GHS分類結果

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一般情報

項目 情報
CAS番号 27176-87-0
名称 ドデシルベンゼンスルホン酸
物質ID H28-B-14-METI, M-017B
分類実施年度 平成28年度
分類実施者 経済産業省/環境省
新規/再分類 (危険物/有害物)  再分類・見直し
他年度における分類結果 平成19年度   平成18年度    
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関連情報

項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) GHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1))
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) 職場のあんぜんサイト
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) 職場のあんぜんサイト
OECD/eChemPortal(外部リンク) eChemPortal

物理化学的危険性

危険有害性項目 分類結果 危険有害性絵表示
(コード: シンボル)
注意喚起語
コード
(危険有害性情報)
コード
(安全対策注意書き)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外
-

-
- -   爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における液体である。
3 エアゾール 分類対象外
-

-
- -   エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における液体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における液体である。
6 引火性液体 区分外
-

-
- -   引火点148.9℃ (開放式、ICSC (2002)) というデータがあり、所定の測定法においても区分外に該当すると考えられる。
7 可燃性固体 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における液体である。
8 自己反応性化学品 分類対象外
-

-
- -   爆発性及び自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 区分外
-

-
- -   UNRTDGにおいてUN 2584及び2586、クラス8 (腐食性物質) 容器等級U及びVに分類されており、優先評価項目の自然発火性物質には該当しないと考えられる。
10 自然発火性固体 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における液体である。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-

-
- -   液体状の物質に適した試験法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 区分外
-

-
- -   水に非常によく溶ける (ICSC (2002)) というデータがあり、水と急激な反応をしないと考えられる。
13 酸化性液体 分類できない
-

-
- -   炭素、水素以外の元素 (S) と化学結合している酸素を含む有機化合物であるが、データがなく分類できない。
14 酸化性固体 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外
-

-
- -   分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない
-

-
- -   データがなく分類できない。
  なお、ICSC (2002) では金属を侵すとし、漏洩時は封の出来る非金属製容器に集めるとしている。

健康に対する有害性<

危険有害性項目 分類結果 危険有害性絵表示
(コード: シンボル)
注意喚起語
コード
(危険有害性情報)
コード
(安全対策注意書き)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4

警告
H302 P264
P270
P301+P312
P330
P501
  ラットのLD50値として、650 mg/kg (SIDS (2012)) に基づき、区分4とした。
  なお、この値はC12のLAS (直鎖アルキルベンゼンスルホン酸) のLD50値であるが、SIDS (2012) では、本物質のLD50値として採用している。
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
   なお、ウサギのLD50値として、1,200 mg/kg (EPA RED (2006)) との報告があるが、対象物質が不明確であるため、分類には採用しなかった。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-

-
- -   GHSの定義における液体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
   なお、ラットのLC50値として、0.31 mg/L (EPA RED (2006)) との報告があるが、ばく露時間及び対象物質が不明確であるため、このデータのみでは分類できない。
   なお、LC50値が飽和蒸気圧濃度 (0.04 ng/L) より高いため、ミストとしての基準値を適用した。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2

警告
H315 P264
P280
P302+P352
P321
P332+P313
P362+P364
  LAS (直鎖アルキルベンゼンスルホン酸) はヒトに対して軽度から中等度の一次刺激性を示す (EHC 169 (1996)) との記載や、20%以上の濃度で刺激性を持つとの記載がある (EHC 169 (1996)、EPA RED (2006))。
  実験動物の報告では、ウサギを用いた皮膚刺激性試験 (EPA 870.2500) において適用72時間後に強い刺激性がみられたとの報告や (EPA RED (2006))、ラットの背部に0、20、30%のLAS 0.5 gを15日間塗布した結果、30%群において紅斑及び浮腫、痂皮が生じたとの報告がある (NITE初期リスク評価書 (2005)) 。
  一方、SIDS (2012) では、本物質を主体としたLASとして、皮膚、眼ともに軽微な刺激性で、高濃度でも回復は早いとしている (SIDS (2012))。
  以上、刺激性ありとの報告が複数あることから区分2とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1

危険
H318 P280
P305+P351+P338
P310
  ウサギを用いた眼刺激性試験 (EPA 870.2400) において、LAS (直鎖アルキルベンゼンスルホン酸) を適用した結果、角膜混濁がみられ、72時間以内に回復しなかったとの報告がある (EPA RED (2006))。
  また、ウサギを用いた別の眼刺激性試験において、0〜5%の LASを 0.1 mL 適用した結果、5%溶液群で結膜浮腫、角膜混濁、充血等の激しい症状が認められたが5日後に回復していることから、LAS は一過性の強い刺激性を有するが回復性を示すとの記載 (NITE初期リスク評価書 (2005)、SIDS (2012)) がある。
  以上、低濃度の適用で激しい症状が認められていることから、区分1とした。
  旧分類の情報はList 3であるため採用しなかった。
4 呼吸器感作性 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
4 皮膚感作性 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
  なお、LAS (直鎖アルキルベンゼンスルホン酸) についてマキシマイゼーション試験及びビューラー試験の報告がある。
  モルモットを用いたマキシマイゼーション法において、LAS (Lot A及びLot B) を適用した結果、陽性反応率はLot Aで65%、Lot B で45%以上であった (NITE初期リスク評価書 (2005))。
  また、モルモットを用いたビューラー試験の結果、陽性反応率は Lot A では 5%、Lot B で 0%であったとの報告がある (NITE初期リスク評価書 (2005))。
  さらに、ヒトによる感作性試験で LAS の感作性は陰性という報告がある (NITE初期リスク評価書 (2005))。
  旧分類のOECD SIDSの陰性の結果は確認できなかった。
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
  In vivoでは、マウスの優性致死試験、マウスの骨髄細胞を用いた小核試験、ラットの骨髄細胞を用いた染色体異常試験で陰性 (NITE初期リスク評価書 (2007)、EHC 169 (1996))の報告があるが、LAS (直鎖アルキルベンゼンスルホン酸) としての結果であり、本物質に特化した結果ではない。
  In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞を用いる染色体異常試験で陰性である (SIDS (2012)、NITE初期リスク評価書 (2007)、EHC 169 (1996))。
6 発がん性 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
7 生殖毒性 分類できない
-

-
- -   ラットを用いた強制経口投与による反復投与毒性・生殖発生毒性併合試験 (OECD TG 422) において、親動物、児動物ともに有害影響は認められなかった (SIDS (2012))。
  ただし、本試験はスクリーニング試験のため、この結果のみで区分外とできず、この他に分類に利用可能なデータはない。
  したがって、データ不足のため分類できない。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない
-

-
- -   データ不足のため分類できない。
  ヒトでの本物質の単回ばく露のデータはない。
  動物実験ではラットの単回経口投与試験で、1,580 mg/kgで下痢、衰弱及び死亡前の自発運動低下が認められたが、剖検結果では顕著な異常はみられなかったとの報告がある (SIDS (2012)、SIDS Dossier (2012))。
  これらの症状だけでは分類根拠として不十分であるため分類できないとした。
  なお、自殺企図によりLAS (直鎖アルキルベンゼンスルホン酸: 鎖長不明) 21%水溶液160 mLを経口摂取した女性が、錯乱、嘔吐、咽頭及び口腔内疼痛、血圧低下を示したとの報告が1例ある (EHC 169 (1996)、NITE初期リスク評価書 (2005)。
  また、旧分類は本物質が気道に対して腐食性を示すとのICSC(J) の記述に基づいて区分2 (呼吸器) としていたが、ICSC(J) は現在のガイダンスではList 3の情報源であり、他に呼吸器への影響を示す情報も得られなかったため、分類結果を変更した。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
-

-
- -   ヒトに関する情報はない。
   実験動物では、ラットを用いた強制経口投与による反復投与毒性・生殖発生毒性併合試験 (OECD TG 422) において、区分2相当の200 mg/kg/day (90日間換算値: 62 mg/kg/day (雄の最短投与日数である28日間を基に算出)) 以上で胃の扁平上皮細胞過形成がみられ、区分2を超える用量である400 mg/kg/day (90日間換算値: 124 mg/kg/day (雄の最短投与日数である28日間を基に算出)) で死亡 (雄1例)、軟便、液状便及び肛門周囲の被毛汚れ、体重及び摂餌量減少、活性化部分トロンボプラスチン時間の短縮、A/G比及びALT増加、アルブミン減少、唾液腺及び心臓の絶対重量減少、前胃のびらん/潰瘍がみられている (SIDS (2012))。
   胃の所見は刺激による所見と考えられるため分類根拠としなかった。
  したがって、分類できないとした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-

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- -   データ不足のため分類できない。

環境に対する有害性

危険有害性項目 分類結果 危険有害性絵表示
(コード: シンボル)
注意喚起語
コード
(危険有害性情報)
コード
(安全対策注意書き)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分2
絵表示なし


注意喚起語なし
H401 P273
P501
  甲殻類(オオミジンコ)48時間EC50 = 3.4 mg/L(環境庁生態影響試験, 1999)であることから、区分2とした。
   なお、平成25年に直鎖アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩(LAS)の水生生物保全に係る水質目標値が設定されており、本分類では環境省より公表された検討資料において示された水質目標値導出に利用可能な毒性値のうち、ドデシルベンゼンスルホン酸が用いられているデータを採用して分類を行った。
11 水生環境有害性(長期間) 区分2

注意喚起語なし
H411 P273
P391
P501
  慢性毒性データを用いた場合、ドデシルベンゼンスルホン酸の急速分解性に関する適切なデータは得られていないが、甲殻類(オオミジンコ)の21日間NOEC(繁殖) = 3.3 mg/L(環境庁生態影響試験, 1999)であることから、区分外となる。
   慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、ドデシルベンゼンスルホン酸の急速分解性に関する適切なデータは得られておらず、魚類(メダカ)の96時間LC50 = 4.5 mg/L(環境庁生態影響試験, 1999)であることから、区分2となる。
   以上の結果を比較し、区分2とした。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-

-
- -   データなし


分類結果の利用に関する注意事項:
  * 「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」のコードにマウスカーソルに重ねると、「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が表示されます。
    また、Excel fileでは、コードと共に「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が記載されてあります。
  * 「分類結果」の欄が空欄、又は『 - 』となっている「危険有害性項目」は、分類が実施されていないため、前回に実施した分類結果が最新の情報となります。
  * 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。
    ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
  * 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。
    他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

更新履歴:
  2017/7/25

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