GHS分類結果

名称:2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ジ-ターシャリ-ペンチルフェノール【UV-328】
CAS番号:25973-55-1

結果:
物質ID: H27-A-028/C-058A_P
分類実施者: 厚生労働省/環境省
分類実施年度: 平成27年度
使用マニュアル: 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1))

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 分類できない - - - - データがなく分類できない。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 区分外 - - - - 発火点が390℃ (GESTIS (Access on July 2015) であり常温で発火しないと考えられる。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - 融点が140℃以下の固体に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属及び半金属 (B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At) を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。すなわち、in vivoデータはなく、in vitroでは哺乳類培養細胞の染色体異常試験で陰性である (厚労省既存化学物質毒性データベース (Access on July 2015))。
6 発がん性 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
7 生殖毒性 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1 (肝臓)、区分2 (腎臓) 警告
危険
H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(腎臓)
H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(肝臓)
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱い後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ヒトに関する情報はない。 実験動物では、ラットを用いた90日間混餌投与毒性試験において、100 ppm (雄:5.8〜13.2 mg/kg/day、雌:6.8〜13.1 mg/kg/day) 以上で肝臓傷害 (肝細胞壊死、大きさや形、及びクロマチン量の異なる核を伴う実質細胞の腫大、2核の肝細胞の増加、胆管増生) がみられ、800 ppm以上 (雄:52.7〜98.7 mg/kg/day) で腎臓の尿細管腎症がみられている (ECHA RAC OPINION (2013))。イヌを用いた90日間混餌投与毒性試験において、60 mg/kg/day以上で肝臓の肝細胞の脂肪変性、肝臓の線維化 (雄) がみられている (ECHA RAC OPINION (2013))。以上のように肝臓への影響は区分1から、腎臓への影響は区分2の範囲でみられた。 したがって、区分1 (肝臓)、区分2 (腎臓) とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分外 - - - - 藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)72時間ErC50 > 0.016 mg/L、甲殻類(オオミジンコ)48時間EC50 > 0.083 mg/L、魚類(メダカ)96時間LC50 > 0.078 mg/L(いずれも環境省生態影響試験, 2006)であることから、区分外とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分1 警告 H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
慢性毒性データを用いた場合、急速分解性に関するデータは得られていないが、難分解性とされており(経済産業公報, 2008)、藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)の72時間NOEC (r) = 0.016 mg/L(環境省生態影響試験, 2006)であることから、区分1となる。 慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、甲殻類及び魚類ともに急性毒性が区分外相当であるが、急速分解性に関するデータは得られていないが、難分解性とされており(経済産業公報, 2008)、生物濃縮性が高いと推測される(LogPow=7.25(PHYSPROP Database, 2009))ことから、区分4とした。 以上の結果を比較し、区分1とした。
12 オゾン層への有害性 分類できない - - - - データなし


分類結果の利用に関する注意事項:
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 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)


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