項目 | 情報 |
---|---|
CAS番号 | 142844-00-6 |
名称 | リフラクトリーセラミックファイバー |
物質ID | H28-A-066, C-125A |
分類実施年度 | 平成28年度 |
分類実施者 | 厚生労働省/環境省 |
新規/再分類 (危険物/有害物) | 新規分類 |
他年度における分類結果 | |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
---|---|
分類に使用したガイダンス(外部リンク) | GHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1)) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) | MHLW Website (in Japanese Only) |
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | MHLW Website (in Japanese Only) |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
危険有害性絵表示 (コード: シンボル) 注意喚起語 |
コード (危険有害性情報) |
コード (安全対策注意書き) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 |
|
- | - |
爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
|
- | - |
GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
|
- | - |
エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
|
- | - |
GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
|
- | - |
GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 |
|
- | - |
GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 区分外 |
|
- | - |
不燃性である (ICSC(J) (2012))。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 |
|
- | - |
分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 |
|
- | - |
GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 |
|
- | - |
不燃性である (ICSC(J) (2012))。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 |
|
- | - |
不燃性である (HSDB (Access on May 2016))。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分外 |
|
- | - |
水に不溶 (厚労省リスク評価書 (2014)) との観察結果があり、水と激しく反応することはないと考えられる。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 |
|
- | - |
GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類できない |
|
- | - |
酸素を含む無機化合物であるが、データがなく分類できない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
|
- | - |
無機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
|
- | - |
固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
危険有害性絵表示 (コード: シンボル) 注意喚起語 |
コード (危険有害性情報) |
コード (安全対策注意書き) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 分類できない |
|
- | - |
データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない |
|
- | - |
データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
|
- | - |
GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類対象外 |
|
- | - |
GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
|
- | - |
データ不足のため分類できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 |
|
H315 |
P264 P280 P302+P352 P321 P332+P313 P362+P364 |
セラミックファイバー製造作業者の疫学調査において大気中の繊維濃度の増加と皮膚刺激性の発生と関係がみられたといった報告があり (厚労省リスク評価書 (2014)、NIOSH (2006))、さらにNIOSHでは複数の疫学報告で本物質ばく露による皮膚刺激性がみられていることにより、防御対策を行うことを推奨している (NIOSH (2006))。 よって区分2とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2 |
|
H319 |
P264 P280 P305+P351+P338 P337+P313 |
セラミックファイバー製造作業者の疫学調査において大気中の繊維濃度の増加と眼刺激性の発生との関係がみられたといった報告があり (厚労省リスク評価書 (2014)、NIOSH (2006))、さらにNIOSHでは複数の疫学報告で本物質ばく露による眼刺激性がみられていることにより、防御対策を行うことを推奨している (NIOSH (2006))。 よって区分2とした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
|
- | - |
データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない |
|
- | - |
データ不足のため分類できない。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない |
|
- | - |
In vivoデータはない。 In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞の遺伝子突然変異試験で陰性、小核試験で陽性、染色体異常試験で陽性、陰性の結果である (厚労省リスク評価書 (2014)、IARC 81 (2002)、ECHA (Access on August 2016))。 厚労省リスク評価書 (2014) は、本物質の遺伝毒性は二次的なものと結論している。 以上より、ガイダンスに従い分類できないとした。 |
6 | 発がん性 | 区分1B |
|
H350 |
P201 P202 P280 P308+P313 P405 P501 |
米国で本物質 (リフラクトリーセラミックファイバー:RCF) にばく露された作業者の疫学研究結果は本物質の発がん性を評価するには不十分とされた (IARC 81 (2002))。 実験動物ではラットにRCF (95 WHO f (fibres)/cm3、繊維の約90%が長さ<3 μm、直径<0.3 μm、粒子:繊維の比が約4:1) を10 mg/m3 で12ヵ月間全身吸入ばく露し、最長32ヵ月後まで観察した試験で、肺腫瘍 (腺腫、がん、悪性組織球腫) が8/48例に、腹膜の中皮腫を含む悪性、良性腫瘍が各8例に認められたとの報告、ハムスターに RCF (Fibrefrax: 200 f/cm3、幾何平均径: 0.9 μm、幾何平均長: 22 μm、粒子/繊維比: 33:1) を10.8 mg/m3 で24ヵ月間、又はRCF1 (215 WHO f/cm3、幾何平均径: 0.78 μm、幾何平均長: 15.9 μm) を30 mg/m3 で18ヵ月間、いずれも鼻部ばく露した2つの吸入試験において、腹膜又は胸膜の中皮腫が前者では1/70例に、後者では42/102例に認められたとの報告がある (IARC 81 (2002))。 この他、ラット及びハムスターに腹腔内投与した試験で、腫瘍発生頻度は繊維の長さと用量に関連したとの記述もある (IARC 81 (2002))。 以上より、IARCは本物質の発がん性の証拠はヒトでは不十分であるが、実験動物では十分な証拠があるとして、グループ2Bに分類した (IARC 81 (2002))。 また、EPAがB2に (IRIS Summary (1992))、日本産業衛生学会が人造鉱物繊維 (セラミック繊維、ガラス微細繊維) に対し第2群Bに分類している (許容濃度の勧告 (2015))。 一方、EUはアルカリ酸化物+アルカリ土類酸化物 (Na2O + K2O + CaO + MgO + BaO) が18重量%以下の人造繊維は Carc. 1B に分類され、RCFはこの基準に該当するとして、Carc. 1B に分類した (ECHA SVHC Suppot Document (2011))。 以上、IARCなどの分類結果からは区分2相当となるが、実験動物2種で発がん性の十分な証拠があること、並びにEUの最近の分類結果を踏まえ、本項は区分1Bとした。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない |
|
- | - |
データ不足のため分類できない。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分3(気道刺激性) |
|
H335 H336 |
P261 P271 P304+P340 P312 P403+P233 P405 P501 |
ヒトでは本物質を含むセラミックファイバーが、作業者に対して一時的な上気道の刺激を引き起こすとの記述がある (ACGIH (7th, 2001) "Synthetic Vitreous Fibers")。 この情報に基づき、セラミックファイバーは平成19年度GHS分類で区分3 (気道刺激性) と分類されている。 したがって区分3 (気道刺激性) とした。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(呼吸器) |
|
H372 |
P260 P264 P270 P314 P501 |
ヒトについては、米国とヨーロッパのコホート研究で肺機能障害を生じることが報告されている。 米国のコホート研究では736名のセラミックファイバー製造作業者における呼吸器症状の相対リスクは男性で2.9、女性は2.4であった。 ヨーロッパのコホート研究では累積ばく露と気道閉塞の関連は喫煙者と既喫煙者に限られていた。 このコホートの更新されたものでは累積ばく露と肺機能に負の相関が認められた (IARC 81 (2002))。 また、ヨーロッパのセラミックファイバー製造作業者に胸膜プラーク (肥厚斑) の過度の出現が認められたが濃度依存性は認められていない。 米国のコホートでは胸膜異常と潜伏期間、ばく露の累積期間に相関がみとめられ、最もばく露の多いクラスであるばく露期間20年以上、潜伏期間20年以上、累積ばく露量135 fibres/cm3/月以上ではオッズ比が各々3.7、6.1、6.0であった (IARC 81 (2002))。 実験動物では、ラットを用いた12ヵ月間吸入毒性試験において区分1相当の0.003 mg/L以上で肺の炎症を示すマクロファージの浸潤、小肉芽腫が認められた (IARC 81 (2002))。 したがって、区分1 (呼吸器) とした。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
|
- | - |
データ不足のため分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
危険有害性絵表示 (コード: シンボル) 注意喚起語 |
コード (危険有害性情報) |
コード (安全対策注意書き) |
分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|
11 | 水生環境有害性(急性) | 分類できない |
|
- | - | データなし |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 分類できない |
|
- | - | データなし |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
|
- | - | データなし |
* 「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」のコードにマウスカーソルに重ねると、「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が表示されます。 また、Excel fileでは、コードと共に「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が記載されてあります。 * 「分類結果」の欄が空欄、又は『 - 』となっている「危険有害性項目」は、分類が実施されていないため、前回に実施した分類結果が最新の情報となります。 * 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。 ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。 * 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。 他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。 |
2017/7/25 |