GHS分類結果

名称:硫化カルボニル
CAS番号:463-58-1

結果:
物質ID: H27-A-012/C-012A_P
分類実施者: 厚生労働省/環境省
分類実施年度: 平成27年度
使用マニュアル: 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1))

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 区分1 危険 H220: 極めて可燃性又は引火性の高いガス P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。
P377: 漏洩ガス火災の場合:漏洩が安全に停止されない限り消火しないこと。
P381: 安全に対処できるならば着火源を除去すること。
P403: 換気の良い場所で保管すること。
UNRTDG分類 UN2204 クラス2.3 副次危険クラス2.1である (爆発限界12-29% (ACGIH (7th, 2012))。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品ではない。
4 支燃性/酸化性ガス 区分外 - - - - UNRTDG分類 UN2204 クラス2.3 副次危険クラス2.1の可燃性又は引火性のガスである。
5 高圧ガス 液化ガス 警告 H280: 高圧ガス:熱すると爆発のおそれ P410+P403: 日光から遮断し、換気の良い場所で保管すること。 臨界温度 (102℃ (GESTIS (Access on June 2015))) は65℃を超えているため、液化ガス (低圧液化ガス) とした。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
7 可燃性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
11 自己発熱性化学品 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 気体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
1 急性毒性(経皮) 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分3 危険 H331: 吸入すると有毒 P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P311: 医師に連絡すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットのLC50値 (4時間) として、590 ppm、1,082 ppm (ACGIH (7th, 2012)) との報告に基づき、区分3とした。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。In vivoのデータはない。In vitroでは細菌を用いた復帰突然試験で弱い陽性との報告がある (NTP DB (Access on June 2015))。
6 発がん性 分類できない - - - - 国際機関による分類結果もなく、データ不足のため分類できない。
7 生殖毒性 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。なお、雄ラットに10週間吸入ばく露後、非ばく露の雌と交配させた試験では、妊娠率の低下がみられたとの記述がある (draft ATSDR (2014))。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1 (中枢神経系) 危険 H370: 臓器の障害(中枢神経系) P308+P311: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師に連絡すること。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱い後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
本物質の情報は多くないが、ラットの吸入ばく露 (1,096 ppm以上) で、痙攣、活動低下、呼吸困難など中枢神経系障害の報告、急性毒性の主たる標的臓器は脳、特に、小脳であるとの報告、急性ばく露で中枢神経系への影響があるとの記載がある (ACGIH (7th, 2012)、HSDB (Access on June 2015)、draft ATSDR (2014))。上記のラット吸入ばく露における用量は、ガイダンス値の区分1に相当した。したがって、区分1 (中枢神経系) とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分2 (中枢神経系) 警告 H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(中枢神経系) P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ヒトに関する情報はない。 実験動物では、ラットを用いた12週間吸入毒性試験において、中枢神経系に対する影響がみられ、200 ppm (ガイダンス値換算:133.3 ppm) 以上でチトクローム酸化酵素活性低下 (3,6,12週目)、300 ppm (ガイダンス値換算:200 ppm) 以上で聴性脳幹誘発電位の低下がみられ、これらは区分2の範囲である。なお、区分2を超える用量である400 ppm (ガイダンス値換算:266.7 ppm) で行動観察試験 (FOB) でみられた変化、体性感覚誘発電位の潜時の変化、病理学的変化、核磁気共鳴顕微鏡 (MRM) 像の変化 (視床後核群、視床下部、後丘の多発性低信号域) がみられた (ACGIH (7th, 2012))。したがって、区分2 (中枢神経系) とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - データなし
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - データなし
12 オゾン層への有害性 分類できない - - - - データなし


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)


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