項目 | 情報 |
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CAS番号 | 117-84-0 |
名称 | フタル酸ジ‐ノルマル‐オクチル |
物質ID | H28-B-050, C-084B |
分類実施年度 | 平成28年度 |
分類実施者 | 厚生労働省/環境省 |
新規/再分類 (危険物/有害物) | 再分類・見直し |
他年度における分類結果 | 平成24年度 平成18年度 |
Excelファイルのダウンロード | Excel file |
項目 | 情報 |
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分類に使用したガイダンス(外部リンク) | GHS分類ガイダンス(平成25年度改訂版(Ver.1.1)) |
国連GHS文書(外部リンク) | 国連GHS文書 |
解説・用語集(Excelファイル) | 解説・用語集 |
厚生労働省モデルラベル(外部リンク) | 職場のあんぜんサイト |
厚生労働省モデルSDS(外部リンク) | 職場のあんぜんサイト |
OECD/eChemPortal(外部リンク) | eChemPortal |
危険有害性項目 | 分類結果 |
危険有害性絵表示 (コード: シンボル) 注意喚起語 |
コード (危険有害性情報) |
コード (安全対策注意書き) |
分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 |
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- | - |
爆発性に関する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 |
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- | - |
GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 |
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- | - |
エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 |
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- | - |
GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 |
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- | - |
GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分外 |
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- | - |
引火点215℃ (開放式) (HSDB (Access on August 2016)) というデータがあり、所定の測定法においても区分外に該当すると考えられる。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 |
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- | - |
GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 |
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- | - |
分子内に爆発性、自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 |
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- | - |
発火点は390℃ (HSDB (Access on August 2016)) であり、常温で発火しないと考えられる。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 |
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- | - |
GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない |
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- | - |
液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 |
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- | - |
金属及び半金属 (B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At) を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 |
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- | - |
フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 |
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- | - |
GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 |
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- | - |
分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない |
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- | - |
データがなく分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
危険有害性絵表示 (コード: シンボル) 注意喚起語 |
コード (危険有害性情報) |
コード (安全対策注意書き) |
分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分外 |
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- | - |
ラットのLD50値として、47,000 mg/kg (環境省リスク評価第9巻 (2011))、53,700 mg/kg (ATSDR (1997)、NICNAS (2015)、PATTY (6th, 2012))、47,000〜53,700 mg/kg (食品安全委員会 (2016)) の3件の報告がある。 これらに基づき区分外とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 |
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- | - |
モルモットのLD50値75 mL/kg (NICNAS (2015)、食品安全委員会 (2016)、PATTY (6th, 2012)) に基づき、比重0.978を用いて換算したLD50値73,350 mg/kg から、区分外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 |
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- | - |
GHSの定義における液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない |
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- | - |
データ不足のため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない |
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- | - |
データ不足のため分類できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 |
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- | - |
ウサギおよびモルモットの皮膚刺激性試験において、刺激性はごく軽度であった (ATSDR (1997)、NICNAS (2015))。 また、ヒトのパッチテストでも刺激性は認められなかっ た (NICNAS (2015)) ことから、区分外 (国連分類基準の区分3) とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分外 |
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- | - |
モルモットの試験では結膜に軽度の刺激性がみられたが角膜には影響は認められなかった (ATSDR (1997)、NICNAS (2015))。 また、ウサギの試験では、明確な結果は得られなかったとする報告 (NICNAS (2015)) や、陰性との報告 (PATTY (6th, 2012)) がある。 ヒトについては本物質を含むフタル酸エステル類にばく露した作業者に眼刺激性が認められたとする報告があるが、NICNASは、限定的なデータによる影響としている。 以上の情報に基づき、区分外とした。 旧分類の情報に新しい情報を追加し再度精査することにより分類を変更した。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない |
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- | - |
喘鳴や鼻炎、湿疹の症状のあった2〜7才の102人の子供 (対照群82人) を対象として子供の寝室の粉じんに含まれるフタル酸ジエステルとの関連を検討した調査では、アレルギー症状の間に関連は認められなかった (環境省リスク評価第9巻 (2011))。 一方、フタル酸ジオクチルの蒸気を職業的に吸入して喘息を発症した症例が報告されている (NICNAS (2015))。 総合的には本物質の感作性を判断するにはデータ不十分である (NICNAS (2015)) と記載されており、分類できないとした。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない |
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- | - |
モルモットの皮膚感作性試験において試験法など詳細は不明であるが陰性であった (ATSDR (1997)、NICNAS (2015))。 一方、接触皮膚炎を発症した作業者を対象としたパッチテストでは30人中6人がフタル酸ジオクチルに陽性反応を示した (NICNAS (2015))。 総合的には本物質の感作性を判断するにはデータが不十分である (NICNAS (2015)) と記載されており、分類できないとした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない |
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- | - |
データ不足のため分類できない。 すなわち、in vivoのデータはなく、in vitroでは細菌の復帰突然変異試験で陰性である (環境省リスク評価第9巻 (2011)、ATSDR (1997)、CEPA (1993)、NICNAS (2015)、NTP DB (Access on July 2016))。 |
6 | 発がん性 | 分類できない |
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- | - |
データ不足のため分類できない。 なお、雄ラットを肝部分切除後にジエチルニトロソアミン (DEN) を腹腔内投与し、その後本物質を60〜65週間混餌投与 (5,000、10,000 ppm) した結果、肝臓がん発生率の増加が用量依存的に認められ、DEN非ばく露群でも10,000 ppm で肝臓腫瘍 (腺腫、がん) 発生の増加がみられた (環境省リスク評価第9巻 (2011))。 |
7 | 生殖毒性 | 区分2 |
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H361 |
P201 P202 P280 P308+P313 P405 P501 |
マウスの妊娠6〜13日に9,780 mg/kg/day を強制経口投与した試験で出生児数の減少及び体重増加抑制がみられ (環境省リスク評価第9巻 (2011)、ATSDR (1997)、NICNAS (2015))、またラットに妊娠5、10、15日に4,890、又は9,780 mg/kg/day を腹腔内投与した試験で胎児体重の低値及び外表奇形 (無尾、無眼、後肢異常 (ねじれ) など) の発生率の増加がみられた (環境省リスク評価第9巻 (2011)、NICNAS (2015))。 以上より、本項は区分2とした。 なお、マウスの連続交配試験ではF0及びF1世代の繁殖成績に影響はみられていない (環境省リスク評価第9巻 (2011)、ATSDR (1997)、NICNAS (2015))。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 分類できない |
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- | - |
データ不足のため分類できない。 ヒトでは本物質は眼、皮膚、鼻、喉を刺激し、咳や息切れを起こし、高濃度では肺の刺激や傷害を生じることがあるとの記載 (環境省リスク評価第9巻 (2011)) があるが、元文献はList 3の資料であるHSFSであり、原典を確認できない。 また、ジオクチルフタル酸 (異性体は特定されていない) を含むフタル酸エステルにばく露された労働者 (複数) に上気道の刺激がみられたとの事例報告1件があるが、気道刺激性と判定するには不十分なデータであると結論されている (NICNAS (2015))。 以上より分類できないとした。 なお、旧分類はこれらの情報を根拠として区分3 (気道刺激性) としていたが、情報を再度精査した結果、分類を変更した。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない |
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- | - |
ヒトに関して、本物質を含むフタル酸エステルのばく露による多発性神経炎の報告があるが (NICNAS (2015))、本物質の影響を特定できる情報はない。 ラットを用いた混餌による21日間反復投与毒性試験において、区分2の範囲外の2% (ガイダンス値換算:233.3 mg/kg/day) で、小葉中心性肝細胞壊死・脂肪滴、肝臓のグリコーゲンの枯渇、肝臓のペルオキシゾーム増殖等がみられ (環境省リスク評価第9巻 (2011)、NICNAS (2015))、ラットを用いた混餌による13週間反復投与毒性試験において、0.5% (350〜403 mg/kg/day) で肝臓の空胞化、甲状腺の濾胞サイズ減少・軽度のコロイド密度の減少等がみられ (環境省リスク評価第9巻 (2011)、食品安全委員会 (2016))、ラットを用いた混餌による12ヵ月間反復投与毒性試験において、区分2の範囲外である0.35% (175 mg/kg/day) で肝臓の重量増加、AST及びALTの増加がみられている (環境省リスク評価第9巻 (2011))。 以上のように主に肝臓に対する影響がみられているが、いずれも区分2を超える用量であったことから、分類できないとした。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない |
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- | - |
データ不足のため分類できない。 なお、HSDB (Access on July 2016) に収載された数値データ (粘性率: 39 mPa・s (20℃)、密度 (比重): 0.978 (20℃)) より、動粘性率は39.9 mm2/sec (20/20℃) と算出される。 |
危険有害性項目 | 分類結果 |
危険有害性絵表示 (コード: シンボル) 注意喚起語 |
コード (危険有害性情報) |
コード (安全対策注意書き) |
分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分外 |
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- | - |
甲殻類(オオミジンコ)48時間EC50 > 0.000669 mg/L、魚類(ファットヘッドミノー)96時間LC50 > 0.045 mg/L(いずれも環境省リスク評価第9巻, 2011)であることから、区分外とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分外 |
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- | - |
慢性毒性データを用いた場合、急速分解性があり(BODによる分解度:67%(既存点検, 2002)が、甲殻類(オオミジンコ)の21日間NOEC > 0.000607 mg/L(環境省生態影響試験, 2005、環境省リスク評価第9巻, 2011)であることから、区分外となる。 慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、急速分解性があり(BODによる分解度:67%(既存点検, 2002)が、魚類の急性毒性データが区分外相当であることから、区分外となる。 以上の結果から、区分外とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない |
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- | - | データなし |
* 「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」のコードにマウスカーソルに重ねると、「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が表示されます。 また、Excel fileでは、コードと共に「危険有害性情報」及び「安全対策注意書き」が記載されてあります。 * 「分類結果」の欄が空欄、又は『 - 』となっている「危険有害性項目」は、分類が実施されていないため、前回に実施した分類結果が最新の情報となります。 * 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。 ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。 * 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。 他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。 |
2017/7/25 |