名称:N,N-ジエチルヒドロキシルアミン【ジエチルヒドロキシルアミン】
CAS番号:3710-84-7
物質ID: | H27-B-012/C-033B_P |
分類実施者: | 厚生労働省/環境省 |
分類実施年度: | 平成27年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1)) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 区分外 | - | - | - | - | 爆発性に関連する原子団 (NO) を含むが、酸素収支が-200より低い (-225) ので区分外とした。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分3 | 警告 | H226: 引火性液体及び蒸気 |
P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。 P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 P233: 容器を密閉しておくこと。 P240: 容器を接地すること/アースをとること。 P241: 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器/...機器を使用すること。 P242: 火花を発生させない工具を使用すること。 P243: 静電気放電に対する予防措置を講ずること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
引火点45℃ (方式不明) (GESTIS (Access on June 2015)) というデータがあり、所定の試験法において区分3に該当すると考えられる。 | |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関連する原子団 (NO) を含むが、データがなく分類できない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類できない | - | - | - | - | データがなく分類できない。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属及び半金属 (B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At) を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類できない | - | - | - | - | フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であり、この酸素が炭素、水素以外の元素 (N) と化学結合しているがデータがなく分類できない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | データがなく分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分外 | - | - | - | - | ラットのLD50値として、2,190 mg/kg (ACGIH (7th, 2013)) との報告に基づき区分外 (国連分類基準の区分5) とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分4 | 警告 | H312: 皮膚に接触すると有害 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P362: 汚染された衣類を脱ぐこと。 P364: そして再使用する場合には洗濯をすること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ウサギのLD50値として、1,300 mg/kg (ACGIH (7th, 2013)) との報告に基づき、区分4とした。 | |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 区分4 | 警告 | H332: 吸入すると有害 |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 |
ラットのLC50値 (4時間) として、3,140 ppmとの報告 (ACGIH (7th, 2013)) に基づき、区分4とした。なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度 (4,421 ppm) の90%より低いため、ミストを含まないものとしてppmを単位とする基準値を適用した。 | |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 | - | - | - | - | ウサギに本物質原液を4時間適用した試験 (49 CFR 173.240) において、全例 (6匹) に刺激性を示す明らかな症状はみられなかった (US EPA/HPV Challenge program (2005)) との報告や、ウサギに対して軽度の刺激性 (ACGIH (7th, 2001))、刺激性なし (ACGIH (7th, 2013)) との報告があることから区分外と判断した。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2B | - | 警告 | H320: 眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱い後は...よく洗うこと。 |
ウサギを用いた眼刺激性試験 (ドレイズ法) の報告が2報において、本物質の原液0.1 mLをウサギの結膜嚢に適用した結果、刺激性は浮腫を伴わない結膜発赤に限られ24時間以内に完全に消失したとの報告や、中等度の結膜炎がみられたが72時間以内に回復したとの報告がある (US EPA/HPV Challenge program (2005)、ACGIH (7th, 2001))。以上の結果から区分2Bとした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分外 | - | - | - | - | モルモットを用いたビューラー試験 (EPA/OPP 81-6、GLP準拠) において、本物質の30%水溶液を適用した試験群および対照群とも惹起後24および48時間の皮膚反応を認めず、陽性率は両群とも0% (それぞれ0/10および0/5) であり、陽性対照群では惹起後24および48時間に全ての部位で紅斑を認め陽性率100% (10/10) であったことから、本物質の30%水溶液は感作性なしと結論されている (US EPA/HPV Challenge program (2005)、HSDB (Access on Jne 2015)、ACGIH (7th, 2013))。以上の結果から、区分外とした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない | - | - | - | - | ガイダンスの改訂により「区分外」が選択できなくなったため、「分類できない」とした。すなわち、in vivoでは、ラットの優性致死試験で陰性及びambiguous (あいまいな結果)、マウス、ラットの骨髄細胞を用いる小核試験で陰性、マウス、ラットの肝不定期DNA合成試験で陰性である (US EPA Challenge program (2005)、ACGIH (7th, 2013))。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験で陰性、哺乳類培養細胞の遺伝子突然変異試験、染色体異常試験、不定期DNA合成試験で陽性である (NITE安全性試験 (2009)、US EPA Challenge program (2005)、ACGIH (7th, 2013))。以上より、in vitroで陽性結果があるが、in vivoの複数の試験系で陰性のため、区分2が妥当とは判断されなかった。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。なお、本物質の経口経路 (飲水) によるプロモーター作用検出試験 (ベンゾピレンでイニシエーション) において、雌で胃の乳頭腫の発生率増加がみられ (雄は増加せず)、プロモーター作用の可能性についての記述がある (ACGIH (7th, 2013))。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | 妊娠ラットの器官形成期 (妊娠6-15日) に強制経口投与した発生毒性試験において、母動物に体重増加抑制、摂餌量低下がみられる用量 (393、568 mg/kg/day) においても、胎児に発生毒性影響は認められなかった (ACGIH (7th, 2013)、U.S. HPV Challenge Program Test Plan (2005))。しかし、本物質の生殖能への影響に関して、マウスを用いた吸入経路でのニトロエタンとの併用ばく露よる3世代試験報告の情報がある (ACGIH (7th, 2013)) だけで、本物質の分類に利用可能なデータはなく、データ不足のため分類できない。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分2 (中枢神経系) | 警告 | H371: 臓器の障害のおそれ(中枢神経系) |
P308+P311: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱い後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトに関する情報はない。実験動物では、ラット、マウスの2,150 mg/kgの経口投与 (区分2超の用量に相当) で筋協調運動の失調、運動性低下 (ACGIH (7th, 2013)、US EPA/HPV Challenge program (2005))、ラットUDS試験の2,000 mg/kg (区分2相当の用量) 経口投与で立毛、嗜眠、マウス小核試験の1,500 mg/kg (区分2相当の用量) 経口投与で嗜眠、振戦 (US EPA/HPV Challenge program (2005))、ラットの11.45 mg/L (区分2相当の用量) 吸入ばく露で、活動低下、ウサギの1,300 mg/kg (区分2相当の用量) 経皮ばく露で、過敏、協調運動失調が認められている (ACGIH (7th, 2013)、US EPA/HPV Challenge program (2005))。以上の症状から、過敏や振戦が認められるため、本物質には中枢神経系影響があり、区分2 (中枢神経系) とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない | - | - | - | - | ヒトに関する情報はない。 実験動物では、ラットを用いた28日間強制経口投与毒性試験 (OECD TG 407、GLP) において、500 mg/kg/day (90日換算:155.5 mg/kg/day) で流涎、赤色眼脂、赤色鼻汁及び赤色尿がみられた (NITE安全性試験 (2009))。これらの所見は分類根拠とする影響ではなく、また区分2の範囲外の用量であった。 ラットを用いた4週間吸入ばく露試験 (84/449/EEC, B.8) において、1,500 ppm (ガイダンス値換算:1.21 mg/L) で上部気道の刺激に伴う一般状態の異常、被毛の汚れ、閉瞼、活動性亢進 (一過性で、FOB観察において有意な変化ではなかった)、爪先立ち歩行、円背位姿勢、体重増加抑制、摂餌量減少、白血球百分率の変化 (分節核好中球増加、リンパ球減少)、ALP・無機リン・胆汁酸・ALT増加、胸腺絶対・相対重量減少、肝臓絶対・相対重量増加、腸骨・膝窩リンパ節で髄質の形質細胞増加がみとめられた (US EPA Challenge program (2005)、ACGIH (7th, 2013))。これらの所見は区分2の範囲外の用量であるが上限 (1.0 mg/L) 近傍であった。 したがって、データ不足のため分類できないとした。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分外 | - | - | - | - | 甲殻類(オオミジンコ)48時間EC50 = 110.56 mg/L(IUCLID, 2000、HSDB, 2008)であることから、区分外とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分外 | - | - | - | - | 信頼性のある慢性毒性データが得られていない。難水溶性ではなく(水溶解度=89000 mg/L、PHYSPROP Database, 2009)、急性毒性が区分外であることから、区分外とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし |
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