項目 | 情報 |
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CAS番号 | 68515-49-1, 26761-40-0 |
名称 | フタル酸ジイソデシル (DIDP) |
物質ID | H28-B-048, C-083B |
分類実施年度 | 平成28年度 |
分類実施者 | 厚生労働省/環境省 |
新規/再分類 (危険物/有害物) | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 平成22年度 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | GHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1)) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
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厚生労働省モデルSDS(外部リンク) |
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OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
危険有害性絵表示 (コード: シンボル) 注意喚起語 |
コード (危険有害性情報) |
コード (安全対策注意書き) |
分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 |
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- | - |
爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
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- | - |
GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
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- | - |
エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
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- | - |
GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
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- | - |
GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分外 |
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- | - |
引火点が229℃ (closed cup) (ICSC(J) (1998)) であり、「区分外」に相当する。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 |
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- | - |
GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 |
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- | - | 分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 |
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- | - |
発火点は402℃ (ICSC(J) (1998)) であり常温で発火しないと考えられる。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 |
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- | - |
GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
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- | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 |
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- | - |
金属及び半金属 (B,Si,P,Ge,As,Se,Sn,Sb,Te,Bi,Po,At) を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 |
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- | - |
フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 |
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- | - |
GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
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- | - |
分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
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- | - |
データがなく分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
危険有害性絵表示 (コード: シンボル) 注意喚起語 |
コード (危険有害性情報) |
コード (安全対策注意書き) |
分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分外 |
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- | - |
ラットのLD50値として、> 6,000 mg/kg (PATTY (6th, 2012)、HSDB (Access on July 2016))、> 15,000 mg/kg (EU-RAR (2003)、DFGOT (2015))、> 29,100 mg/kg (EU-RAR (2003)、NICNAS (2015)、DFGOT (2015)、食品安全委員会 (2016))、> 62,080 mg/kg (EU-RAR (2003)、NICNAS (2015)、食品安全委員会 (2016))、64,000 mg/kg (HSDB (Access on July 2016)) の5件の報告がある。 これらに基づき区分外とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 |
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- | - |
ラットのLD50値として、> 2,910 mg/kg (EU-RAR (2003)、NICNAS (2015)、DFGOT (2015))との報告があり、区分外に該当する。 ウサギのLD50値として、> 3,160 mg/kg (EU-RAR (2003)、NICNAS (2015)、DFGOT (2015))、> 9,700 mg/kg (EU-RAR (2003)、HSDB (Access on July 2016)) の2件の報告があり、いずれも区分外に該当する。 これらに基づき区分外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
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- | - |
GHSの定義における液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない |
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- | - |
データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分外 |
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- | - |
ラットのLC50値 (4時間) として、> 12.54 mg/L (雌雄) (EU-RAR (2003)、NICNAS (2015)、DFGOT (2015)、食品安全委員会 (2016)、HSDB (Access on July 2016)) の報告に基づき区分外とした。 なお、この値は飽和蒸気圧濃度 (12.7 ng/L) より高いため、ミストの基準値を適用した。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 |
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- | - |
ウサギを用いた皮膚刺激性試験 (OECD TG 404)では、一過性のごく軽度の刺激性がみられた。 また、その他のウサギ皮膚刺激性試験 (4時間ばく露)においても皮膚刺激性は一過性でごく軽度であった (EU-RAR (2003)、DFGOT(2015))。 ヒトのパッチテストでも、15人の被験者に0.2 mLを24時間閉塞適用しパッチ除去30分及び24時間の観察において刺激性は認められなかった (EU-RAR (2003))。 これらの結果に基づいて区分外 (国連分類基準区分3) と判断した。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分外 |
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- | - |
ウサギの眼刺激性試験 (OECD TG 405) において、適用1時間後に結膜発赤 (スコア2) がみられたが、24時間目以降は認められなかった (DFGOT (2015)、EU-RAR (2003))。 その他のウサギを用いた眼刺激性試験においても、一過性にごく軽度の結膜発赤及び浮腫が認められたが48時間以内に消失しており、角膜、虹彩には影響が認められなかった (DFGOT (2015)、EU-RAR (2003)、PATTY (6th, 2012))。 これらの結果に基づいて眼刺激性はきわめて弱いと判断され、区分外とした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
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- | - |
データ不足のため分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない |
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- | - |
モルモットの皮膚感作性試験 (ビューラー法変法) では、20例中15例に紅斑と1例に浮腫が認められ陽性と判断された (DFGOT(2015)、EU-RAR(2003))。 一方、その他のモルモット皮膚感作性試験 (ビューラー法及びマキシマイゼーション法) では、いずれも陰性であった (DFGOT (2015)、EU-RAR (2003)、PATTY (6th, 2012))。 また、ヒトでは、104人のボランティア、310人の皮膚疾患の患者、および144人のプラスチック・接着剤アレルギー患者を対象としたパッチテストにおいて、いずれも陽性反応が認められなかった (DFGOT (2015)、EU-RAR (2003)、PATTY (6th, 2012))。 相反するデータが得られていることから分類できないとした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない |
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- | - |
ガイダンスの改訂により区分外が選択できなくなったため、分類できないとした。 すなわち、in vivoでは、マウスの骨髄細胞を用いた小核試験で陰性 (EU-RAR (2003)、NICNAS (2015)、PATTY (6th, 2012))、in vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞のマウスリンフォーマ試験で陰性である (EU-RAR (2003)、NICNAS (2015)、PATTY (6th, 2012))。 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
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- | - |
データ不足のため分類できない。 なお、ラットに本物質を2年間混餌投与した発がん性試験において、単核細胞白血病 (MNCL) の発症頻度増加がみられたが、MNCLはF344ラット好発性の腫瘍で、ヒトにあてはまらないと判断された。 その他、投与に関連した腫瘍発生の増加はみられなかった (NICNAS (2015)、PATTY (6th, 2012))。 |
7 | 生殖毒性 | 区分2 |
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H361 |
P201 P202 P280 P308+P313 P405 P501 |
ラットを用いた経口経路 (混餌投与) による2つの2世代生殖毒性試験において、F0、F1親動物に一般毒性影響 (体重増加抑制、肝臓・腎臓重量増加など) がみられる用量でも生殖能への影響は示されなかった。 しかし、F1、F2児動物に生後4日まで (高用量では離乳時まで) の死亡率の増加、1試験では加えてF2に包皮分離の遅延が認められている (NICNAS (2015)、PATTY (6th, 2012))。 一方、妊娠ラットの器官形成期に強制経口投与した結果、母動物毒性発現量以下の用量で胎児に軽微な影響 (過剰肋骨などの骨格変異) がみられただけであった (NICNAS (2015)、PATTY (6th, 2012))。 以上、ラット2世代試験で親動物への一般毒性発現用量で出生児の生後死亡率の増加がみられたことから、本項は区分2とした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 分類できない |
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- | - |
本物質のヒトでの単回ばく露のデータはない。 動物実験では、ラットに区分2のガイダンス値範囲を超える量の本物質の経口投与で死亡及び症状の発現はなく、剖検における変化も観察されていない (EU-RAR (2003))。 また、ウサギに区分2のガイダンス値範囲を超える量の経皮投与により、擦過皮膚では食欲不振などの一般症状及び剖検時に肺の暗赤色化が観察されたが、健常皮膚では局所影響として皮膚の紅斑を認めたのみで全身毒性は認められず (EU-RAR (2003))、ラットへの区分2のガイダンス値範囲を超える量の経皮投与においても一般症状及び剖検時の病理学的異常は認められなかった (EU-RAR (2003))。 さらに、ラットを用いた区分2のガイダンス値範囲を超える量の急性吸入ばく露試験では、ばく露後の症状として興奮と粗毛があり、剖検による唯一の病理学的所見として、肺に多数の暗赤色の病巣が投与群でより高頻度で認められたと報告されているのみである (EU-RAR (2003)。 以上より動物実験における本物質の影響はガイダンス値範囲を超える大量の本物質にばく露された場合にのみ観察されるため、ヒトへの影響を推定できない。 以上より区分の判定に十分な情報がないためガイダンスに従い分類できないとした。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない |
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- | - |
ヒトに関する情報はない。 実験動物については、イヌを用いた混餌投与による13週間反復投与毒性試験において区分2の範囲内である75 mg/kg/dayで肝臓の肝細胞肥大及び空胞化が認められている (EU-RAR (2003)、NICNAS (2015)、DFGOT (2015)、食品安全委員会 (2016))。 また、ラットを用いた混餌による21日〜2年間の複数の反復投与毒性試験において、区分2の範囲外で肝臓の肝細胞肥大や薬物代謝酵素誘導等が報告されている (EU-RAR (2003)、NICNAS (2015)、DFGOT (2015)、食品安全委員会 (2016))。 イヌでみられた肝臓の変化は、組織学的にも軽微な変化で用量依存性を欠いていること、ALTやASTなどの肝酵素に影響が認められないことなどにより重大な毒性所見として捉えられていない (EU-RAR (2003))。 以上のように経口経路において肝臓に対する影響がみられたものの、重大な変化ではなく、他の経路でのデータが不十分であることから区分外とせず、分類できないとした。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
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- | - |
データ不足のため分類できない。 なお、EU-RAR (2003) に収載された数値データ (粘性率: 130 mPa・s (20℃)、密度 (比重): 0.97 (20℃)) より、動粘性率は134 mm2/sec (20/20℃) と算出される。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
危険有害性絵表示 (コード: シンボル) 注意喚起語 |
コード (危険有害性情報) |
コード (安全対策注意書き) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分外 |
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- | - |
藻類(セネデスムス)72時間EC50 ≧ 500 mg/L、甲殻類(オオミジンコ)48時間EC50 ≧ 0.18 mg/L、魚類(ブルーギル)96時間LC50 ≧ 0.55 mg/L(いずれもEU-RAR, 2003)であることから、区分外とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分外 |
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- | - |
慢性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(難分解性、BODによる分解度:2%(既存点検, 1975)、甲殻類(オオミジンコ)の21日間NOEC ≧ 0.1 mg/L(EU-RAR, 2003))であることから、区分外となる。 慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(難分解性、BODによる分解度:2%(既存点検, 1975)、魚類(ブルーギル)の96時間LC50 ≧ 0.55 mg/L(EU-RAR, 2003)であることから、区分外となる。 以上の結果から、区分外とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
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- | - | データなし |
* 「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」のコードにマウスカーソルに重ねると、「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が表示されます。 また、Excel fileでは、コードと共に「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が記載されてあります。 * 「分類結果」の欄が空欄、又は『 - 』となっている「危険有害性項目」は、分類が実施されていないため、前回に実施した分類結果が最新の情報となります。 * 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。 ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。 * 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。 他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。 |
2017/7/25 |