項目 | 情報 |
---|---|
CAS番号 | 10377-66-9 |
名称 | 硝酸マンガン(U) |
物質ID | H28-A-054, C-113A |
分類実施年度 | 平成28年度 |
分類実施者 | 厚生労働省/環境省 |
新規/再分類 (危険物/有害物) | 新規分類 |
他年度における分類結果 | |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
---|---|
分類に使用したガイダンス(外部リンク) | GHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1)) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) | |
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
危険有害性絵表示 (コード: シンボル) 注意喚起語 |
コード (危険有害性情報) |
コード (安全対策注意書き) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 区分外 |
|
- | - |
爆発性に関連する原子団 (硝酸塩類) を含むが、国連分類UN2724、クラス5.1、PGIIIに分類されているので、優先評価項目の爆発物には該当しない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
|
- | - |
GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
|
- | - |
エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
|
- | - |
GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
|
- | - |
GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 |
|
- | - |
GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 区分外 |
|
- | - |
不燃性である (GESTIS (Access on August 2016))。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 |
|
- | - |
爆発性に関連する原子団 (硝酸塩類) を含むが、酸化性固体に分類されている。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 |
|
- | - |
GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 |
|
- | - |
不燃性である (GESTIS (Access on August 2016))。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 |
|
- | - |
不燃性である (GESTIS (Access on August 2016))。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分外 |
|
- | - |
金属 (Mn) を含むが、水溶解度について380 g/100 g (GESTIS (Access on August 2016)) との測定データが得られており、水と急激な反応はしないと考えられる。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 |
|
- | - |
GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 区分3 |
|
H272 |
P210 P220 P221 P280 P370+P378 P501 |
国連分類UN2724、クラス5.1、PGIII であることから区分3とした。 また、GESTIS (Access on August 2016)には、「酸化性を有する」 との記載がある。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
|
- | - |
無機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
|
- | - |
固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
危険有害性絵表示 (コード: シンボル) 注意喚起語 |
コード (危険有害性情報) |
コード (安全対策注意書き) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 分類できない |
|
- | - |
データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない |
|
- | - |
データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
|
- | - |
GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類対象外 |
|
- | - |
GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
|
- | - |
データ不足のため分類できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 分類できない |
|
- | - |
データ不足のため分類できない。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 分類できない |
|
- | - |
データ不足のため分類できない。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
|
- | - |
データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない |
|
- | - |
データ不足のため分類できない。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない |
|
- | - |
データ不足のため分類できない。 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
|
- | - |
本物質自体のデータはないが、2価の可溶性マンガン化合物のデータとして、硫酸マンガン一水和物をラット、又はマウスに2年間混餌投与したNTPによる発がん性試験報告がある。 すなわち、ラットでは雌雄ともに発がん性の証拠はなかったが、マウスでは雌雄ともに甲状腺濾胞細胞腺腫の軽微な増加がみられ、発がん性の証拠は不明瞭とNTPにより結論されている (NITE初期リスク評価書 (2008)、NTP TR428 (1993)、CICAD 12 (1999)、ATSDR (2012))。 マンガン化合物に対する国際機関による分類結果はない。 以上、本項はデータ不足のため分類できない。 |
7 | 生殖毒性 | 区分1B |
|
H360 |
P201 P202 P280 P308+P313 P405 P501 |
本物質自体のデータはないが、2価の可溶性マンガン化合物のデータが利用可能と考えられる。 すなわち、塩化マンガン四水和物を妊娠マウスに皮下投与 (妊娠6〜15日) した試験では、母動物に体重増加抑制、摂餌量減少がみられる用量、又はそれ以下の用量で胎児に胚吸収増加、腎不全形成、波状肋骨などがみられた (NITE初期リスク評価書 (2008)、CICAD 12 (1999))。 また、塩化マンガンを妊娠ラットの器官形成期 (妊娠6〜17日) に静脈内投与した試験でも、母動物毒性 (体重増加抑制、着床数減少) 発現量より低い用量から胎児に体重低値、骨格異常、波状肋骨、四肢彎曲がみられている (NITE初期リスク評価書 (2008)、CICAD 12 (1999))。 さらに、硫酸マンガンを妊娠マウスに妊娠8日に単回腹腔内投与した試験で外脳症及び胚吸収の増加が認められ、より高用量投与では着床阻害を生じたとの報告もある (NITE初期リスク評価書 (2008))。 一方、塩化マンガンを妊娠ラットに妊娠期間を通して飲水投与した試験では、母動物毒性発現量 (体重増加抑制、摂水量減少) を上回る用量でも児動物に体重の低値がみられただけであった (NITE初期リスク評価書 (2008))。 以上の通り、本物質を含む2価の可溶性マンガン化合物の毒性情報は限定的であるが、皮下、静脈内、腹腔内など注射経路で胎児に骨格異常、外表奇形、着床阻害などがみられている。 日本産業衛生学会は、疫学的証拠としては弱いもののマンガン中毒患者でインポテンスや性欲減退がみられたとの症例報告と実験動物で胎児毒性がみられたことを根拠に、マンガン及びマンガン化合物に対し生殖毒性第2群に分類した (許容濃度の勧告 (2014))。 以上、2価の可溶性マンガン化合物の実験動物を用いた試験結果等より、本項は区分1Bが妥当とした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 分類できない |
|
- | - |
データ不足のため分類できない。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(神経系、呼吸器) |
|
H372 |
P260 P264 P270 P314 P501 |
本物質自体についての情報はない。 しかし、CICAD 12 (1999) に以下の記載がある。 「慢性的にマンガンに吸入ばく露した場合、影響を受ける主な器官は、肺、神経系、生殖器系である。 神経系への影響には、マンガニズムとして知られるパーキンソニズム様症状を引き起こすような神経学的及び神経精神病の症状も含まれる。 マンガンの慢性吸入ばく露によって生ずる生殖系への影響には、男性では性欲減退、インポテンス、受精率の低下などがあるが、女性の生殖系への影響に関する情報はない。 職業上マンガンに長期ばく露されると、進行性の神経的機能不全を来たし、マンガニズムといわれる日常生活に支障を来すような症状 (disabling syndrome) を誘発する。 マンガニズムは、溶接職人、あるいは鉱山や鋳物工場内で、高レベルのマンガン粉じんかヒュームにばく露された作業員で記録されてきた。 また、マンガニズム様の疾病は、日本の6家族 (推定数25人) でもみられている。 この場合には、飲み水により、高濃度のマンガンにばく露されている。 症状は、仮面様顔貌、筋肉の硬直や震え、及び精神障害などである。 これらの影響は、井戸のそばに埋められていたバッテリーから滲出したマンガン (14 mg/L) を含む井戸水からの汚染によるものと想定されている。 症例報告として、過マンガン酸カリウム (1.8 mg/kg) を数週間にわたって摂取した後に、衰弱及び知的障害を示しばく露を中止後にパーキンソン病に似た症状が報告されている。 神経性の影響は、色々な種類のマンガン化合物により、ヒトでは長期吸入ばく露によって、また動物では中期あるいは長期経口ばく露によって起きる可能性がある。 」 また、二酸化マンガンを主体とするマンガン化合物では呼吸器障害 (咳、気管支炎、肺炎など) を生じることが多くの報告事例で明らかにされている (ATSDR (2012))。 以上のうち、生殖器については、男性生殖器毒性というより生殖能に関連する所見と考えられるため標的臓器としなかった。 したがって、区分1 (神経系、呼吸器) とした。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
|
- | - |
データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
危険有害性絵表示 (コード: シンボル) 注意喚起語 |
コード (危険有害性情報) |
コード (安全対策注意書き) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
11 | 水生環境有害性(急性) | 分類できない |
|
- | - | データなし |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 分類できない |
|
- | - | データなし |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
|
- | - | データなし |
* 「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」のコードにマウスカーソルに重ねると、「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が表示されます。 また、Excel fileでは、コードと共に「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が記載されてあります。 * 「分類結果」の欄が空欄、又は『 - 』となっている「危険有害性項目」は、分類が実施されていないため、前回に実施した分類結果が最新の情報となります。 * 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。 ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。 * 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。 他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。 |
2017/7/25 |