P313: 皮膚刺激又は発疹が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P362+P364: 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P272: 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
1.25-24%の濃度のジアセチルを用いたマウス局所リンパ節増殖試験 (Local lymph node assay; LLNA) で、EC3値 (媒体対照に対する相対応答倍率である刺激指数が3になる濃度) が1.9% (Anderson et al., Toxicol. Sci., 97, 355, 2007) 又は11.3% (Roberts et al., Contact Dermat., 41, 14, 1999) となり、陽性を示した (PATTY (6th, 2012)) ことから区分1とした。 | |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない | - | - | - | - | 分類ガイダンスの改訂により「区分外」が選択できなくなったため、「分類できない」とした。すなわち、in vivoではラット及びマウスの骨髄細胞を用いた小核試験で陰性の報告がある (NTP DB (Access on June 2015))。In vitroでは哺乳類培養細胞を用いたマウスリンフォーマ試験、姉妹染色分体交換試験及び不定期DNA合成試験で陽性の報告があり (PATTY (6th, 2012))、細菌を用いた復帰突然変異試験で陽性と陰性両方の報告が複数ある (JECFA FAS42 (1999)、NTP DB (Access on June 2015))。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | 国際機関による分類評価もなく、データ不足のため分類できない。なお、A系マウスを用いたスクリーニング試験として、8週間 (週3回)、腹腔投与 (総投与量: 1,700、8,400 mg/kg) した結果、肺腫瘍発生率の増加はみられなかった (PATTY (6th, 2012))。NTPによるラット、マウスを用いた長期吸入ばく露試験が実施中である (NTP testing status (Access on June 2015))。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | 本物質の90%溶液を妊娠ラット、又はマウスに妊娠6-15日に、妊娠ハムスターに妊娠6-10日に、いずれも1,600 mg/kg/dayまでの用量で強制経口投与した催奇形性試験において、いずれの種でも母動物毒性は認められず、胎児の外表、骨格、軟組織に奇形影響もみられなかったとの記述 (PATTY (6th, 2012)、JECFA FAS 42 (1999)、HSDB (Access on June 2015)) がある。しかし、生殖能への影響評価について、分類可能な情報がなく、データ不足のため分類できない。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1 (呼吸器) | 危険 | H370: 臓器の障害(呼吸器) |
P308+P311: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱い後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
本物質は、ラットでは、吸入ばく露で気管支刺激性、99 ppm (0.35 mg/L) -198 ppm (0.70 mg/L) で、鼻腔の好中球性炎症を伴う壊死性化膿性鼻炎、295 ppm (1.04 mg/L) で、鼻腔上皮細胞及び気管支上皮細胞の好中球性炎症を伴う壊死 (壊死性化膿性気管支炎及び鼻炎を含む)、マウス吸入ばく露 (濃度不明) で鼻腔上皮傷害性の報告がある (PATTY (6th, 2012))。また、本物質は皮膚刺激性、眼刺激性があるとの報告 (PATTY (6th, 2012))、気道刺激性の記載 (HSDB (Access on June 2015)) がある。その他の情報はない。 以上より、上記の実験動物で見られた気道の傷害は呼吸器への影響であり、区分1のガイダンス値の範囲でみられた。したがって、区分1 (呼吸器) とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1 (呼吸器) | 危険 | H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(呼吸器) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱い後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトに関する情報はない。 実験動物では、マウスを用いた12週間吸入毒性試験において、区分1に相当する25 ppm (0.088 mg/L) 以上の用量で気管支周囲のリンパ球性炎症、鼻及び嗅上皮の萎縮・化生、区分2に相当する100 ppm (0.35 mg/L) で体重減少、呼吸数減少及び分時呼吸量の減少 (3及び6週時)、中等度の化膿性鼻炎、鼻及び嗅上皮の慢性活動性炎症・上皮の潰瘍・壊死、大気管支萎縮・剥離、小気道及び細気管支に及ぶ変性、気管支周囲のリンパ球性炎症がみられた (PATTY (6th, 2012))。 したがって、区分1 (呼吸器) とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 分類できない | - | - | - | - | データなし |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 分類できない | - | - | - | - | データなし |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし |
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