項目 | 情報 |
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CAS番号 | 1317-38-0 |
名称 | 酸化銅(U) |
物質ID | H28-A-062, C-121A |
分類実施年度 | 平成28年度 |
分類実施者 | 厚生労働省/環境省 |
新規/再分類 (危険物/有害物) | 新規分類 |
他年度における分類結果 | |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | GHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1)) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) | |
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
危険有害性絵表示 (コード: シンボル) 注意喚起語 |
コード (危険有害性情報) |
コード (安全対策注意書き) |
分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 |
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- | - |
爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
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- | - |
GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
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- | - |
エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
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- | - |
GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
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- | - |
GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 |
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- | - |
GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 区分外 |
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- | - |
不燃性である (GESTIS (Access on August 2016))。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 |
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- | - |
分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 |
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- | - |
GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 |
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- | - |
不燃性である (GESTIS (Access on August 2016))。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 |
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- | - |
不燃性である (GESTIS (Access on August 2016))。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分外 |
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- | - |
水に不溶 (Merck (15th, 2013)) との観察結果があり、水と激しく反応することはないと考えられる。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 |
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- | - |
GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類できない |
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- | - |
酸素を含む無機化合物であるが、データがなく分類できない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
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- | - |
無機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
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- | - |
固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
危険有害性絵表示 (コード: シンボル) 注意喚起語 |
コード (危険有害性情報) |
コード (安全対策注意書き) |
分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分外 |
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- | - |
ラットのLD50値 (OECD TG 423) として、> 2,000 mg/kg (SIAP (2014)) との報告に基づき、区分外とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 |
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- | - |
ラットのLD50値 (OECD TG 402) として、> 2,000 mg/kg (SIAP (2014)) との報告に基づき、区分外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
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- | - |
GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類対象外 |
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- | - |
GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
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- | - |
データ不足のため分類できない。 なお、ラットのLC50値として、> 2.08 mg/L (EPA RED (2006)) との報告があるが、ばく露時間が不明のため分類できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 |
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- | - |
ウサギの皮膚刺激性試験で軽度の刺激性 (PI指数1.49) がみられ (EPA RED (2009))、区分外 (国連分類基準の区分3) と考えられた。 また、ウサギの皮膚刺激性試験 (OECD TG 404) では刺激性なしとの報告がある (SIAP (2014)) ことから、区分外 (国連分類基準の区分3) とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 分類できない |
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- | - |
データ不足のため分類できない。 なお、ウサギの眼刺激性試験で、詳細不明であるが、刺激性が見られ7日後に回復したとの記述がある (EPA RED (2009))。 一方、ウサギの眼刺激性試験 (OECD TG 405) では刺激性は認められなかった (SIAP (2014))。 相反するデータが存在することから、分類できないとした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
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- | - |
データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分1A |
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H317 |
P261 P272 P280 P302+P352 P333+P313 P321 P362+P364 P501 |
日本産業衛生学会許容濃度勧告では、銅及び銅化合物は皮膚感作性第2群に指定されている (産衛学会勧告 (2016)) ことから、区分1Aとした。 なお、モルモットの皮膚感作性試験 (OECD TG 406.、マキシマイゼーション法) で陰性 (誘発後48時間で反応なし) との報告 (SIAP (2014)) や、モルモットの皮膚感作性試験で陰性との報告 (EPA RED (2009)) があるが詳細が不明であるため採用しなかった。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない |
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- | - |
データ不足のため分類できない。 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
|
- | - |
データ不足のため分類できない。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない |
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- | - |
データ不足のため分類できない。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) |
区分1(全身毒性) 区分3(気道刺激性) |
警告 |
H370 H335 H336 |
P260 P264 P270 P308+P311 P321 P405 P501 P261 P271 P304+P340 P312 P403+P233 |
ヒトでは本物質の微粒子粉じんの吸入によりくしゃみ、咳、消化器系の障害と発熱を起こす可能性があるとの記載がある (DFGOT vol. 22 (2004))。 また、銅の溶接の工程中に銅ヒュームの急性吸入ばく露により、高熱、悪寒、頭痛、口と喉の渇き、味覚異常、吐き気、息切れ及び筋肉痛を伴う金属ヒューム熱が発生したとの報告がある (DFGOT vol. 22 (2004)、環境省リスク評価第13巻 (2015)、HSDB (Access on September 2016))。 銅ヒューム中には本物質も含まれる可能性がある。 以上より区分1 (全身毒性)、区分3 (気道刺激性) とした。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない |
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- | - |
データ不足のため分類できない。 なお、ヒトにおいて、銅製錬工場で高純度の銅の研磨・篩い分け工程に従事した労働者 (75〜100人) の健康診査記録 (1970〜1973年) をみると、労働者の39〜70%で肝腫大、10〜15%で消化器系障害、16%で性交不能症などがみられた。 職場の銅濃度は464 mg/m3 (1971年) 〜111 mg/m3 (1973年) の範囲にあり、非ばく露群の血清中銅濃度 (0.76〜1.17 mg/L) をもとに正常値を0.8〜1.2 mg/L とすると、労働者では正常値の超過率が1970年から1973年にかけて40%から92%に増加したと報告されている (環境省リスク評価第13巻 (2015)、DFGOT vol. 22 (2004)、EHC 200 (1998))。 しかし、この知見については、対照群がないこと及びばく露濃度の測定方法の記載がないことから有用性は極めて限られるとされている (EHC 200 (1998))。 また、実験動物については、酸化銅エアロゾルを雄ラットに90〜100日間吸入ばく露した試験で、0.01 mg/m3 以上の群でヘモグロビン濃度及び血清タンパク質濃度、精巣相対重量、運動精子率、精子生存能の低下、0.1 mg/m3 以上の群で赤血球数が有意な増加がみられたとの詳細不明のロシアの報告がある ((環境省リスク評価第13巻 (2015))。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
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- | - |
データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
危険有害性絵表示 (コード: シンボル) 注意喚起語 |
コード (危険有害性情報) |
コード (安全対策注意書き) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 |
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H400 |
P273 P391 P501 |
藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)のLC50(時間不明) = 3.1 ppb(U.S. EPA: RED, 2009)から、区分1とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分1 |
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H410 |
P273 P391 P501 |
無機化合物であり、環境中の動態については不明であるが、藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)のNOEC(時間不明) = 0.2 ppb (US EPA: RED, 2009) であることから、区分1とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
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- | - | データなし |
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2017/7/25 |