名称:4,4'-ジアミノジフェニルスルフィド (別名4,4'-チオジアニリン、チオジアニリン)
CAS番号:139-65-1
物質ID: | H27-B-057/C-093B_P |
分類実施者: | 厚生労働省/環境省 |
分類実施年度: | 平成27年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1)) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データがなく分類できない。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データがなく分類できない。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属および半金属 (B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At) を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 酸素、フッ素および塩素を含まない有機化合物である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分4 | 警告 | H302: 飲み込むと有害 |
P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 P362+P364: 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 P264: 取扱い後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P330: 口をすすぐこと。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットのLD50値として、1,100 mg/kg (DFGOT vol. 4 (1992)、IARC 27 (1982)) に基づき、区分4とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。すなわち、in vivoデータはなく、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の染色体異常試験、姉妹染色分体交換試験で陽性である (IARC 27 (1982)、DFGOT vol. 4 (1992)、NTP DB (Access on October 2015))。 旧分類では区分2としていたが、旧分類に記載されていたマウスDNA損傷試験の陽性知見 (RTECS (2005)) を使用しないことにより、分類を変更した。 |
6 | 発がん性 | 区分2 | 警告 | H351: 発がんのおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
本物質に特定したばく露とヒトの発がん性との相関性の評価が可能な疫学研究報告はない (NTP RoC (13th, 2014))。実験動物ではラット、又はマウスを用いた経口経路での発がん性試験において、ラット、マウスの雌雄いずれも肝臓腫瘍 (肝細胞がん、又は肝細胞の腺腫)、甲状腺濾胞上皮細胞がん、又は甲状腺濾胞細胞の腺腫/がんの合計発生頻度 (雌マウスのみ) 有意な増加、加えて雄ラットでは外耳道扁平上皮の良性及び悪性腫瘍の合計発生頻度、一方、雌ラットでは子宮における腺がんの発生頻度の増加がそれぞれ認められた (NTP TR 47 (1978)、IARC vol. 27 (1987)、NTP RoC (13th, 2014))。国際機関による発がん性分類としては、IARCが「2B」に (IARC vol. 28 (1987))、日本産業衛生学会が「2B」に (許容濃度の勧告 (2014))、NTPが「R」に (NTP RoC 13th ed. (2014))、EUが「Carc. 1B」 に (ECHA CL Inventory (Access on September 2015))、それぞれ分類している。ヒトでの疫学情報はなく、EUの分類根拠も不明な状況であり、EU以外の分類結果を基に本項は区分2とした。 | |
7 | 生殖毒性 | 区分2 | 警告 | H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトの生殖影響に関する情報はない。 実験動物では、妊娠ラットに強制経口投与後 (妊娠1〜5日)、妊娠10日に着床の有無を確認した結果、50 mg/kg/dayで着床数の有意な減少、100 mg/kg/day以上で着床の完全阻害がみられた (DFGOT vol. 4 (1992)) との記述がある [注: IARC vol. 27 (1982) にも同様の記述があるが、試験動物種のマウスはラットの誤りであることを原著 (Kamboj V.P. and Kar A.B. (1966)) にて確認] が、この他には分類に利用可能なデータはない。よって、本項は区分2とした。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分2 (甲状腺、肺、肝臓) | 警告 | H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(甲状腺、肺、肝臓) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトの反復ばく露影響に関する情報はない。実験動物ではラットに本物質を68-72週間混餌投与した発がん性試験において、非腫瘍性病変としては1,500 ppm (約 75 mg/kg/day (分類実施者換算)) で甲状腺濾胞上皮細胞の過形成、1,500 ppm 以上の用量で肺胞及び細気管支の扁平上皮化生、肝臓に肝細胞及び胆管の過形成がみられている (NTP TR 47 (1978)、IARC 27 (1982))。甲状腺濾胞上皮細胞の過形成はマウスを用いた77〜79週間混餌投与試験においても、区分2範囲を超える2,500 ppm (約125 mg/kg/day (同)) 以上の用量でみられ、本物質投与に関連した影響と記述されており (NTP TR 47 (1978))、肺、肝臓に加えて甲状腺も標的臓器とした。よって、本項は区分2 (甲状腺、肺、肝臓) とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 分類できない | - | - | - | - | データなし |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 分類できない | - | - | - | - | データなし |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし |
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