名称:金属アルミニウム
CAS番号:7429-90-5
物質ID: | H27-B-015/C-036B_P |
分類実施者: | 厚生労働省/環境省 |
分類実施年度: | 平成27年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1)) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 区分外 | - | - | - | - | ブロック状のアルミニウムは不燃性である (GESTIS (Access on July 2015))。なお、空気中に細かい粒子が分散した時には爆発性を有するとの記載がある (ICSC (2000))。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 発火点が590℃ (ICSC (2000)) であり常温で発火しないと考えられる。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | ブロック状のアルミニウムは不燃性である (GESTIS (Access on July 2015))。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分2、区分3 |
危険 警告 |
H261: 水に触れると可燃性又は引火性ガスを発生 |
P231+P232: 湿気を遮断し、不活性ガス下で取り扱うこと。 P335+P334: 固着していない粒子を皮膚から払いのけ、冷たい水に浸すこと/湿った包帯で覆うこと。 P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。 P402+P404: 乾燥した場所で密閉容器に保管すること。 P223: 水と接触させないこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ブロック状のアルミニウムは空気中で酸化被膜を作り (アルマイト)、内部は侵されない (化学大辞典)。粉末は水と接触すると、火災や爆発の危険性があるとの記載があり (ICSC (2000))、アルミニウム粉末 (表面を被覆していないもの) はUNRTDG分類、UNUN1396、クラス4.3、PGII、IIIに分類されており区分2又は3に該当する。 | |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 無機物質である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 無機物質である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。なお、本物質のダストは眼に軽い炎症を起こす可能性があるとの記載がある (HSDB (Access on June 2015))。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。すなわち、金属アルミニウムのin vivoデータ及びin vitroデータはない。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | 1970年代にアルミニウム還元工場の電解槽の作業者に膀胱がん、肺がんの発生頻度の増加が報告され、IARCではアルミニウム精錬作業への従事と作業者の発がんリスク増加が関連づけられたが、発がんの直接原因はアルミニウム自体ではなく、電解槽中の電極の分解物から副生した発がん性既知の多環芳香族炭化水素化合物群、或いはコールタールピッチの揮発成分が原因物質ではないかと推定された (IARC Suppl. 7 (1984)、ACGIH (7th, 2008)、ATSDR (2008))。その後の疫学研究結果も本物質ばく露による呼吸器機能障害、或いは呼吸器の非腫瘍性病変を示唆する報告はあるが、発がん性に関する報告はなく (ACGIH (7th, 2008)、ATSDR (2008))、ACGIHはA4に分類している (ACGIH (7th, 2008))。以上より、本項は分類できないとした。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | 本物質ばく露による生殖毒性に関する情報はなく、データ不足のため分類できない。なお、塩化アルミニウム、又は乳酸アルミニウムを妊娠ラットの妊娠期間中、又は新生児ラットの生後5-17日に経口経路で投与した試験では、新生児の神経行動発達の遅延、或いは行動量の減少がみられたとの報告がある (ACGIH (7th, 2008)、ATSDR (2008))。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1 (呼吸器) | 危険 | H370: 臓器の障害(呼吸器) |
P308+P311: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱い後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
本物質 (ダスト、パウダー) は気道刺激性がある (HSDB (Access on June 2015))。ヒトでは、本物質 (ダスト) を吸入すると、塵肺 (アルミニウム肺症) のような肺の障害を引き起こすことがある (HSDB (Access on June 2015))。実験動物では、ラットの本物質 (ダスト) 吸入単回ばく露により、0.05 mg/Lで肺機能に変化はなかったが、気管支肺胞洗浄液中の酵素及び細胞学的変化がみられ、0.2 mg/Lでは肺及び肺門リンパ節の小肉芽腫の発生 (光顕観察による) の報告がある。これらは区分1に相当する用量でみられた (ACGIH (7th, 2008)、PATTY (6th, 2012))。 以上より、本物質は吸入ばく露で呼吸器への影響があり、区分1 (呼吸器) とした。なお、気道刺激性は呼吸器への影響に含めた。 新たな情報を追加し、旧分類の区分を見直した。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1 (呼吸器) | 危険 | H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(呼吸器) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱い後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトについては、アルミニウム及びアルミニウム化合物製造関係の1,142名の労働者 (1975-1981年) の疫学調査において、高濃度のダスト (総ダストとして> 100 mg/m3 - 年) へのばく露で肺機能への影響がみられ、胸部X腺検査で肺の下部に小さく不規則な結節が7-8%に報告されている (ACGIH (7th, 2008))。 実験動物において、本物質を用いた試験の報告はない。 したがって、区分1 (呼吸器) とした。 なお、ヒトにおいて認知テスト成績の低下が認められたとの記述があるが、いずれも明確な結論は得られていない (ATSDR (2008))。また、現在、アルミニウムはアルツハイマー病を起こす要因ではないとの記載、多くの研究において、アルミニウムと神経障害との関係には一貫性がない との記載がある(ACGIH (7th, 2008))。したがって、中枢神経系については標的臓器に含めない。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 分類できない | - | - | - | - | 適切なデータが得られておらず分類できない。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 分類できない | - | - | - | - | データなし |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし |
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